応募終了
神戸市 消防局 市民防災総合センター
ICT×消防学校!テクノロジーで『市民を守る強い消防士』を養成したい
- 採択企業
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- Pestalozzi Technology株式会社
Point
解決したい課題
消防学校教育にICTを取り入れ、教官の業務負担の軽減と、新人消防士教育の効率化を図りたい。
想定する実証実験
・消防士養成Webサービスを開発する
・実際の消防士が利用し、効果を検証する
Story
消防士を取り巻く環境の変化
みなさんは、災害現場に真っ先に駆け付ける職業を知っていますか。
そう消防士です。我々消防士は、災害発生時に1分1秒でも早く、助けが必要な方のもとへ駆け付けるために、日々訓練に励んでいます。
近年、消防士を取り巻く環境は激変しており、業務量と求められる知識の量が増加しています。
増え続ける救急出動件数、相次ぐ物流倉庫火災等、ひとたび発生すると大規模化する火災、日本各地で発生する自然災害に対する緊急消防援助隊派遣、30年以内に発生するといわれる南海トラフ地震等への備え、これに加え新型コロナウィルスへの対応等、消防組織が立ち向かう事案事態が複雑化するとともに、消防士が働く環境も過酷さを増しています。
また、救急救命士の処置範囲の拡大、化学災害に対応するための危険物の知識習得、頻繁に改正される消防法への対応、新たに消防が所管することとなった高圧ガス保安法等の業務の追加など、消防士が身に付けなければならない知識も量も膨大となっています。
消防学校教育と働き方改革
そのような状況のなか、新人の消防士に対する教育訓練を実施し、一人前の消防士に育て上げる役割を担うのが、消防学校です。
新人消防士たちは、半年間、消防学校の学生として、寮生活を行いながら訓練に励みます。
そこで、彼らはこれまで経験したことのないような、体力的にも精神的にも厳しい訓練を行います。また、制約の多い寮生活を通して、部隊活動に必要な規律ある生活習慣を叩き込まれることになります。
学生に指導を行うのは、消防の各分野で経験を積んだ学校教官です。どんな現場・業務にも立ち向かっていける強い使命感と精神力を養うために、ときには激しい叱咤激励を行い、学生を鼓舞し導きます。
これまで、教官は圧倒的な時間と情熱を注ぎ、学生に向き合っていましたが、昨今の働き方改革の流れを受け、働き方を見直し、時代に見合った効率的な指導方法を模索することとなりました。
教官が業務量を減らさなければならない。しかし、学生に身に付けさせる能力はこれまで以上に高めなければならない。
これが、現在、神戸市消防学校が抱える課題です。
さらに、Withコロナの時代となった今、学生が在宅でも十分な教育訓練を受けることができる仕組みを構築する必要が生じました。
具体的な課題とICTによる解決策
この課題を解決するには、学生の『自主自立』を促すことが必要不可欠です。それにはICTをうまく活用できるのではないかと考えたことがUIKに応募したきっかけです。
具体的な内容は以下の3点です。
1. 紙中心の資料から動画コンテンツの配信等ICTの活用
2. エビデンスに基づいた科学的なトレーニングとモチベーションの管理
3. 在宅でも教育訓練を受けることのできる仕組みの構築
1. 紙中心の資料から動画等の活用
学生は、消火活動でのホースの捌き方や、ロープの使い方等を訓練で学びます。しかし、訓練の時間だけでは十分な技術が習得できないため、課外に自習を行います。
しかし、紙の資料や訓練時の記憶をもとに行うため、質の高い自習ができておらず、教官も一緒に課外に訓練を行うことがあります。
そこで、動画コンテンツを作成し、学生に提供することができれば、効率的な自習につながるのではないかと考えました。
2. エビデンスに基づいた科学的なトレーニングとモチベーションの管理
消防士は体を使う職業ですので、体は資本となり、日々のトレーニングは欠かせません。
