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神戸市 教育委員会事務局 総務部 教職員課
毎月手作業で行っている給与関係の届出に対する処理の自動化実証
- 採択企業
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- 株式会社モンスター・ラボ
Point
解決したい課題
毎月、職員から提出のある給与関係の各種届出を点検し、手当額を決定するために相当のコストをかけて手作業で処理している。作業の効率化を図りたい。
想定する実証実験
現行作業の分析と効率化のためのツールの試作。試用とフィードバックを繰り返すことによるアジャイル開発を行う。
Story
毎月8,000人の給与振り込み。通勤手当の金額を調べるのって難しい。
給料は毎月決まった日に振り込まなければいけません。社会保険や税金などの引き去り額も計算して、差し引きして、口座に振り込んで・・・。一人ずつ、ATMで振り込むわけにもいかないので、システムを用意しないといけません。
しかも本給以外に通勤手当などの手当もあるので、手当の金額の計算も大変です。なぜ手当の計算が大変なのか? それは紙ベースの申請を手作業で処理しているからです。
特に大変なのは、手当の金額を決定する作業。例えば、通勤手当。通勤に使う経路は職員によって違います。まず職員の自宅を確認し、自転車で駅まで行く人、バスに乗る人、電車で通う人など、それぞれの職員が届け出る経路を確認し、金額を点検し、通勤手当の金額を決める。届出が大量に届く時期など、気の遠くなるような作業が必要となります。
給料って勝手に振り込まれるものじゃないの?
平成29年4月から、義務教育における教職員の定数決定等の権限と財源が兵庫県から神戸市に移譲されるという制度変更がありました。
制度変更により、それまでは県が決定してきた加配等の定数について、国制度の一定の枠組みのもと、神戸市が主体的に決定することができるようになるので、各学校の課題に応じたより柔軟かつ弾力的な教職員の配置が可能となりました。
というのはとても良いことなのですが、一方、権限と財源の移譲に伴って、平成29年4月から、小学校や中学校などの義務教育における教職員の給与支給の仕事も神戸市で行うことになったのです。
新たな事務に携わることになったのは、ほとんどが「給与をもらったことはあるけど、払ったことなんかない」というスタッフ。(当たり前ですね。)
最初は「給料って勝手に振り込まれるものじゃないの?」と、とまどいながらのスタートでした。それから山あり谷あり、いろんな苦難を乗り越えて、これまでの1年半、給与支給を行ってきました。
事務を引き継ぐことの難しさ。働き方改革も待ったなし。
業務を開始したのが昨年度なので、たったの1年半ではありますが、様々な「はじめて物語」を経験し、その都度「プロジェクトX」や「情熱大陸」のようなドラマを生みながら、今ではなんとか安定して事務を行えるようになって来ました。しかし、最近では別の悩みが・・・。
自分たちも、いつかは部署を離れる日がやってきます。いつか部署を離れたとき、後任の職員に仕事を引き継がないといけません。大変だった昨年度は今思えば良い思い出ですが、苦労して覚えたたくさんの知識と経験から学んだ言い表せないノウハウ。しかも、まだ自分たちではこれが最善なのか自信を持てないやり方もあって・・・。非効率だと思っている状態のまま、後任に引き継いでいいのか、もっとどうにかできないのか、という悩みが出てきました。
わかりやすい作業にしたい。非効率な作業をなくしたい。加えて、働き方改革の取り組みを進めている中、今後は突発的な問題が生じたとしても、とことん残業して解決するというわけにはいきません。
記念すべき小さな一歩をみなさんと一緒に。働き方改革への大きな一歩へ。
神戸市では、職員のワーク・ライフ・バランスと業務の省力化・生産性向上を実現するため、働き方改革(業務改革)の取り組みを進めており、めざす姿を明確化し、その実現に向けた3か年の取り組み内容をロードマップとして策定しています。
めざす姿に、内部事務作業の効率化として、事務の簡素化、文書電子化により事務処理を効率的にすることを掲げており、我々は、典型的な内部事務作業である給与支給事務の省力化を実現したいと考えています。
教職員の給与支給事務の効率化という、一見、地味で小さな取り組みですが、今回の成果が市役所の他の業務についても事務改善の波及効果を生み、いつか働き方改革にも大きな効果があったね、と言われる日が来ることを夢見ています。
私たちと一緒に一歩を踏み出してくれませんか?よろしくお願いします!
