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環境事業課資源循環推進室
海ごみはどこからやってくる!?上空からの画像の解析により河川流域をモニタリングしたい!
- 採択企業
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- 株式会社Solafune
Point
解決したい課題
海ごみの多くは、陸で発生したごみが水路や河川を介し、海に流入している。市内全域のホットスポットを継続的にモニタリングできるようにしたい。
※ホットスポット:際立って散乱ごみが集中している箇所
想定する実証実験
航空写真や衛星写真を画像解析し、河川や海岸のホットスポットを定量的にモニタリングをして、その後も、時点の違う画像を分析することで、経年変化を見える化する。
Story
海洋プラスチックごみ問題とは
海岸に打ち上げられたクジラの胃の中から、大量のビニール袋やプラスチック片がでてきたというニュースを聞いたことがあるのではないでしょうか。
海に流れでた漂流ごみは海面を覆い、海鳥や魚が誤飲してしまうことがあります。海岸に流れついた漂着ごみは悪臭を放ち、美しい海の景観を損なわせることになります。海の底まで沈み堆積した海底ごみは分解されることなく長期間にわたって残ると考えられており、細かな粒子や断片となったマイクロプラスチックは生態系をふくめた海洋環境に影響をあたえることが危惧されています。
海洋プラスチックごみはどこからくるのか
海洋プラスチックごみはどこからくるのでしょうか。岡山市は内海の瀬戸内海に面しています。瀬戸内海に外海から流入するごみは少ないと考えられます。それでは、誰かが海に投げこんでいるのでしょうか。釣り糸や漁具のように海上や海岸で捨てられるごみは確かにあります。しかし、プラスチックごみの多くは、河川や水路を伝い、陸から海へと流入してくるものなのです。
それでは、どうしてプラスチックごみが河川や水路に流入しているのでしょうか。これには、「投棄・ぽい捨て系」と「漏洩系」に大別される2つのルートがあることが報告されています。 投棄・ぽい捨て系は、無責任な行動を行っている人為的な流出。漏洩系では、管理がきちんとできていないごみ集積所からの流出が示されています。
どうすれば海洋プラスチックごみをゼロにできるのか
まずは、発生量が最も多い陸からの流入を減らすことが大切だと考えています。車内のごみのポイ捨て、コンビニ裏でのポイ捨て、ごみ集積所からの漏洩など、ごみの発生源に応じて適切な対応を行っていく必要があります。そうすることで、河川や水路へのプラスチックごみの流入を減らすことができます。
次に、河川や水路に流入してしまったプラスチックごみを、海の手前で回収することが大切です。海洋に流出し、マイクロプラスチックに分解されてしまうと、もう回収する方法はありません。河川や水路での回収が重要なアクションになります。
ホットスポットを見つけだせ!
ホットスポットとは、川沿いに際立って散乱ごみが集中している箇所をいいます。
かなしいことですが、川沿いの幹線道路沿いやコンビニ裏では、車内のごみをビニール袋にひとまとめにした袋詰めごみや飲み終わったペットボトル、灰皿にたまった吸い殻などが投棄されることがあります。また、岡山市の家庭系ごみは、朝8時までに町内会などが設置しているごみステーションにだす決まりになっています。そこに、夜の間にだしてしまうと、カラスや野良猫があらしてしまい、意図していない環境中への排出が起きてしまいます。これらが発生源としてのホットスポットとなります。そして、河川や水路に流れこんだプラスチックごみは、漂流ごみとして水門や河川敷などに集積し、ホットスポットになります。
ホットスポットを見つけだすと、ごみの発生抑制や回収といった対策につなげることができます。つまり、ホットスポットの動向を把握することが、海洋プラスチックごみ問題を解決するキーポイントであると言えるのです。
ホットスポットの可視化に一緒に取り組みませんか?
人海戦術による現地調査やSNSを活用した位置情報の共有などホットスポットを見つける取組みが進んでいます。これらの取組みによりホットスポットの実態や発生メカニズムが解明され、これからの対策の大きな礎になっています。しかしながら、大規模な調査は費用や人員といった面で限界があり、継続的に実施することは難しいと考えています。
そこで、進歩が著しい画像解析の技術を使って、航空写真や衛星写真からホットスポットを見つけだしてもらえませんでしょうか。
航空写真では、なんとか目視できるホットスポットでも、ウェブサイトで見ることができる衛星写真では認識できません。しかし、それらの中からホットスポットを見つけだせる可能性が、電子の目にはあると考えています。 私たちとともに、将来の世代に誇れる瀬戸内海の豊かな海を守っていただけませんか。
Vision
実現したい未来
瀬戸内海に陸から流入する海ごみをゼロにし、瀬戸内の海洋環境を保全する。そのために、海ごみを発生させない仕組みを社会に構築したい。
得られるもの
海ごみは社会問題として注目を集めており、国をあげて解決に取り組んでいる。水路延長が日本一の本市での成果は、他都市へのアピールポイントとなる。
Outline
背景 | 瀬戸内海には、年間総量4,500トンものごみが陸や外海からの流入により生じており、陸からの流入が全体の66%を占めている。また、そのほとんどがプラスチック類のごみであるとされている。そして、海ごみとなったプラスチックごみは、マイクロプラスチックになるものもあり、海洋環境や人体への影響が懸念されている。 陸で発生したごみは、水路や河川を流れ、海に流入するため、ごみの発生源からの流入量を減らすとともに、ホットスポットに堆積したごみの回収量を増やすことが重要となる。市内には、調査によって把握されているホットスポットが200以上あり、それらのホットスポットから海へのごみ流出を防ぐ必要がある。 |
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課題(詳細) | 海ごみの発生源を把握することで、発生源からの流入量を減らすための対策を行うことや、流域での堆積状況を継続的にモニタリングし、適切な時期に回収することで海への流出を防ぐことが可能になる。そのためには、ごみのホットスポットを定量的かつ継続的にモニタリングし、市民にわかりやすい形で可視化することが大切であり、そのような仕組みを作っていく必要がある。 しかしながら、岡山市では用排水路の延べ延長が約4,000kmもあり、人海戦術によって全市域を調査することは現実的に難しく、全市域を網羅的かつ継続的に調査する手法が求められている。 |
求める解決策 | 人員による現地調査ではなく、画像解析による調査手法を提案してもらいたい。 画像解析によりホットスポットのごみの量を推定して、ごみ回収の効果が推定できるようにしたい。ホットスポットは、実際にゴミが溜まりやすい場所だけでなく、ゴミステーションなどの発生源なども捉えられるとよい。また、年1回ではなく、複数回の調査が行えるように、使用する衛星写真の精度や価格がバランスの取れたものになるように検討してもらいたい。 可視化されたデータをもとに、発生源となっている場所(ゴミステーションなど)への対策、改善要望に繋げたり、河川のクリーン活動などを行っている市民活動団体での活用に繋げたりしていきたい。 |
想定する実証実験内容(詳細) |
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実証実験成功後の発展性 | 海ごみへの対応は、すべての自治体が抱える課題であり、広範囲を網羅的に調査する手法は、人口規模の大きな政令市をはじめ、広域行政を所管する都道府県にも導入が期待できる。 |
提案企業に求める専門性 |
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プロジェクトの進め方打合せ方法 |
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提供可能なデータ・環境等 | 岡山市全域の航空写真を貸与できます。 (2006年から3年毎に撮影しており、2021年までで6期分。オルソ画像もあり。) |
プログラム終了後の本格導入 | 課題の解決につながる提案であれば、正式導入に向けた予算要求を準備したい。 |
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