プロアスリートのトレーニング方法が、昔の精神論・根性論から、エビデンスに基づいた科学的なトレーニングに変遷しているように、消防士も体を使うプロとして、同様のトレーニングを行う必要があります。
消防学校では、マシンのあるトレーニングルームを備えており、学生も課外にトレーニングを行うことができます。しかし、効果的なトレーニングができているかは学生の主体性に委ねており、一人ひとりのトレーニング内容を確認する時間は教官にはありません。
そこで、トレーニングアプリのようなものを導入し、モチベーションを保ちつつ、科学的なエビデンスに基づいた効果的なトレーニング方法を身に付けることができるのではないかと考えました。
3. 在宅でも教育訓練を受けることのできる仕組みの構築
今回の新型コロナウィルスへの対応では、学生が在宅学習を行う等、教育訓練のカリキュラムを大幅に見直す事態が生じました。
今後、Withコロナの時代でも柔軟な教育訓練を実施できるよう、前述の動画コンテンツ等を自宅でも視聴でき、進捗を教官側でも確認できるようなシステム等仕組みの構築が急務となっています。
最後に
学生は、消防学校という厳しい環境の中で、自らの限界と向き合うことになります。
時には、訓練についていけず、自分の不甲斐なさに涙することもあります。
制約ある寮生活のストレスのなか、同期とぶつかり合うこともあります。
しかし、この厳しい環境を乗り越えた、自分の限界を超えたという経験は、彼らに中に、ひとつの強烈な成功体験として深く刻み込まれることになります。
やがて、その成功体験が、どんな困難な現場でもあきらめない心、どんな業務にも立ち向かう自信へと変わり、人々を災害から守ることとなると信じています。
10月、彼らは半年間の消防学校生活を終え、少しの不安と期待に胸を膨らませながら、消防署へ向かいます。
緊張した面持ちですが、その瞳には静かな自信を宿しています。
私たちとともに、消防士の教育に携わってくださる情熱をもった企業を心待ちにしています。一緒に『人々の当たり前の毎日を守る仕事』をしてみませんか。
Vision
実現したい未来
消防士養成Webサービスを通して、効率的に技術を習得し、また、その後の消防人生に活かせる知識と習慣を身に付ける。
得られるもの
消防士という職業に特化したWebサービスの開発・導入を通して、他府県の消防学校への展開、及び体・健康を資本とする職業への汎用が可能となる。
Outline
背景 | ① 消防士が立ち向かわなければならない事案の多様化 大規模火災、救急出動件数の増加、自然災害による緊急消防援助隊派遣、南海トラフ地震への備え、新型コロナウィルス対応 など ② 消防士が身に付けるべき知識の増加 ③ 教官の働き方改革 ④ トレーニングアプリの普及 ⑤ Withコロナ |
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課題(詳細) | ・働き方改革により、教官の業務量を減らしつつ、学生の能力を向上させる必要があること ・在宅勤務でも教育訓練を実施できる環境を構築すること |
求める解決策 | 消防学校Webサービスの開発・導入 ・動画コンテンツ配信 ・トレーニング管理 等 |
付加的・発展的な要素 | 他府県の消防学校等へ展開できること |
想定する実証実験内容(詳細) | Webサービスを開発し、実際に学生や消防士が訓練やトレーニングで利用し、効果を確認する。 |
求めるスタートアップ像 | 教育・トレーニング・健康などに関心のある企業 |
スタートアップに求める条件 | 実際の訓練の様子を見ていただきたいので、定期的に神戸市消防学校に足を運べること |
提供可能なデータ・環境等 | 消防士(学生等)の訓練やトレーニングのデータ |
プログラム終了後の本格導入 | 今回の実証の効果を検証し、来年度以降の本格的な導入を検討する。 |
選考基準・スケジュール・よくある質問など
資料請求・新着課題
地域・社会課題解決に繋がる、
本当の意味での地域創生をともに実現しませんか?