Urban Innovation JAPAN


応募終了

神戸市 教育委員会事務局 学校支援部 健康教育課

みんなにやさしい!新しいこんだて表がほしい!

採択企業
株式会社フードピクト

Point

解決したい課題

誰にでも見やすいこんだて表で、 ”目視と手作業”で支えているアレルギー等の対応を少しでも簡単にしてより安全にしたい

想定する実証実験

家庭で献立情報を参照する際の見やすさ・検索性を重視したアプリ等のプロトタイプツールを用いたユーザーニーズの検証。
校務運営上無理のないスキームの構築。

Story

集合写真

給食の時間のことを思い出してみると

みなさんは、小学校の頃の給食を覚えていますか?

好きだった献立、苦手だった献立、ありますよね?
余った牛乳やゼリーの争奪戦をした思い出もあるかもしれません。
大多数の方は、パンまたはごはん、牛乳、おかず(、たまにデザート)が揃った給食を思い浮かべることでしょう。

でも、全員が全く同じ献立をそのまま食べられるわけではありません。
アレルギーやその他様々な理由で、みんなと同じように食べられない子供たちがいます。

こうべ特産給食イメージ

神戸市産の食材をたっぷり使った「こうべ特産給食」

神戸の小学生の4.5%は食物アレルギーで食べられないものがある

植物アレルギー児童実態調査結果その1
出典:平成30年度神戸市立小学校における食物アレルギー児童実態調査結果(平成30年5月1日現在)

子供の食物アレルギーで多いのは卵と乳。
続いて、えび、落花生、かに、キウイ、そばなども人数が多いです。
「その他」にはナッツや果物、魚介類などが含まれています。アレルギーの原因となる食べ物は多岐にわたります。

みなさんにとって意外な食べ物もあるのではないでしょうか。

食品別アレルギー人数
食物アレルギー児童実態調査結果その2
出典:平成30年度神戸市立小学校における食物アレルギー児童実態調査結果(平成30年5月1日現在)

食物アレルギーの症状は人によって様々で、少し触れただけでも命にかかわる人もいれば、体調によっては特に異常が出ない人もいます。
また、子供の場合は成長に伴って症状が軽くなることもあり、医師の指導の下で自宅では食べる練習を始めている子もいます。

しかし、学校で食べる給食は「もしも」があってはいけませんから、医師から許可が出るまでは食べないようにしています。

人気メニュー「やきそば」のイメージ
人気メニューの「やきそば」。大きな回転釜で数百人分一気に作ります。

本当は一人ひとりの事情に合わせて食べられるようにしてあげたいところですが、給食は大きな釜で全員分を一気に作ります。
だから、あれを除いてこれを除いて……というオーダーメイドはとても難しいのです。
唯一できるのは、かきたまじるなどの最後に入れる卵を除くこと。

それ以外は、「もしも」の事故で子供たちに辛い思いをさせたくないから、食べられない料理の代わりのものを家庭から持ってきてもらうルールにしています。

今は保護者と学校の”目視と手作業”が頼みの綱

食べられないものを判断するのは保護者の方にお任せしています。
毎月こんだて表と使用食品一覧表(食材の原材料リスト)を見比べて、食べられない料理を探してご連絡いただきます。

もちろん学校の教職員もチェックしますが、その子のことを一番分かっているのは保護者の方。
安全と安心のために、ご家庭でしっかり確認していただくようお願いしています。

アレルギー品目チェックの様子
こんだて表と使用食品一覧表。アレルギー品目ごとにチェックします。

確認に使うのは紙の資料。全て目で見ていくことになります。

こんだて表のメニューと食材だけでなく、各食材に含まれる原材料リスト(使用食品一覧表)も全て見て、アレルギー品目が含まれているものを食べてしまうことがないように印をつけていきます。

複数の資料を見ながらチェックしていることに加え、それぞれの子供の症状によって食べられるかどうかが変わってくるので、今世の中にある献立アプリのようなシンプルなツールでは対応しきれないのが実情です。
たくさんの食材を全部確認して、食べられないものが含まれていないかを調べるのは本当に大変です。

