Urban Innovation JAPAN


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締 切

衛生課

殺処分ゼロの先へ。保護犬の未来を拓く譲渡戦略とは?

Point

解決したい課題

保護犬の収容数が譲渡数を上回り、保健所の収容能力が限界に達している。

想定する実証実験

潜在的な飼い主層に対し、保護犬の魅力や情報を届ける新たな情報発信方法の模索と検証

提案企業に求める専門性

・効果的な情報発信方法の立案・実行能力および仮説検証によるニーズの把握能力
・動物福祉に関する知見があれば尚望ましい

Story

新しい家族を待つ、小さな命

岡山市の保健所では、様々な事情で保護された犬たちが、新しい家族との出会いを待っています。なかでも、保護犬たちの多くは、人懐っこく、愛情深い性格をしていますが、限られた環境の中で、不安や寂しさを感じている子も少なくありません。

私たちは、一頭でも多くの保護犬たちに、温かい家庭の温もりと、生涯にわたる愛情を届けたいと願っています。そのために、保護犬と新しい飼い主を結びつけるための、より効果的な情報発信や出会いの場づくりが求められています。

岡山市で保護されている犬(ガンバ)

「殺処分ゼロ」の先へ

岡山市は、市民、ボランティア、そして行政が一丸となって動物共生に取り組み、「殺処分ゼロ」を2017年から8年間、継続してきました。これは大変誇らしい成果ですが、一方で、保護される犬の数は増えており、施設の収容能力は常に限界に近い状態です。

犬の保護・譲渡状況の推移

職員やボランティアは、日々愛情を込めてお世話をしていますが、一頭一頭に十分な時間をかけることが難しい状況も生まれています。私たちは、この「殺処分ゼロ」を一過性のものとせず、持続可能な動物との共生の形を模索し続ける必要があります。

収容数の増加は、保護犬たちの生活環境の質の低下だけでなく、職員の業務負担増という課題も生んでいます。このままでは、保護犬たちにとっても、そして動物共生事業を支える人々にとっても、厳しい状況が続くことになります。

だからこそ今、新しいアイデアや技術を取り入れることで、この困難な状況を打破したいと考えています。今回は保護犬を対象とし、保護犬の情報をより多くの人に届け、新たな譲渡の可能性を広げたいのです。

これまでの取り組みと現在の課題

殺処分ゼロを達成した2017年当初は、ほとんどがボランティア団体に頼り切りの状態でした。特に、人と暮らすための訓練を必要とする野犬は、ボランティアが懸命に訓練を行い、飼い主を探してくれていました。

ボランティアの皆様と保護犬たち

しかし、譲渡には時間を要するため収容訓練能力が限界に達して、保健所に滞留する保護犬がどんどん増えていました。人馴れしていない保護犬の収容施設の確保及び訓練・しつけを行うシステムを構築し、譲渡を推進することに迫られていました。

そこで、犬の訓練士、ボランティア団体、動物関連事業者、教育関係者及び獣医師に呼びかけ、2020年から訓練士の指導のもとに、人馴れ訓練を開始しました。場所は、池田動物園内にある「ZOOねるパーク」です。現在では、毎日訓練ボランティアが参加してくれるようになり、譲渡件数は一定の数を保ち、事業開始から100頭以上の訓練犬が新たな家族のもとで暮らしています。殺処分ゼロを実現している先進的な取り組みとして、メディアにも取り上げられいます。

人慣れ訓練による譲渡実績
人慣れ訓練の様子

さらに、人慣れ訓練後の譲渡先を見つけるために、譲渡会の定期的な開催やYouTubeなどSNSでの情報発信など、様々な取り組みを行ってきました。実際に、これらの活動を通じて新しい家族を見つけた保護犬たちもいます。譲渡会の多くは平日に行われますが、岡山市では譲り先となる方々が参加していただきやすいよう、土日にイベントを開催してきました。これからは、Zooねるパークにて、好きな日時を指定して譲渡の機会を設ける予定です。

カインズ様との協働で行った譲渡会の様子
譲渡会のお知らせチラシ

しかし、この仕組みを作っても、現在の譲渡数は頭打ちの状況であり、特に野犬などの中型以上の雑種犬にとっては、まだまだ厳しい現実があります。中型犬は家の中で飼うには大きすぎることや、野犬を飼うための注意点があったり、一緒に住むには少しハードルを高く感じられる方が多いことは否めません。

また、野犬は怖いといった先入観も譲渡がなかなか進まない理由の1つだと感じています。実際には、人慣れ訓練をした保護犬たちは非常に人懐っこく、想像されるより大人しいのです。それが伝われば…と、いつも頭を悩ませています。

あなたの技術で未来を拓く

そこで、譲渡をより促進できるよう、保護犬の魅力を最大限に引き出し、潜在的な飼い主層に効果的に情報を届けるための新しいアイデアと技術を求めています。
例えば、それぞれの保護犬の個性やストーリーを伝える魅力的なコンテンツの制作、ターゲット層に合わせた情報配信戦略、オンラインを活用した新しい形の譲渡促進システムなどを想定していますが、提案はこれに限りません。

というのも、前述した通り、マンション住まいがスタンダードになってからは、小型犬を引き取りたいという方が増えました。そのため、特に中型犬以上の雑種の引き取りがなかなか見つかっていません。そこで、引き取り手となる潜在層がどこにいるのか、どんな人たちなのか、この実証実験を機会に把握したいと思っています。そのため、情報発信のなかで、潜在層の特定をベースとした仮説検証にも取り組みたいと思っています。

企業の皆様が持つ専門知識や新しいな発想で、自由にこの課題解決に力を貸してください!

