応募終了
神戸市 東灘区 総務部 総務課
行政窓口をスムーズに案内できるツール(区役所UX/UI改善実験)
- 採択企業
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- ACALL株式会社
Point
解決したい課題
案内係には区役所内外の幅広い知識が求められる。そのため、膨大な量の資料を紙ベースで用意しているが、スピーディな検索や更新が難しく、十分活用されていない。
想定する実証実験
区役所の案内業務での補助ツールの使用、効果検証
Story
みなさんは区役所案内係を知っていますか?
「区役所で車椅子を借りられるって聞いたけど、どこの窓口に行ったらいいんだろう。」
みなさんはこのような経験をされたことはありませんか?
東灘区役所には実に26もの窓口があって、各窓口で多種多様な業務を行っています。区役所案内係とは、来庁された市民の方が窓口のたらい回しに合わないように、正しい窓口を案内する職員のことです。案内係は正確な案内をするために、たくさんのマニュアルを用意して日々奮闘しています。
実際の案内係の応対
例えば保険の窓口案内です。一口に保険といっても、国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険とたくさん種類があり、それぞれ窓口が別です。
また、手続きの内容によって窓口が変わる場合もあります。さらに指定難病の申請のように厳密には保険の手続きでないものも、市民の方は保険だと思って尋ねられることもあります。
市民の方に満足される回答をするためには、保険全般の知識と手続きを理解したうえで、正しい窓口を案内する必要があります。
これに加えて、直接区役所で取り扱っていない業務・サービスについての知識も必要になります。具体的にはこんな感じです。
~原付の廃車手続きの案内の例~
市民「原付の廃車の手続きに来たのですが」
案内係「自家用自動車協会で受け付けております。」
市民「えー、前に区役所で手続きした記憶があるのですが。」
案内係「実は廃車の手続きは2年前まで区役所で出来たのですが、今は事務が移管されています。」
市民 「そうなんですね。協会は何処にあるのですか?」
案内係「最寄の自家用自動車協会の場所と連絡先はこちらになります。」
市民「分かりました。他にしないといけないことはありますか?」
案内係「原付の税金の関係は引き続き区役所での受付になるのですが、手続きは必要ですか?」
市民「いえ、大丈夫です。歩くと少し遠いので、バスで協会に行きたいのですが。」
案内係「はい。区役所の前にバス停があるので、○番か○番のバスに乗ってください。次のバスは○分にあります。運賃は大人210円です。」
このように案内係には区役所以外の関係行政機関や過去の経緯に関する知識、果ては道案内のような一般的な問合せへの対応力まで求められます。この他にも案内係は日々様々な問合せを受けており、習得には膨大な時間と経験が必要です。
課題
これだけ知識と経験が求められる案内係ですが、不在時の他の職員によるバックアップや案内係交代の際の引継の難しさが課題となっています。
また、案内係は区役所の窓口以外の問合せなど、多種多様な問合せに対応するために、日々様々な量の資料を収集していますが、電子化されていないため整理・検索が難しく、他の案内職員と情報の共有も出来ていない状況です。そのため、案内をする職員によってサービスの質にバラつきがあるのが課題となっています。
マニュアル、各種申請書類、地域のイベント情報等、膨大です
実際に案内係を経験してみて
「私も実際に窓口案内に立つことがあります。慣れないうちは、聞かれてもすぐに答えられず、マニュアルを調べるのですが、ページを繰っても繰っても欲しい答えが見つからない。そうこうしていると別の市民も案内を求めて並び始め、焦りがどんどん大きくなり、お待ちになっている市民の表情も段々強張ってきているように見えてきて。。。
たった5分で背中は汗びっしょりになったこともありました。
相当なプレッシャーの中、結果として誤った案内をしてしまい、来庁者からお叱りを受けてしまうこともあり、快適なサービスを届けたいという思いとは裏腹に大変悔しい思いをしました。」
改めてベテラン職員の凄さを感じると共に、誰でも一定のレベルで案内が出来るように、「案内係が集めたマニュアルノウハウを日々蓄積し、それを誰でも簡単に検索できるようなツール」が作れないか。と感じました。
スタートアップと取組みたいこと
東灘区役所は来庁者へ積極的に声をかけていく『寄り添い型の行政』を目指して、日々奮闘しています。
私たちは案内係が交代した際や、不在時で他の職員が案内する場合でも、一定のレベルの案内が出来るような案内の補助端末を協働して作りたいと考えています。
スタートアップのメリット
案内係は神戸市の全区役所にいるため、将来的には東灘区を皮切りに全区に横断的に展開していく可能性があります。
最後に
案内係は来庁者が区役所を訪れた際に一番最初に接する、いわば『区役所の顔』です。少しでも案内係のサービスのレベルをあげて、市民の期待を超える区役所を実現しませんか。
Vision
実現したい未来
市民の期待を超える快適な案内サービスをお届けする区役所にしたい。
得られるもの
・行政の現場ニーズに合わせたツールの開発・カスタマイズ
・神戸市内の他区役所への横展開の可能性
Outline
背景 | 区役所では来庁者を適切な窓口に案内するために、庁舎入口付近に案内係を配置している。しかし、区役所で扱う業務は年々増加しており、案内係に求められる役割は大きくなっている。 |
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課題(詳細) | 市民からの問い合わせは多岐にわたるため、案内係には区役所の窓口に関すること以外にも、地域のイベント情報など幅広い知識が求められる。区役所では、各種マニュアルの作成や、案内に必要な情報の収集など取組んではいるが、紙ベースの資料のためスピーディな情報の検索や整理が難しく、誰でも簡単に使えるようにはなっておらず、案内係個人のノウハウに頼っている状況である。 そのため、案内係不在時に別の職員がバックアップに入る際や、案内係の交代時に、市民サービスの低下につながっている。 |
求める解決策 | 想定する解決策を例示するが、これにとらわれず、自由な発想で上記課題を根本から解決するものも歓迎する。 (例)区役所の案内業務に必要な情報を集約、共有し、タブレット端末等から案内員が参照することで案内業務の補助を行うシステム |
付加的・発展的な要素 | 日本語以外の話者との通訳や筆談対応、もしくは案内員不在時の自動案内も課題と考えており、解決策にこの要素を盛り込むことができれば、付加的に評価する。 |
想定する実証実験内容 | 基本的には情報の整理・共有・検索システムすべてのプロトタイピングと効果の検証。すべての業務での実施が難しければ、区健康福祉課業務でのプロトタイピングおよび検証を優先し、その他の業務についても実稼働できる見通しをつけること。 |
求めるスタートアップ像 | 職員との対話を通じて解決策を見つける意欲があること |
スタートアップに求める条件 | 現地(東灘区役所内)に赴いての打ち合わせや作業が可能なこと |
提供可能なデータ・環境等 | ・現行のマニュアル ・案内係の日報(応対記録含む) ・案内係が収集している各種書類 |
プログラム終了後の本格導入 | 30年度にUIKを通じてプロトタイピングを行い、31年度の導入を目指す。 ただし、実現できるサービス内容、規模感により、30年度に本格導入を行う可能性もある。 |
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