Urban Innovation JAPAN


残り26

締 切

山口図書館

眠る地域ナレッジを利用者へ。自然言語検索による調査のサポート

実証支援金:最大50万円

1件(1課題)あたり50万円(税込み)上限

Story

どうしたら、利用者が、図書館の窓口に出向かずとも、自身の日常的な言葉や曖昧な表現から、地域に関する問いへの適切な回答・アドバイスを取得できるだろうか?

ご応募お待ちしております

山口図書館 集合写真

応募をご検討の方へ

担当課への直接のご連絡はお控えください。
ご不明な点は課題説明会に参加してご質問いただくか、事務局へお問い合わせ(urban_innovation_japan@communitylink.jp)ください。

課題詳細・想定する実証内容

課題の背景

課題背景

【課題サマリー】

当館では利用者からの質問に典拠資料を基に回答するレファレンスサービスを提供していますが、従来の検索システムはキーワードの完全一致を前提としているため、利用者が自身の日常的な言葉を用いて検索する場合、求める情報へ直接たどり着くことができず、情報アクセスが窓口の職員へ依存する構造になっています。

【検索システムの制約による情報アクセスの格差】
  • 従来の検索システム(OPAC)は正確なキーワード入力を前提として設計されているため、言葉の揺らぎに対応できない
  • 利用者が日常的な言葉や曖昧な概念で検索をしても、探している郷土資料にヒットしない
  • 結果として、開館時間内に直接来館するか、電話やメールで職員に相談しなければ知識を得られない時間的・地理的制約がある
【窓口への業務集中と特定職員への属人化】
  • 利用者が自力で情報探索を自己解決(セルフサーブ)できないため、すべての相談が窓口対応に集中している
  • 高度な調査が必要なレファレンス業務は、長年の経験を持つ特定のベテラン職員のノウハウに依存している
  • 若手職員やパート職員への技術継承の壁となっており、館全体の業務負荷を増大させる要因となっている

現在の業務フローと課題

【現状の取り組み状況など】
  1. 利用者が日常の疑問や郷土に関する歴史等の調査について、開館時間内に直接来館、または電話・メール等で窓口の職員へ質問・相談を行う。
  2. 窓口の職員が「レファレンスインタビュー」を行い、利用者の曖昧な言葉から本質的なニーズ(何のために、どこまで調べているかなど)を言葉として整理し、適切な検索キーワードを導き出す。
  3. 職員が自身の専門知識や過去のレファレンス回答記録、郷土資料等の専門資料に直接当たり、確実な典拠を確認した上で回答を作成し、利用者に提供する。
  4. 対応完了後、現行の図書館システムに質問内容や回答要旨をデータとして記録する。

レファレンスサービス流れ図

▶課題の所在:利用者が日常的な言葉や概念を用いて、地域に関する資料や情報を検索する仕組み(フロントUI)がないため、すべての情報探索プロセスにおいて、窓口の職員の手作業によるインタビューと仲介を必要とする点。

対象業務の規模

詳細な調査を経て処理表(記録)を残す高度なレファレンス業務が年間約800件。その場で即座に対応する簡易な問い合わせや相談も含めると、館全体で年間約6000件の対応実績があります。これらの業務を、総合サービスグループの正規職員4名がメインで担当しており、兼務を含めた全体でも12〜13名体制で運用しています。

変えたいポイント

【現状】
  • 利用者が従来の検索システム(OPAC)を利用する際、正確なキーワードを用いないと目当ての郷土資料にたどり着けない。
  • 夜間や休館日などの閉館時間帯には、利用者が高度なレファレンスサービスをリアルタイムで享受できず、自己解決する手段がない。
【想定する解決イメージ】
  • 利用者がチャットボットや自然言語検索UIを通じて、曖昧な文章や日常的な言葉を入力するだけで、関連する郷土資料を直接検索・取得できる。
  • 24時間365日いつでも、利用者が時間や場所の制約を受けずに、図書館の蓄積された地域ナレッジを活用して自己解決(セルフサーブ)できる。

※なお、将来的な本格展開を見据え、実証用の少数サンプルデータから個人情報を自動で検知・秘匿化(マスキング)する処理プロセスの検証もあわせて視野に入れています。

プロジェクトのゴール

実証の成功指標

  • 提供したサンプルデータにおいて、利用者の自然言語から関連する過去の回答記録や資料へ正しく誘導できた割合
  • 実証システムを利用した利用者へのアンケートにおける、検索のしやすさや自己解決の度合いに関する満足度