毎月丁寧に確認してくださっている保護者の方には頭が下がります。
この”目視と手作業”に支えられているのが今のアレルギー対応です。

また、食物アレルギー以外にも、健康上の制限や服薬の都合、宗教上の理由で食べられないものがある場合もあります。
そうした場合もアレルギーと同じ方法で食べないものを保護者の方に確認していただき、対応しています。

加えて、神戸市は日本語以外を母語とする住民も多く、学校給食でもアレルギー対応のための資料にフードピクトを導入するなど工夫していますが、さらにグローバル化への対応を進めていきたいと考えています。

「みんなにやさしいこんだて表」にできるんじゃないだろうか

それぞれの子供の事情で食べられないものがあることを、本人も周囲も理解し、受け入れて、上手に付き合っていかなければなりません。

子供たちが安心して給食を食べられるように、保護者や教職員など周囲の大人がサポートしています。

誰もが見やすいこんだて表を作り、みんながサポートしやすいように、一番いいやり方を一緒に考えてくれるパートナーを求めています。

アレルギーと給食の関係はどこの自治体でも発生する課題です。
また、グローバル化による多様な対応も今後増えていきます。
そのため、神戸市の規模でもうまくいく方法が見つかれば、他都市の課題にも対応できると思います。

アイデアと技術で、神戸だけでなく全国の子供たちの学校生活を支えてくださる企業の応募をお待ちしています。

集合写真

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Vision

実現したい未来

アレルギーなどの理由で食べられないものがある子供たちも、もっと安心して食べられる給食。グローバル化に対応した、新しいこんだて表。

得られるもの

他都市への水平展開。
学校現場のニーズ感覚とその他の家庭課題・校務課題の把握、あるいは解決策。

Outline

背景

神戸市立小学校・特別支援学校・義務教育学校(前期課程)全168校では、給食のアレルギー対応を行っていますが、全校生徒分の給食を一度に調理するので、個別の細やかな対応は難しく、アレルゲンとなる食材を取り除く対応ができるのは、神戸市ではかきたまじるなどの料理で最後に入れる卵だけです。

それ以外は、その料理の食材と原材料を確認して食べるか食べないかを保護者が判断し、学校へ連絡していただき、当日は家庭から代わりの料理を持って登校していただきます。本当はみんな同じ給食を食べてほしいですが、命にかかわることだからこそ、確実にできる対応だけをしています。

一日の献立に使う食材は様々で、更に加工品に使っている原材料までチェックし、その子が安心して食べられるものだけを食べるように保護者と学校、本人も気を付けている毎日で、現行の紙媒体による人間の目視確認だけでは不安も残り、負担も大きい状態です。

もう少し確認しやすい形にすることで、学校と保護者、そしてなにより児童本人がより安心して給食を食べられるような仕組みに変えたいと考えています。

課題(詳細) 献立情報のより分かりやすい提供、アレルギー対応に必要な情報のより確実な共有。
求める解決策 保護者視点:献立情報(料理・使用食材等)検索性の高いツールによる利便性向上。家庭から代替食を持参する日を事前に知らせてくれる機能。
学校視点:その日の献立提供にかかる情報を担任・管理職・栄養教諭・養護教諭などの関係者が共有できるツール。
付加的・発展的な要素 家庭で代替食を調理するときの参考となるレシピ情報との連携(クックパッドへのリンク)。
学校ごとの行事などを反映したスケジューラ機能。
グローバル化対応。
想定する実証実験内容(詳細) 家庭で献立情報を参照する際の見やすさ・検索性を重視したアプリ等のプロトタイプツールを用いたユーザーニーズの検証。
校務運営上無理のないスキームの構築。
求めるスタートアップ像 ・保護者と学校現場それぞれのニーズ・事情をくみ取り、相互の摩擦を減らす提案を行えること。
・上記解決策について、興味があり、実効性のある提案ができるスタートアップ。
スタートアップに求める条件 神戸ハーバーランドにある教育委員会事務局オフィスおよび神戸市内の各学校等でのヒアリング調査などに積極的に出向けること。
データベース検索システムやアプリ構築等の経験があること。
提供可能なデータ・環境等 献立情報(料理・使用食材)にかかるデータの一切、神戸市立小学校在籍児童のアレルギー傾向統計資料(個人情報を含まない)
プログラム終了後の本格導入 学校現場で実際に活用でき、保護者と学校双方の負担軽減が見込める内容となれば、導入を検討する。

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