Urban Innovation JAPAN


応募終了

岡山市 農林水産課

問い合わせ件数日本一?!農用地のデジタル管理を進めたい!

採択企業
サグリ株式会社

Point

解決したい課題

・日々農用地かどうかの問い合わせが多くあり、除外歴・分筆合筆歴を追いながら職員が回答している。

想定する実証実験

・様々なデータを統合して簡単に農用地が分かる仕組みの実証をする

Story

農用地の電話と窓口での問い合わせは日本一?

皆さんは何かを調べるときはどうしていますか。多くの人は友人に聞いたり、インターネット等で情報を得るのではないでしょうか。しかし、専門的なこととなると、聞ける人や聞ける場所は限られてきます。

農業振興地域制度は、確保すべき優良農地について農用地と定めたものです。農地を農地以外に利用する際に制限を掛けることで、乱開発を防ぎ、国民の食糧確保のため優良な農地を残していくことを目指しています。しかし、農用地について全く開発ができないとなると困りますので、経済事情の変動やその他の情勢の推移により、農用地から除外をして開発ができる場合もあります。

優良農地のイメージ図

しかし、農用地は地番で管理されています。土地は日々、分筆・合筆をしており、農用地を正確に把握することがどんどん困難になっています。
岡山市は、農業振興地域農用地からの除外件数が全国でも上位になっており、近年では増加傾向にあります(図参照)。除外をするには、まず、その土地が農用地かどうかの確認が必要です。他都市では農用地について、電子地図の作成など可視化が広がっており、ホームページ上で確認できる都市もあります。しかし、岡山市市では農用地の確認として、農林水産課へ問い合わせをしていただき、職員が紙で管理された台帳をめくり、分筆歴や合筆歴、除外歴を調べて回答をしています。すぐに分からない地番については、登記情報を確認し、回答するため、数日待っていただくこともあります。また、農用地の情報をホームページに掲載していないため、毎日、窓口や電話等で多くの問い合わせが数多くあり、「農用地の確認」の問い合わせ件数は日本一!?かもしれません。

農振除外に関するグラフ

窓口業務の負担軽減に挑戦したが・・・

多くの問い合わせに対し、担当職員の負担を軽減しようといろいろと挑戦してきました。まずは、担当の職員以外が農用地の確認について、回答できるよう取り組みました。しかし、除外歴や分筆・合筆情報など確認事項が多く煩雑なため時間がかかり、紙台帳で判断できない案件については、担当者が判断せざるを得ない状況となっています。

紙台帳の一部

次に、検索しやすいよう紙台帳の農用地データを、電子データ化することにしました。また、紙台帳から電子データ化すると共に、可視化(地図化)できないかと思い、岡山市全体のDX化事業に応募した際には重要性は認められた一方で、一部除外地などで農用地を特定できない場所があり、農業振興地域の総合見直し後にデジタル化をしたほうが、効率良く正確な地図が作れるとの指摘が入り、その時点では実現に至りませんでした。現在は、電子化し、データをアクセスで管理できていますが、動作が重く、また、除外データなどで見にくい画面となっており、使いやすいとは言えません。

 農業振興地域の総合見直しについては、岡山市の場合、長い間基礎調査と総合見直しをしてこなかったため、基礎調査で3年間、総合見直しには2年間の合計5年間程度かかります。また、総合見直しを進めるとなると、関係部署、関係機関との調整が必要なため、当課だけの判断で進めることは困難な状況です。

 一方で、国の動きとして、土地・地図情報の整備にあたり重要な情報の1つである「地番」については、個人情報の保護などの適用関係の整理も進み、行政機関が利用・提供しやすい環境が整いつつあります。

 そこで、今一度私たちは農用地のデジタル管理にチャレンジしたいと思っています。

デジタル化後の画面

将来を考えたらデジタル化は必須

本格的に少子高齢化社会を迎えるにあたり、社会は簡素化・効率化に大きく変化しています。行政も同じく変化を求められており、「ワンストップ行政」「行政のスリム化」など言われています。コロナ禍になり、その変化は顕著になり、「押印廃止」や「テレワーク」など、変化が生まれました。さらに、社会情勢の変化により職員数も減ってきており、その結果としてボリバレントな職員が求められていますが、人間の能力には限界があります。職員の仕事の効率化を助けるために、デジタル化を進める流れとなっています。農用地かどうかの問い合わせに対する窓口業務に対しても、何とかして今よりも効率化できないかと考えています。
現在、私も農用地かどうかの問い合わせに毎日対応していますが、農林水産課へ異動してきて間もない時期は、すぐに判断できない案件も多く、回答が後日になり、市民に迷惑をかけたこともありました。また、問い合わせがあると、今やっている仕事を中断して対応しなければならないため、仕事の効率が落ちていると実感しています。このような経験から、窓口対応について、誰でも簡単に対応できるようなシステムを導入するなどして、デジタル化を急いだほうが良いと感じています。