温かい社会を共に創る

このプロジェクトは、単に動物を保護するということだけにとどまりません。動物と人が共に幸せに暮らせる、より温かい地域社会を創造するための大きな一歩です。保護犬たちが安心して新しい一歩を踏み出せるよう、そして保護犬を温かく迎え入れてくれる家族が増えるよう、一緒に、岡山の地から、動物との共生社会の新しい未来を切り拓いていきましょう。皆様のご応募を心よりお待ちしております!

Vision

実現したい未来

保護犬が過度なストレスなく新しい家族と出会える譲渡の仕組みの確立、ひいては動物と人が共生できる心豊かな社会の実現

得られるもの

・岡山市の動物共生事業における課題解決への直接的な貢献実績
・保護犬問題に対する新しいアプローチの社会実装実績

Outline

実証支援金:最大50万円

実証にかかる実証プロジェクト経費の支払
1件あたり50万円(税込み)上限

GovTech Challenge OKAYAMA2025課題説明会

開催日時:



参加申し込みはこちらから。→GovTech Challenge OKAYAMA説明会申し込みページ


募集中の課題について、岡山市職員と直接話ができる、貴重な機会です!応募をご検討中の方は、ぜひご参加ください。
◯参加費:無料
◯当日プログラム
15:00〜15:05 GovTech Challenge OKAYAMAとは 岡山市スタートアップ支援係
15:05〜15:10 GovTech Challenge OKAYAMAの流れ 事務局
15:10〜15:40 各担当課より課題説明(各5分)
15:40〜15:45 よくあるQ&Aの紹介、全体QA
15:45〜16:25 ブレイクアウトルーム 担当課との質疑応答 
16:25〜16:30 クロージング 事務局
16:30 終了

背景 岡山市では、ボランティアや地元企業などとの協働のもと、保護犬の殺処分ゼロを達成して8年が経過しました。しかしながら、近年、保護犬の保護数が譲渡数を上回る状況が続いています。このため、保健所の収容能力は大幅に超過しており、多くの保護犬たちは、衣食住は確保されていますが、自由な行動が制限されている状況です。
課題(詳細) 現在、最も大きな問題点は、保護犬の収容数が適正な飼育管理を行える上限を大幅に超えていることです。これに伴い、保護犬たちがストレスを感じやすい環境に置かれていることが懸念されます。また、職員は日々の飼育作業に追われ、譲渡に向けた十分な情報発信や、個々の保護犬の特性に合わせたマッチング活動に時間を割くことが困難な状況です。
求める解決策 保護犬の譲渡をさらに促進するための新しいアプローチを求めています。具体的には、保護犬の飼育を検討している潜在的な飼い主層に対して、保護犬の魅力や情報を効果的に届け、譲渡に繋げるための情報発信手法の確立を目指します。
また、情報発信に合わせて、潜在的な飼い主層がどこにいるのか?どういった情報が届きやすいのか?の把握も一緒にできればと考えています。
想定する実証実験内容(詳細) 提案される解決策に基づき、まずは特定のターゲット層へ向けた情報発信戦略を立案・実行します。例えば、SNSや動画コンテンツの活用、地域イベントとの連携、あるいはオンライン譲渡システムの改善などを想定していますが、それ以外にも保護犬の譲渡の促進に効果があると思われる提案を自由に受け付けます!
実証実験成功後の発展性 保護犬の譲渡問題は岡山市に限った問題ではないため、他自治体への横展開の可能性があります。
提案企業に求める専門性 効果的な情報発信方法の立案・実行能力および仮説検証によるニーズの把握能力を求めます。また、動物福祉に関する知見があれば尚望ましいです。
プロジェクトの進め方打合せ方法 プロジェクトの実施計画を作ったうえで、何を目指すか、数値として測れる指標は何か、などのすり合わせのため、最初の1ヶ月は定期的なオンラインミーティング(週に1回程度を想定)を実施します。必要に応じて現地での打ち合わせや視察も行います。ぜひ、保護犬たちの様子を見にきてください。
提供可能なデータ・環境等 過去の保護犬に関する統計データ(保護数、譲渡数、動物種など)を提供可能です。また、保健所の施設見学や職員へのヒアリング機会も設定できます。実証実験に必要な範囲での広報協力(市ホームページやSNSでの発信など)も行います。
また、保護犬たちの個性を見るために、ぜひ保護状況や訓練場所は実際に見に来ていただければと思います。
プログラム終了後の本格導入 実証実験の結果を踏まえ、効果的であると判断された取り組みについては、次年度以降の岡山市の事業として本格的に導入することを検討します。その際、継続的な運用体制や必要な予算措置についても協議を進めます。

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