※具体的な成果指標の数値や測定方法については、採択後に企業と協議の上で決定します。

最終目標

利用者が図書館の窓口や開館時間に縛られることなく、いつでも自身の言葉で図書館の持つ豊かな情報源へアクセスし、地域に関する疑問や困りごとを直接自己解決できるセルフサーブ型のシステムが確立されていることです。これにより、情報アクセスの機会格差が解消されるとともに、窓口業務の平準化が図られている状態を目指します。

図書館チラシ

社会的意義

公立図書館が長年蓄積してきた「過去のレファレンス回答記録」や「郷土資料」という高品質な独自ナレッジ資産を活用し、システムの制約や検索リテラシーの壁を超えて利用者に提供する試みです。これは、地域の歴史や知識の民主化を進めるとともに、キーワード完全一致の検索に悩む全国の図書館や、同様の専門相談窓口を抱える自治体における情報提供のあり方をアップデートする先駆的なモデルとなります。

想定する実証内容

検証したいこと

  1. 【優先度:高】利用者の自然言語による入力に対し、AIがハルシネーション(もっともらしい嘘)を起こさず、提供された過去の回答記録を基にして、正確な情報源(典拠)へ正しくナビゲート・誘導できるか(UI/UXおよび検索精度の検証)。
  2. 【優先度:中】限られたサンプルデータ(個人情報等を除外加工したもの)を基にした環境において、利用者が直感的に操作し、自身の求める情報(あるいはそのヒント)を自己解決できるか(利用者の利用適合性の検証)。

実証の5W1H

  • When(期間):採択後から実証終了まで(具体的なスケジュールは採択後に協議の上で決定します)
  • Where(場所):オンライン環境(Webサービスまたは独立したアプリケーションを想定)および山口図書館内
  • Who(対象):山口図書館の利用者(利用者・利用者)および実証をサポートする当館職員
  • What(対象データ):職員により個人情報や読書の秘密が除外・加工された、過去のレファレンス記録のサンプルデータおよび関連する郷土資料データ
  • How(方法):既存の図書館システムとは完全に切り離された独立型のフロントUI(チャットボットや自然言語検索UI)を構築し、実際の利用シーンを想定して検索の挙動や案内精度、ユーザー体験を測定・検証します。

解決策の方向性

既存の図書館システム(OPAC)に直接手を加えることなく、完全に独立して動作する以下のような解決策の方向性が考えられます。

  • 利用者が自身の自然な言葉や文章を入力すると、AIが内容を分析し、OPAC等で再検索しやすい適切な「キーワード群」や「調べ方の視点・アプローチ」を提案してくれる対話型ナビゲーションUI
  • 過去の優れたレファレンス回答記録(サンプル)をデータベース化し、言葉の揺らぎや曖昧な概念から関連する回答・典拠資料へ直接導く独立型のチャットボットシステム

※上記はあくまで一例であり、利用者が自身の言葉で情報探索を自己解決できる目的が達成されれば、これら以外の自由なアプローチによる提案も歓迎します。

提供可能なリソース

データ

当館の業務システムに蓄積されている過去のレファレンス回答記録のうち、職員の手によって個人情報や読書の秘密に触れる内容を厳格に除外・マスキング加工した「サンプルデータ」を提供可能です。なお、実証で活用できる具体的な郷土資料のテキストデータや目録データの範囲については、採択後に協議します。

フィールド

山口県立山口図書館(Web上での実証環境の公開、あるいは館内での一部試験的な端末設置やユーザーテストの実施など、具体的な実証フィールドの提供形態については採択後に協議の上で決定します)。

人的リソース

当館の総合サービスグループに所属する若手職員2名が、週1回から隔週程度のオンラインミーティングや実証の進行管理に直接コミットします。また、レファレンス業務に20年以上の経験を持つベテラン職員(リーダー)が、提供するサンプルデータの監修や、AIの回答精度・ナビゲーションの妥当性を評価するための専門的なフィードバック、ヒアリングに対応する体制を整えています。

