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熊本市 経済観光局 イベント推進課
花火大会の来場者増に備え、より効果的な安全対策を実現したい!
Point
解決したい課題
江津湖花火大会は、これまで晴天での開催はなく、今後は天候次第では大幅な来場者増が予想されることから、より効果的な安全対策を検討しておく必要がある。
想定する実証実験
過去大会の定点カメラの映像や会場通行量調査結果、シャトルバス乗客データなどから、来場者の行動パターンを分析する(今年度は大会中止を決定)
Story
江津湖花火大会は短時間に11万人以上を集める一大イベント
江津湖花火大会は、「水の都」熊本市のシンボルとして親しまれる市民の憩いの場「江津湖」で開催する花火大会です。
約1万発の花火が、漆黒の夜空と湖面を絢爛豪華に彩ります。中でも、音楽に合わせて花火を打ち上げるミュージック花火が見どころの1つで、会場周辺には夜店も並び、江津湖花火大会2019では、11万人を超える観客でにぎわいました。諸般の事情から平成17年(2005年)に中止となっていましたが、現市長の強い思いもあり、平成27年(2015年)に復活した花火大会です。
残念ながら今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により中止になりましたが、来年の復活を目指しています。
安全対策はイベント開催の最重要課題
打ち上げ会場の広木公園は、住宅地に近く人口が集積している地域でもあり、打ち上げ前後の時間帯、花火がよく見える場所には来場者が集中します。イベント主催者にとって、来場者の安全確保は絶対条件であり、最重要課題です。
これまでの開催では、来場者の安全対策について県警と協議を重ねながら対策を講じ、市職員、警備員、ボランティア1,300人を超えるスタッフを配置するなど万全を期して行っているため、大きなトラブルもなく開催できていましたが、実は、晴天での開催はなく、想定よりも少ない来場者数でした。
晴天の場合、大幅な来場者増が見込まれるため、どのように人の動きが変わるのかを想定した上で、さらなる安全対策を検討する必要があると考えています。
【参考】江津湖花火大会2019MAP
打ち上げ会場への来場者誘導は困難なミッション
実際の現場では、あらかじめ来場者誘導計画を定め、会場の埋まり具合や大会プログラムの進行具合に応じて段階的に会場への入場を制限し、来場者を誘導していきます。
来場者は、花火が見える位置を探しながら移動し、一旦花火が見える位置に到着すると、当然そこからは動こうとしません。また、誘導した先で花火が見えなければ、トラブルとなります。
来場者の誘導は、一歩間違えれば、身動きが取れない状態になったり、ドミノ倒しになる危険性があるなど、かなりの神経を使うことになります。
熊本大学と連携した調査等から安全対策を実施
そんな運営が難しい花火大会ですが、2015年度の復活時に、熊本大学交通政策分析研究室と連携し、スマホアプリを活用した来場者の移動軌跡分析調査(プローブ・パーソン(PP)調査)を実施しました。
調査結果を基に、周辺地域の渋滞緩和・路上駐車対策の強化やSNSやテレビCMによる開催判断の周知に新たに取り組むなど、大会運営の改善につなげました。
また、会場レイアウトや大会プログラムを工夫して、来場者の集中箇所や来場時間の分散につなげたり、定点カメラを設置して、大会本部から会場の運営スタッフにリアルタイムで的確に指示を出すようにしたりしています。交通渋滞緩和のためのパークアンドバスライドや、来場者のアクセス改善と来場時間を調整するための臨時シャトルバスの運行などを行っています。
終了後に大会運営を検証するため、来場者の数と動きを把握するための会場通行量調査、来場者の属性やアクセス手段等を把握するための来場者アンケート調査なども行っています。
より安全で安心して楽しんでもらえる花火大会へ
私たちは、より安全で安心して楽しんでもらえる花火大会を目指し、来場者の行動パターンを分析し、その結果を、警備態勢や交通アクセスの改善につなげられないかと考えました。
