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岡山市 障害福祉課

みんなが集まる!「障害者就労継続支援」の理想のカタチをホンキでつくりたい!

Point

解決したい課題

障害者就労継続支援事業所(以下事業所)支援に係る問題が整理されておらず、仕事を頼みたい企業等(以下企業等)とのマッチングや就労したい障害者自身が自立するための仕組みが確立していない。

想定する実証実験

企業等と事業所とのマッチングを行うためのプラットフォームを構築し、実際に委託企業等と受託事業所を募ることで、構築したプラットフォームが機能するか、実際にマッチングが成立するかどうかの検証。
その他、農福連携、事業所の自主事業が成り立つ方法など新しい事業所のカタチとなりうる提案もお待ちしております。

Story

はじめに

 「多様性」という言葉を耳にするようになって久しい現代。2015年に国連総会でSDGsが採択され、世界中がその達成を目指す中で、「誰もが生きやすい社会」を目指す流れはますます勢いを増しているように感じます。
 こうした潮流の中で、私たち岡山市障害福祉課も、障害のある人が生きがいをもって暮らせる社会を構築すべく、様々な事業に取り組んでいます。その中の1つが、工賃向上支援事業です。

工賃向上支援事業って?

 工賃向上支援事業とはなにか?それをご説明する前に、1つ質問をさせてください。
 これを読んでくださっている皆様は、(障害の有無を問わず)ある人が自立した生活を築くために欠かせない条件とは何だと思いますか?
 「衣食住が保証されていること」でしょうか。それとも「医療や福祉を、必要な時にいつでも利用できること」でしょうか。もしかすると「自分の趣味に自由に打ち込めること」なんてご意見もあるかもしれません。
 この質問に正解はありませんが、おそらくもっとも重要な条件の1つは、「十分な収入を得られること」でしょう。衣食住を揃えるにも、病院にかかるにも、それから自分の趣味に打ち込むにも、まずは先立つものが必要です。
 さて、障害のある人が収入を得る方法としては、民間企業へのいわゆる就職(一般就労)のほかに、就労継続支援事業所で働いて対価を得るという選択肢があります。就労継続支援とは一般企業等に勤めることが難しい障害のある人を対象に、就労機会や生産活動の機会を提供するとともにその能力の向上を図るサービスであり、雇用契約を結び最低賃金が保証されるA型と、雇用契約を結ばないB型に分けられます。そして、これら就労継続支援事業所で得られる対価をより高い水準に上げていこう、という本市の事業が「工賃向上支援事業」というわけです。

工賃向上支援事業イメージ

工賃向上支援事業をする理由

 本市においては、就労継続支援B型事業所の平均工賃( ¥ 14,608/R3)が、全国平均( ¥ 16,507/R3)と比較して1割程度低いという課題を抱えています。また、A型事業所については、生産活動収支により利用者への賃金の支払いができている(≒黒字の)事業所が全体の3割程度にとどまっているという課題があります。
 ここでちょっとした計算をしてみましょう。B型事業所で働いている障害のある人、ここでは仮にYさんという方がいるとします。Yさんの主な収入は次のとおりです。
 ①障害基礎年金(1級)… ¥ 82,812/月
 ②年金生活者支援給付金… ¥ 6,425/月
 ③B型事業所工賃…¥14,608/月
 Yさんの収入を全て足すと、 ¥ 103,845になります。これに対し、総務省統計局の公開している家計調査報告によれば、2021年における単身世帯の消費支出の平均は ¥ 155,046/月でした。障害のある方を対象とした様々な助成・支援制度があるため一概には言えませんが、このままではYさんが安心して一人暮らしをすることは難しいと言えそうです。Yさんのような方が地域社会で自立した生活を送るためには、事業所の工賃向上が不可欠なのです。

事業所の実情

 先の課題を引き起こしている原因を探るべく、私たちは市内すべてのA型・B型事業所を対象としたアンケート調査を実施しました。その結果、生産活動を行う上で困難に感じていることとして全体の20%が「営業スキルがなく取引先を獲得できない」と回答し、14%は「単価交渉をどのように行えばよいかわからない」と回答しました。また、必要だと考えられる支援を問う設問では、全体の37%が「営業や単価交渉に関する研修の実施」を希望したほか、「作業等の紹介をしてほしい」という声も挙がりました。事業所は生産活動で得た収益から工賃を支払うので、原則的には仕事の有無が利用者の工賃に直結します。つまり、事業所側が十分な営業・ネゴシエーションスキルを有しておらず、思うように仕事を受注できないことが、事業所の工賃向上を妨げる一因となっていると示唆されたわけです。

民間企業のニーズと事業所を繋ぐことができないか?

