応募終了
山口県 農業振興課
衛星・ドローンを活用し、農地の作付状況をスマートに把握したい!
- 採択企業
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- サグリ株式会社
Point
解決したい課題
田や畑の活用状況は、ほ場を1枚ずつ歩いて目で状況を確認しているが、調査が夏に集中していることや、現地案内する関係者も高齢者が増えるなど、負担が増している。
現地に行かずに作付け状況を確認したい。
想定する実証実験
衛星やドローンの撮影した画像を解析し、ほ場の作付け状況を判定
今年度現地確認した作付け調査のデータと比較し精度を検証
Story
国の施策に伴う、多大な時間と労力がかかる現地確認作業
みなさんは、国の「経営所得安定対策」という制度を聞いたことがありますか?国内の食料自給率向上を目的に、需要が減少している食用向けのお米の代わりに、ほ場に麦や大豆、野菜などを植えることで、経営安定につながる交付金を農家が受け取ることができる制度です。
この交付金の要件の1つとして、営農計画書の作成があります。農家は、ほ場1枚ごとに栽培する作物や面積などの情報を毎年、営農計画書に手書きで記入しています。
自治体担当者は、提出された営農計画書の内容どおりの作物が実際のほ場で栽培されていることをほ場1枚ずつ確認します(以下、現地確認)。その際、地区の地理に詳しい農家が世話人役として、案内します。ほ場によっては、車でたどり着けないため徒歩で長距離を移動する必要がある場所もあります。また、足場の悪い道、傾斜が急な坂を通行することもあり、世話人の農家及び自治体の担当者に危険が及ぶ可能性もあります。
現地確認は、作物の栽培時期に合わせて行われるため、毎年2~3回必要となります。ただし、現地確認に出向いたものの、植え付けの時期が遅れたり、作物がまだ十分に育っていないために確認に至らず、後日同じほ場に足を運ぶということもあり、世話人の農家及び自治体の担当者に大きな労力負担がかかっている状況です。
高齢化・農家数の減少によるマンパワー不足
問題となっているのは、労力不足だけではありません。農家の高齢化や農家戸数の減少により、地区の世話人を引き受ける農家も年々、限られてきています。このままでは地元農家の負担は大きくなっていく一方です。また、自治体においても、人員削減が進んできており、担当者の負担軽減を図っていくことが大きな課題となっております。
課題が深刻さを増す中、現状の改善に結びつく明確な解決策はまだ見出されていません。過去には、ほ場の地番や作物などのほ場情報を視覚的に分かりやすくするための地図化を行う取組がありましたが、実際のほ場と地図システムが認識するほ場の形状に誤差が多く見受けられました。
地図システムを活用するためには手作業による修正が必要となり、結局また新たな業務負担が発生することになってしまいます。地形の不一致が多ければ多いほど作業負担も大きくなるため、活用できる地域は限定的なものでした。
現地確認の手間を少しでも減らしたい!
このような背景から、私たちは、技術を活用し、直接現場に赴かずとも、離れた場所からでもほ場の様子を確認できる仕組みを構築したいと考えています。例えば、衛星やドローンなどを活用して、空撮した画像のすべてを人の目で確認して、判断するのではなく、画像を自動診断して、疑義があるほ場のみを現地確認として、できるだけ現地確認の件数を減らせないかと考えています。画像での判断が使えない場合のみ、現地に出向く確認作業となるだけでも、かなりの負担軽減につなげることができます!その結果、
- 世話役の農家は、農繁期の貴重な1日を費やす必要もなければ、不慮の怪我に遭うこともなくなる。
- 自治体担当者は、現地確認に必要な準備の多くを省くことができ、農家のためによりクリエイティブな仕事に時間を費やすことができる。
と考えています。
同様の悩みを抱えている全国の自治体も多いのではないでしょうか?
なお、現地確認を必要とする国の制度は、「経営所得安定対策」以外にもあります。
作付状況の確認が出来るということは、作付していない(放棄されている)ほ場の確認もできるのではないでしょうか?
農業においては、高齢化がすすんでいる中で、不作付(放棄)されているほ場も増えており、このほ場の確認も負担になってきています。
1つのシステム(画像)で、両方ともに判断できるのであれば、農業現場・行政の双方のかなりの負担削減になり、これから必要とされることは間違いありません!
長年の課題に今こそ終止符を打ちましょう。課題解決に向けた一歩を一緒に踏み出していただけるスタートアップのご応募をお待ちしています。
Vision
実現したい未来
地区農業者や自治体等の担当者の負担軽減や不慮の怪我に遭うリスクを軽減することで、よりクリエイティブな仕事に時間を使えるようにしたい。
得られるもの
全国的な制度に基づいた作業のため他自治体への展開可能性が高い。
国が構築中の電子申請サービスにも関係するため、国への提案もできる可能性があり。
Outline
背景 | 国の「経営所得安定対策」の交付金を受けているほ場について、提出された営農計画書の内容どおりの作物が実際のほ場で栽培されていることを確認するため、ほ場1枚ずつ現地に行って目視確認を行っている。 |
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課題(詳細) | 現地確認は、作物の栽培時期に合わせて行われるため、毎年2~3回必要となるが、夏季の暑い時期に、現地をすべて回って確認するため、世話人の農家及び自治体の担当者に大きな労力負担がかかっている状況である。 特に中山間地、山間部の現地確認では、車でたどりつけない所、足場の悪い道、傾斜のきつい坂を通行することもあり、危険が伴う。農家の高齢化・減少により地域への負担が年々増加している。 |
求める解決策 | 直接現場に赴かずに、ほ場の様子を確認できる仕組みを構築したい。 画像での判断が使えない場合や、疑義がある場合のみ、現地確認を実施したい。 |
想定する実証実験内容(詳細) | ・衛星画像やドローンで撮影した画像を元に、作付けの判定を行う仕組みを構築 ・今年度撮影されたデータを使って、画像判定した作付け判定と、実際に現地確認した結果を比較して、判定精度を検証 |
実証実験成功後の発展性 | ・作付け確認だけでなく、耕作放棄地の調査にも活用できる。 ・県下の自治体でも同様のニーズがあることから横展開が期待できる。 |
提案企業に求める専門性 | 撮影した画像から作付け状況がわかる画像解析技術 |
プロジェクトの進め方打合せ方法 | オンラインでの打ち合わせ可 ほ場の現地確認の視察も対応可 |
提供可能なデータ・環境等 | ・農地台帳 ・農家・耕地情報管理システムのほ場の地図データや作付け情報 (地名・地番、作付面積、作物名等) ・作物の写真 |
プログラム終了後の本格導入 | 実証の結果、成果が認められる場合、次年度以降の予算化・本格導入を目指す |
選考基準・スケジュール・よくある質問など
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