Vision
実現したい未来
職員給与にかかる事務処理を定型化・自動化することで、正確性・安定性を維持しながら、処理速度の向上と費用の縮減を達成したい。
得られるもの
・課題を抱える現場の職員と一緒になった協働作業。
・手作業による事務の自動化についての水平展開の可能性。
Outline
背景 | 義務教育にかかる教職員の給与負担及び定数等に関する権限と財源が県から政令指定都市に移譲されたことに伴い、市で昨年度より小学校・中学校の教職員約8,000人の給与支給事務を行っている。 昨年度1年間の作業を通じて、安定した給与支給に向けた事務の定型化を図ってきたところであるが、働き方改革(業務改革)による内部事務作業の効率化の観点からも、今後は省力化、効率化を図っていく必要がある。 |
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課題(詳細) | 給与支給事務のうち、職員から提出される通勤届・住居届・扶養届・児童届の4種類の届出の認定および給与振込口座の登録業務が、大部分を占める(全業務時間の52%、年間11,550時間、毎月300件以上の届出提出あり)。 現状では、届出と添付書類の内容全件を、相当のコストをかけて目視、手作業で不備等がないか点検し、手当額の決定、データ作成を行い、人事給与システムへの登録作業を行っている。そのため、手作業によるタイムロス、チェック作業の多重化による事務量の増大、反復処理の非効率などが課題となっている。 |
求める解決策 | 想定する解決策を例示するが、これにとらわれず、自由な発想で省力化、効率化、費用の低下を実現するものも歓迎する。 【例】 (step1)紙で提出される各種届を文字認識技術等を用いて届出内容をデータ化する。 (step2)届出内容を手当決定ルールに照らし、機械的に判定する。 (step3)判定した内容を元に人事給与システムへの入力データを作成する。 (step4)判定した内容に職員による正誤判断の情報を加え、判定の精度を高める。 (step5)職員による正誤判断の一助にするため、最終的な判断を支給歴として蓄積する。 |
付加的・発展的な要素 | 職員からの届出の頻度が低い(数年に1回程度)という要素もあり、届出の電子化とシステム構築については現時点では未定である。そのため、将来的に電子申請となることを想定した場合において、今回の課題解決のための仕組みと連結可能で、安価に電子申請でき、申請時に機械判定の結果を通知できる仕組みの構築。 |
想定する実証実験内容 | プロトタイピングと効果の検証。上記例示のstep1~5の全てが難しければ、step2の機械判定の部分を優先する。また、通勤届・住居届・扶養届・児童届・振込口座の登録の全てが難しければ、通勤届に関する部分を優先する。 |
求めるスタートアップ像 | 先進的なIT 技術に広く専門的な知識を有し、行政だけでは企画できないであろう事務の自動化の提案をいただきたい。 一方で、職員による手作業や民間企業が提供しているサービスを組み合わせることも含め、事務の省力化・効率化・費用の縮減の効果が最大となる仕組みを提案できる広い視野、柔軟さがあること。 |
スタートアップに求める条件 | 現地(教職員課)に赴いての打ち合わせや作業が可能なこと |
提供可能なデータ・環境等 | ・届出のサンプル ・現行のマニュアル ・これまでの処理に用いたデータ(個人情報を含まないよう加工したもの) |
プログラム終了後の本格導入 | 30年度にUIKを通じてプロトタイピングを行い、以降の導入を検討する。 |
選考基準・スケジュール・よくある質問など
資料請求・新着課題
地域・社会課題解決に繋がる、
本当の意味での地域創生をともに実現しませんか?