留意事項

留意事項

  • 基幹システム改修不可:現在、調達を進めている既存の図書館システム(貸出・蔵書検索パッケージ等)の内部プログラムや仕様を改修・連携することはスケジュールおよび予算の関係上、不可能です。
  • ネットワークおよび端末のセキュリティ制限:図書館内の業務パソコンからは外部サイトや一般的な外部生成AIツールへのアクセスが制限されています。
  • ハルシネーションの厳格な抑制:利用者が直接利用するフロントシステムとなるため、AIが架空の文献や誤った歴史的事実を自動生成して回答することは、公立図書館の信頼性担保の観点から認められません。
  • 提供データ量の制約:個人情報保護および読書の秘密保持のため、実証実験に提供できるレファレンス記録は、職員が加工済みの少数サンプルに限られます。
自治体の体制・推進姿勢

カウンターパート

当館の総合サービスグループ(主にカウンター業務やレファレンス業務の実務を担当する正規職員およびリーダー)が直接の窓口となります。また、実証全体のサポートや庁内調整において、山口県デジタル政策課の担当職員とも連携しながらプロジェクトを推進します。

プロジェクトの進め方

採択後は、オンライン会議システムを活用した週1回から隔週程度の定期的な打ち合わせを中心に進行します。基本的にはオンラインでのコミュニケーションを中心に進めることが可能です。

実証の開始前やシステム検証の重要なフェーズにおいては、当館の実際のカウンター業務の様子や資料の配置、館内の雰囲気を把握していただくための現地視察・打ち合わせの機会を設けることを希望します。

担当者に関する特記事項

私たちは日々のレファレンス業務における知識の属人化や若手への継承に課題を感じており、この実証を通じて、近い将来に必ず訪れるAI活用時代に向けた館内ナレッジの蓄積と、外部企業との協働による若手職員の変革意識の醸成(人材育成)に強い期待を持っています。

実証後の発展性

本格導入の道筋

本実証実験を通じて、限られたサンプルデータにおけるAIの検索・ナビゲーション精度の妥当性や、利用者の自己解決(セルフサーブ)におけるUI/UXの有効性が確認された場合、その成果報告を基に、将来的な本格システム導入や予算確保に向けた検討・協議を継続して行います。

横展開の可能性

過去の優れたナレッジ資産(回答記録や専門資料)を豊富に持ちながらも、キーワード完全一致の検索システムの制約によってそれらが利用者に活用されていないという現状や、長年レファレンスに携わった職員と若手職員との間で生じるレファレンスサービスの質の差は、全国に約3,300館ある公立図書館や大学図書館に共通する課題です。さらに、図書館に留まらず、利用者からの高度な相談手続(税務、福祉、法務など)を抱える自治体のあらゆる専門窓口へ、既存システムを改修しない「独立型プラグインUI」としてパッケージ展開することが期待できます。

求める企業像

期待する姿勢

  • 提供される少数のサンプルデータという現場の制約を理解し、その中で最大限の実効性を引き出す工夫を楽しめる方をお待ちしています。
  • AIに答えを丸投げするのではなく、利用者の検索・思考をサポートする「ナビゲーター」としての適切なUI/UXを、現場の職員と一緒に試行錯誤しながら創り上げていく共創スタンスを持ったアプローチを歓迎します。
  • 実証を通じて得られる知見やノウハウを活かし、将来的に全国の図書館や自治体の相談窓口が抱える課題解決へ向けて、自社プロダクトを共に育てていける長期的視点を持った方からのエントリーをお待ちしています。

専門性・技術

【主に想定する技術・経験】
  • LLM(大規模言語モデル)やRAG(検索拡張生成)を活用した、自然言語処理およびテキスト検索・要約システムの開発経験
  • ハルシネーション(AIの嘘)を厳格に制御し、確実な情報源へとユーザーを誘導するガードレール設計の知見
【あわせて歓迎する経験】
  • ユーザーが求める本質的なニーズを対話によって引き出す、チャットボット等の優れたUI/UXのデザイン・開発実績

※上記は主に想定する一例であり、必ずしもすべての技術・経験を満たす必要はありません。利用者が自身の言葉で情報探索を自己解決できるアプローチを持った企業の提案をお待ちしています。

オンライン説明会

開催日時:

シビックテックチャレンジYAMAGUCHI 課題説明会2026


開催日時:2026年6月26日(金)13:30~16:30
内容:全8課題を前後半の2部制で実施(予定)
・第1部 県庁編 13:30〜14:45
・第2部 市町編 15:00〜16:30

選考基準・スケジュール・よくある質問など

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