さいごに

色々なことを書きましたが、私たちもはっきりとこれがしたい!というイメージが出来ている訳ではありません。今後の展開も見通しにくい状況であり、窓口の効率化に対する職員の知識やシステム活用イメージも十分に整っていませんが、幅広い提案をいただき、今後の事業展開についてじっくりと話し合い、協働関係を築いていきたいと考えています

問い合わせ業務の簡素化に向けて技術やノウハウを持っていて、実証フィールドを探しているスタートアップ企業の皆さまを募集しています!

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Vision

実現したい未来

・職員が誰でも簡単に回答できる仕組みを構築する。
・またはHPに検索システムを公開して市民が自ら農用地がどこか分かる仕組み。

得られるもの

・役所の持っている情報に対して、オートマチックに市民へ回答できる仕組みを欲しがっている役所は多くあると思われる。
・開発したシステムを実際に市民や関係業者に使ってもらい反応を得られる。

Outline

実証支援金:最大50万円

実証にかかる実証プロジェクト経費の支払
1件あたり50万円(税込み)上限

背景 ・農地を別の目的で利用する際、農用地に指定されている土地は、まず農用地からの除外を行ってから農地転用や開発許可の申請を行う必要がある。(根拠法令:農業振興地域の整備に関する法律)
・農用地は地番で管理をしているが、管理台帳は1996年(平成8年)から手入れをできておらず、その後の分筆・合筆に対応できていない。台帳に枝番がない地番の問い合わせがあった際には、登記簿等を取り寄せて確認しながら回答している。
【参考】農用地からの除外には、年2回(2月と8月)の申出を受けてから7~8か月かかる。
課題(詳細) ・現在、平均で10~20件/日の農用地かどうかの問い合わせがあり、今までの除外歴や、2006年(平成18年)ごろに取得した農用地の分筆・合筆歴を追いながら職員が回答している。しかし、台帳に地番そのものがない場合、複雑な調査を行っている。
・正確な地番管理を行うには、農業振興地域整備計画の総合見直しを行う必要がある。他都市では総合見直しを行った際に、電子地図化をしてホームページに掲載しているところもある。しかしながら、岡山市は1996年(平成8年)以降総合見直しを行っておらず、見直しには相当な時間(5年程度)を要し、市役所他課との連携も必要であり、ハードルが高い。また、地図にするとなると分筆歴・合筆歴を把握していないため、どこが農用地か正確に回答できない。
・農用地については年間300件程の除外申出があり、政令市の中ではトップレベルの多さである。また、区域内の土地の異動(分筆、合筆等)については法務局での担当のため、市職員では把握不能である。
求める解決策 ・市民や業者からの農用地の確認について、低コストでシステムを構築したり他都市のように地図化(見える化)して職員なら誰でも簡単に回答できる仕組み、または市民が自ら農用地がどこか分かる仕組みを作れないか。
想定する実証実験内容(詳細) ・岡山市の農用地情報(紙ベース)
・除外歴データ(エクセルファイル)
・2006年(平成18年度)に行った分筆・合筆調査(ドキュワークスファイル)
上記のものをまとめたアクセスデータを活用しながら、簡単に農用地が分かる仕組みが可能か実証する。アウトプットとしては検索システムを構築しホームページに掲載することやGISを使った地図の作成などが想定されるが、有用な提案があればそれに限らない。
実証実験成功後の発展性 ・有用なツールやアイデア、仕掛けについては、次年度以降の事業展開に組み込み、さらなる効果を生み出すための工夫を検討していく。
・全国共通の農業振興地域制度であるために、他の自治体への展開が可能となる。また、企業や財団法人等の同じ課題にも適用できるため、横展開が見込める。
提案企業に求める専門性 ・ツールを開発するノウハウ
・誰もが利用しやすいアプリケーション作成(UIデザイン等)についてのノウハウ
・衛星写真の活用に関する技術
・GISを活用したインターフェイス作成のノウハウ
プロジェクトの進め方打合せ方法 現状として想定される活用ツールも十分に検討できている状況ではないため、提案に応じて丁寧な情報共有をしていきたい。Zoomミーティングも可能な限り対応。
提供可能なデータ・環境等 ・農用地台帳(紙ベース)
・除外歴データ(エクセルファイル)
・2006年(平成18年度)に行った分筆・合筆調査(ドキュワークスファイル)
・上記のものをまとめたアクセスデータ
プログラム終了後の本格導入 ・実証実験の効果と金額により、来年度以降の予算枠を確保したいと考えている。

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