Urban Innovation JAPAN


残り30

締 切

交通部運輸管理課、総合政策部政策推進課

複雑なパズルを解き明かす!AIで実現する持続可能な八戸市バス運行

Point

解決したい課題

運転手の複雑な勤務シフト、労働協定、多岐にわたる運行系統など、多くの制約を伴うダイヤ編成の属人化と非効率性を解消したい。

想定する実証実験

AIシステムを用いた新たなダイヤ編成により、担当者の試行(思考)回数を増やし、ダイヤ作成時間の劇的な短縮と運行コスト削減の可能性を検証。

提案企業に求める専門性

運行ルールや労働協定を理解し、システムに落とし込み最適なダイヤを導き出すデータ解析とアルゴリズム構築の専門性。

Story


市民の生活を支えるバスの運行。その路線やダイヤの調整は、まるでパズル!

路線バスは、地域に暮らす人々の日常を支える大切な存在です。朝の通学、午後の買い物、そして一日の終わり。バスは、私たちの生活に寄り添い、地域を繋ぐかけがえのないインフラとして機能しています。八戸市バスは、96の系統のバスを運行しています。これは市営バスとしては、全国的にも多い水準で、それだけ八戸市は地域交通を重要視しています。

八戸市内のバス路線マップ。市営バスのほか、南部バス、十和田観光電鉄バスの3社がバスを運行しています。
市内版のダウンロードはこちら

しかし、人口減少や燃料費の高騰といった社会情勢の変化は、路線バスの運営に大きな影響を与えています。例えば、軽油代が1円上がると、およそ150万円分の負担が増します。そのため、少しでも乗客のいない走行は避ける必要があります。

また運転手不足は深刻で、限られた人員で効率的な運行を維持することも喫緊の課題です。利用者の皆さまからは実際に「もっと便利に」「遅延なく運行してほしい」といった期待の声も寄せられています。私たちは、これらの課題に真摯に向き合い、効率的な運行により、市民・バス利用者の利便性を維持し、地域公共交通の持続可能性を高めるための変革が必要です。

市民のみなさんに、もっと便利に、ずっとバスを利用してもらえるように

そのため、より効率的な運行を目指し、毎年少しずつダイヤの見直しを行っています。

しかし、この運行を支えるダイヤ編成は、まるで緻密なパズルのようです。

96の系統に対して、平日、休日、臨時のダイヤがあり、平日だけでも105個ものシフトがあります。それだけでも膨大な組み合わせを検討するうえ、鉄道との乗り継ぎや運転手の方の負荷なども考えて編成しなければなりません。

例えば、1運行は3時間以内、連続乗務は4時間以内といったルールに加え、休憩が取れる場所が営業所と3つのバスプールに限られるなどを考慮する必要があります。これらを全て考慮しながらダイヤを組む作業は、まさに緻密なパズルを解くようなものです。

現在、この複雑なダイヤ作成は、各便の乗降実績や運行計画に基づいた手作業が中心で、ダイヤ変更のたびに毎回、1ヶ月以上もの時間を要し、業務の属人化(業務を遂行できる職員が限られてしまうこと)と非効率性が大きな負担となっています。このダイヤ編成の時期になると、ダイヤ編成の夢を見るほどです。

過去にさまざまな取組はしてきたものの、今新たな挑戦をしたい!

八戸市ではこれまでも、路線の再編やデマンド交通の導入など、様々な取り組みを実施してきました 。

特に、ICカード運賃箱の導入やバスロケーションシステムの導入により、乗降データ(OD)やバス運行データ(GTFSデータ)の取得・分析が可能となっており、今後の路線最適化に活用できるようになっています。しかし、先述の通りダイヤ編成の部分を人手で検討しなければならず、例えば、長大路線の見直しなど最適化を検討する試行回数にも限界があるというのが実情です。

たとえば、ダイヤ作成のシミュレーション機能や、バス運転手の負担を考慮したシフトの自動編成といったシステムを導入することで、業務の効率化と運行の最適化を目指します。これにより、これまで困難であった長大路線の見直しや、最適な運行経路の探索など、抜本的な改善に繋がる可能性も秘めています。

私たち職員と一緒に、この複雑なパズルのヒント・可能性を探ってください!

本プロジェクトでは、次年度のダイヤ見直し作業を対象に、システムを用いた新たなダイヤ作成を試行し、その効果を検証します。この実証実験を通じて、ダイヤ作成時間の短縮だけでなく、運行コストの削減 、運転手にとっても運行しやすい乗務内容、そして八戸市民・バス利用者にとってより便利で快適なバス利用を提供できる可能性を模索したいです。

この挑戦は、私たち八戸市交通部と総合政策部だけでは成しえません。企業の皆様の専門性と創造的なアイデアが不可欠です。魅力的な八戸のまちの地図や路線図とにらめっこしながら、一緒に改善策を探ってください!ご応募、お待ちしています!