熊本大学の調査から5年がたち、AIやビッグデータ解析などのツールが発達する中で、その後の大会で得た調査結果や、定点カメラの映像やシャトルバスの利用者数などのデータも含めて検証することで、大会運営の更なる改善に繋げられるのではないかと考えています。
そのために、江津湖花火大会の個人情報や機密情報以外のデータはすべて出します。
分析のツールやシミュレーションの技術やノウハウも持っていて、実証のフィールドを探している。そんなスタートアップの応募をお待ちしています。
Vision
実現したい未来
属性ごと等の来場者の行動パターンが明らかになることで、警備体制や交通アクセス等の改善に繋げ、来場者の安全確保、利便性向上を図る。
得られるもの
来場者の行動パターンを踏まえたシミュレーションが可能となれば、安全対策の改善に役立つため、あらゆるイベントでの活用が見込まれる。
Outline
背景 | 江津湖花火大会は、下江津湖周辺を会場として開催しており観覧者数は11万人を超えている。花火打ち上げ会場の広木公園は住宅地に近く人口が集積している地域でもあるため、打ち上げ前後の時間帯、花火がよく見える場所には来場者が集中している。 花火大会を主催する実行委員会では、県警と協議を重ねた上で、誘導員を配置するなど来場者の安全対策を行っており、大会終了後には、来場者やスタッフへのアンケートから課題を抽出し、次回大会に向けた対応策の検討も行っている。 平成27年度(2015年度)には、スマホアプリを活用した来場者の移動軌跡分析(熊本大学交通政策分析研究室によるプローブ・パーソン(PP)調査)を実施し、調査結果をもとにシャトルバス・パークアンドライドの利用を促進するとともに、出店エリアの設置や商店街でのイベント開催に取り組み、周辺地域の渋滞緩和及び来場時間の分散につなげている。 |
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課題(詳細) | これまで、県警と協議を重ね、さまざまな安全対策を講じることで大きな事故もなく運営できているが、一方で、これまで晴天での開催はなく、晴天時には来場者の増加が見込まれることから、さらなる安全対策を検討しておく必要がある。 |
求める解決策 | 更なる来場者増を想定し、安全対策をより効果的に行う施策の立案 ・来場者を会場内外でどのように誘導するべきか ・どのような交通規制をするべきか ・交通アクセスに工夫はできないか ・来場時間の分散のために別の場所でイベントを開催したらどうか、など |
想定する実証実験内容(詳細) | ・過去大会の定点カメラの映像やアンケート、会場通行量調査結果、シャトルバス乗客データから、来場者の時間帯別、属性別の行動パターンを分析する。 ・来場者増による人の動きの変化をシミュレーションする。 ・来場者増に対応した安全対策の施策の効果をシミュレーションする。 ※今年度は、花火大会を中止しており、年度内に大きなイベントがないため、データ分析とシミュレーション、施策案の策定までを年度内のゴールとする。 |
実証実験成功後の発展性 | 本市で開催しているマラソン大会や火の国まつりなどでも活用したい (花火大会における行動パターンをモデル化できれば他都市への展開も可能) |
提案企業に求める専門性 | 異なるフォーマットのデータを統合して行動分析、シミュレーションツールを開発する能力 |
プロジェクトの進め方打合せ方法 | 成果物を明確にイメージしているものではないため、方向性決定段階での綿密な打ち合わせが必要となる。序盤は当課での複数回の打ち合わせが必要。 |
提供可能なデータ・環境等 | 会場レイアウト、大会プログラム、警備指示書(警備スタッフ・資材配置図)、会場定点カメラの映像(12箇所)、会場通行量調査結果、来場者アンケート結果、シャトルバス乗客データ等 |
プログラム終了後の本格導入 | 有効な施策提案につながれば、大会開催時のデータ収集解析に向けた予算化を検討したい。 |
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