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藤枝市 道路課

アナログな橋梁点検業務を効率化したい!~調書のデジタル化とAI画像解析による損傷の自動判定~

Point

解決したい課題

職員2名により実施している年間約200橋の定期点検、アナログな点検業務を効率化したい。

想定する実証実験

調書作成業務のデジタル化、画像や映像からの損傷の自動判定のツールなどにより、業務効率化や正確性の検証を実施したい。

Story

集合写真

Ⅰ.今後やってくる深刻な橋梁の老朽化問題

日本の社会資本である、橋梁や道路、トンネルは高度経済成長期に集中的に整備され、今後急速に老朽化していくことが予想されています。実に今後20年で建設後50年以上経過する橋梁の割合は日本全体で「約63%」に及びます。

建設後50年以上経過する社会資本の割合
出典:デジタル技術の進展を踏まえた規制の総点検 インフラの老朽化と新技術・データ活用について(令和元年12月11日 国土交通省提出資料)

Ⅱ.およそ200橋を職員2人で点検しています

藤枝市においては、現在管理している橋梁は現在1,240橋ありますが、その半数以上がすでに架橋後50年を経過した“高齢化した”橋梁であることから、適切なメンテナンスを行っていく必要があります。

しかしながら、点検を行うことのできる土木職員が減少しており、職員2名で奮闘している状態です。

藤枝市を代表する高齢橋 藤岡橋 (昭和40年架設)
藤枝市を代表する高齢橋 藤岡橋 (昭和40年架設)

Ⅲ.橋梁の定期点検とは

定期点検は事故による被害の回避、落橋など長期にわたる機能不全の回避、また、長寿命化への予防保全を適切に行うために、必要な情報を得ることを目的としています。

具体的には目視による損傷の確認、部材ごとに健全性の判定をしていきます。例えば、鋼製の橋であれば、サビのような腐食であったり、コンクリート製の橋であれば、ひび割れなどがあります。損傷の進行具合により、健全度が高い順にⅠ~Ⅳの4段階で判定されます。

判定区分
損傷箇所
側面のコンクリートがはがれて鉄筋が見えています ⇒ Ⅲ判定

Ⅳ.点検業務の多くはルーチンワーク

現在、点検については下記のとおり実施しています。

1.現地へ車で移動
2.点検し、紙ベースの調書へ記入(メモ)
3.写真撮影
4.帰庁
5.点検結果を調書へデータ入力、写真添付

こういった流れで、1度の外出で数橋点検をして帰庁します。なるべく位置が近い橋や効率の良いルートを回りますが、約200橋となると1か月半~2か月程度この作業に費やしています。また複数の橋梁をまとめて撮影するため、写真をまとめる際に、どの橋梁の写真かがわからなくなってしまうこともあります。

こういったことから、点検時の判定など一部を除き、 ほぼルーチンワーク化しており、省人化していきたいと考えております。

なお、点検時に足場が必要など、職員だけでは点検不可能な橋梁は業務委託しています。

損傷箇所
1橋ずつ、近接目視により損傷箇所を確認します

Ⅴ.本当に職員が対応すべき業務に注力したい

時間外労働時間を削減はもちろんのこと、本業務にかかる時間自体を削減する必要性に迫られています。この業務に携わる2名は点検だけが業務ではありません。

早期措置が必要な橋梁を修繕する工事を発注することや、橋梁以外のインフラに関しても同様の管理が必要です。力を入れていきたい業務は無数にあるため、なるべくルーチンワークに係る労力を減らし、他へシフトしていきたいと考えています。

国でもこの大きな問題に取り組んでおり、国土交通省では建設・土木関係の生産性の向上を目指した「i-Construction」を推進しているとおり、この課題が解決できれば、橋梁以外にも国が定める点検が必要な施設としてトンネル・舗装・照明灯・標識など、多方面に技術の応用が可能です。

実際に、同じように困っている自治体職員も数多くいると思われます。ぜひ私たちと一緒に課題解決に取り組みませんか?

集合写真

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Vision

実現したい未来

業務の「作業」ルーチンワークにおける部分についての省人化、かつ業務委託よりも経済的な手法を確立することで、本当に必要な業務に注力したい。

得られるもの

橋梁以外に国が定める点検が必要な施設としてトンネル・舗装・照明灯・標識などがあり、多方面に技術の応用が可能と思われる。

Outline

背景 〇高度成長期に建設された橋梁を含む道路インフラが一斉に高齢化し、適切なメンテナンスによる管理の必要性が高まっている。そういった中、平成26年度の法改正により5年に1回の定期点検が義務付けられた。
〇藤枝市には橋梁が約1200橋あり、うち職員により年間約200橋を点検している。
〇藤枝市では現在職員わずか2名で橋梁保全業務を遂行しており、働き方改革を実現するためにも、業務の効率化が喫緊の課題となっている。
課題(詳細) 〇定期点検が必要な橋梁が多いため、膨大な時間を要する。
〇点検時に紙ベースの調書へ記入し、帰庁後にデータ入力するため、2度手間となる。
〇一度の外出で複数の橋梁に対し、点検を実施していくため、帰庁後に写真データが不明となってしまうことがある。

※なお、定期点検の作業として、現在下記のとおり実施している。
1.現地へ車で移動
2.点検し、紙ベースの調書へ記入(メモ)
3.写真撮影
4.帰庁
5.点検結果を調書へデータ入力、写真添付

求める解決策 〇調書作成ツール
点検時に現地で結果を入力し、帰庁したあと調書を出力することが可能なツール。

〇損傷の自動認識ツール
点検時に現地で撮影した写真や動画から損傷を自動判定するツール。

業務が効率化できるほかのアイデアがあれば歓迎

想定する実証実験内容(詳細) 同じ橋梁に対し、ツールを用いる場合とそうでない場合で点検を実施し、下記について考察する。
・必要業務時間の差
・損傷の自動判定の正確性
実証実験成功後の発展性 橋梁以外に国が定める点検が必要な施設としてトンネル・舗装・照明灯・標識などがあり、多方面に技術の応用が可能と思われる。
提案企業に求める専門性 橋梁の損傷に対する基礎的な知識
プロジェクトの進め方打合せ方法 定期的なオンライン打ち合わせ。
提供可能なデータ・環境等 過去の定期点検調書等
プログラム終了後の本格導入 有効性が確認された場合、予算要望へ向け取り組んでいく

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