Vision

実現したい未来

ダイヤ作成の劇的な効率化を通じて、市民・バス利用者の利便性向上はもちろん、運転手の乗務負担軽減と慢性的な運転手不足への対応、そして将来的な路線再編シミュレーションもできるような、持続可能な公共交通網を実現する基盤を構築したい。

得られるもの

全国の地方公共交通が抱える共通課題への貢献と、難易度の高いダイヤ最適化への挑戦を通じて、新たな技術・サービスの改善機会、そして自治体への導入可能性の検証が可能です。

Outline

実証支援金:最大50万円

実証にかかる実証プロジェクト経費の支払
1件(1課題)あたり50万円(税込み)上限

Hachinohe X−Tech Innovation オンライン課題説明会

開催日時:


【開催概要】
◯ 日時:2025年7月17日(木)15:00〜16:15(1時間15分)
◯ 申し込み方法:
お申し込みはこちら
◯開催方法:Zoomミーティング
※申し込み頂いた方に接続先URLをお知らせします。
◯ 当日プログラム
各課題の担当課とのQAセッションができる貴重な機会となっておりますので、ぜひご参加ください。
本事業についてのお問い合わせは事務局から回答いたしますので、担当課や関係先に直接メール・お電話等でご連絡いただかないようお願いします。

背景

八戸市では、全国的な傾向と同様に、人口減少やモータリゼーション、そして慢性的なバス運転手不足が深刻化しており、路線バスの利用者は減少の一途を辿っています。地域住民の生活を支える公共交通インフラとしての路線バスを維持するため、限られた人員で効率的な運行ダイヤを組むことが喫緊の課題です。軽油代の高騰など、運行コスト増も経営を圧迫しており、無駄のない運行が求められています。

課題(詳細)

現在の路線バスのダイヤ作成は、手作業と既存システムを併用していますが、その複雑さは想像を絶します。運転手の複雑な勤務シフト(例:96系統、105個のシフト)、厳格な労働協定、多岐にわたる運行系統の組み合わせが、ダイヤ作成の複雑性を極限まで高めています。

このため、ダイヤ変更のたびに毎回1ヶ月以上もの時間を要し、業務の属人化と非効率性が担当者の大きな負担となっています。この状況を打破し、システムを用いた新たなダイヤ編成により、運転手にとっても、利用者にとっても、より良いダイヤ編成を実現したいと考えています。

求める解決策

路線バスのダイヤ作成プロセスにおける抜本的な効率化を目指し、複雑な制約条件(労働協定、休憩場所、折り返し時間など)を考慮した最適なダイヤを迅速に編成するソリューションを求めています。
これにより、運転手の乗務改善や市民・バス利用者の利便性維持・向上を目指したダイヤ改定を効率的に実施できるとともに、乗降データなどをもとにした路線の最適化シミュレーションを行う試行回数を増やすことで、より戦略的な路線検討を可能にすることを期待します。

具体的には、担当者の頭の中で行われている思考プロセスをシステム化することで、業務の属人化を解消し、担当者の負担を劇的に軽減したいと考えています。
大きく4つのプロセスを経てダイヤを編成しています。
① 見直しする路線・減便するダイヤを選定する。(乗降ニーズにあった最適化)
② シフト(仕業)の組み換えを行い、シフトも減らす。(運転手不足への対応)
③ 諸条件に合致しているかチェックを行う。(間違えていれば②に戻る)
④ ダイヤを決定する。(③までできれば自動的に確定する)
今回は、①〜③の部分のシステム化や技術検証を行いたいと考えています。全て満たすソリューションがベストですが、一部だけ実現できるだけでも大きな前進となるため、ご提案いただけると幸いです。

想定する実証実験内容(詳細)

今回の実証実験では、以下の2点のいずれかを検証したいと考えています。

1.ダイヤ編成業務の効率化に資するか
・次年度のダイヤ編成作業と効率化の度合いを比較し、その効果を測定
(毎年11月ごろから次年度のダイヤ編成作業を行っています。)

2.職員の思いつかないような路線・ダイヤの提案可能性があるか
・長大路線の分割などの路線の最適化や減便候補の洗い出しなど、今まで人の頭では検討の限界があったものに対して、提案可能かどうかを検証

実証実験成功後の発展性

本実証において完成されたシステムができるとは考えておりませんので、技術検証などを経て、有効性が確認できた場合には、その後の展開等をご相談できればと思っております。

プロジェクトの進め方打合せ方法

定期的な会議を通じて、関係者間の密な連携を図りながら、進めていければと考えています。オンライン会議も対応可ですが、ぜひ八戸市にもいらしていただけると助かります。

提供可能なデータ・環境等

バスダイヤを検討するにあたって必要なデータを提供可能です。
・路線ごとの時間表、既存の運行計画表 、指示書 、およびダイヤシステムからの情報
・ICカード運賃箱にて収集・蓄積された乗降客数データ(ODデータ)
・バスの運行情報(GTFSデータ)
・複雑な労働条件に関する詳細な情報

プログラム終了後の本格導入

実証実験の成果と効果検証に基づき、費用対効果や現場への適応性などを総合的に評価した上で、本格的なシステム導入を検討します。

選考基準・スケジュール・よくある質問など

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