 ところで、以前より当課宛に「障害者就労施設に仕事を頼みたいが、よい事業所を教えてもらえないか」という民間企業の方からのお電話をいただくことがありました。数多くの事業所が点在する岡山市では、公平性の観点から特定の事業所をご紹介することができず、担当者としては「民間企業からのニーズはあるが、実際に調整ができず作業委託に至らないケースが多いのでは……」というもどかしさを感じていました。
 そこで今回、民間企業と事業所を結ぶプラットフォームを作成し、それぞれが直接やり取りをする場を作れないかというアイデアが生まれました。具体的には、就労継続支援事業所とそこで提供できるモノやサービスを集約してプラットフォーム上に公開することで、企業がWeb上で発注や問い合わせを行える仕組みをつくりたいと考えています。
 ECサイトのように買いたいものや頼みたい作業を検索し、視覚的に情報を得られる環境を整えることで、企業側のハードルを下げ、潜在的なニーズを顕在化させることができるはずです。また事業所側は、どういったモノ・サービスが人気なのかを考える機会を得られるため、自らの生産活動を見直し、さらなる工賃向上につなげていくことが可能となります。

おわりに

 私たちだけの力では、やりたいことを実現するプラットフォームを作ることはできません。また、私たちが思いついていないプラットフォーム以外のより良い解決策があるのかもしれません。皆様のノウハウやアイデアをお借りして利用しやすいシステムを作り上げ、最終的には本格的な導入に結び付けられたら……と考えています。
 働く障害者の工賃が上がり、自分で使えるお金が増えることは、障害のある人の働きがいや生きがいにもつながります。地域の中で、障害のある人もない人もともに暮らし、働く。そんなインクルーシブな社会を実現するための一歩として、この取組に賛同していただける企業をお待ちしています!!

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Vision

実現したい未来

障害のある人が十分な対価を得て自立し、自己実現を図ることができる社会を構築する。

得られるもの

同様の課題を抱える県・政令市等へ実績としてPRできる。また、類似分野への転用が考えられ、様々な横展開に期待がもてる。

Outline

実証支援金:最大50万円

実証にかかる実証プロジェクト経費の支払
1件あたり50万円(税込み)上限

背景 岡山市内にはR5.4時点で147の就労継続支援事業所があり、約2500人の障害者が生産活動に取り組んでいる。障害者は事業所でその働きに応じた対価を得ることができるが、その額は必ずしも生活に十分とはいえない。また、オリジナルの商品やサービスをつくれず、請負の生産活動をこなすだけの事業所になっている事業所も少なくない。
課題(詳細) 岡山市内の就労継続支援A型事業所のうち、生産活動収支により利用者への賃金の支払いができている事業所は32.3%のみ(R3)にとどまっている。また、岡山市内の就労継続支援B型事業所の平均工賃(¥14,608)は、全国平均(¥16,507)と比べて低い水準に留まっている(R3)。
他方、企業等から障害福祉課へ年数件ほど事業所への作業依頼を希望する問い合わせがあるが、公平性の観点や職員の事務量の問題で事業所に繋げられていない現状がある。その他、農福連携、事業所の自主事業などやる気のある事業所もあるが、そのノウハウがない。
求める解決策 プラットフォーム(マッチングサイト・アプリ等)の作成を通じた、企業等と事業所とのマッチングの仕組み改善を行いたい。
プラットフォームには企業等が頼みたい仕事の内容を、事業所は受けられる仕事の内容を掲載し、この掲載内容を企業等と事業所が相互に検索できるようにすることで、お互いに受発注を行いやすい環境を整備する。なお、受発注が成立した場合、当課でその事実と案件の概要が把握できるようにする。その他、事業所が自立、円滑に機能するための提案を広く受け付けたい。
想定する実証実験内容(詳細) プラットフォームへの登録対象について、事業所は市内の就労継続支援事業所とし、企業側には特に制限を設けないことを想定。
プラットフォームの利用者に対しUI(ユーザーインターフェース)についてのレビューを依頼し、より直感的に活用できるUIの開発を目指す。
実証実験成功後の発展性 開発したプラットフォームやその他の提案については、効果が確認できれば今後も維持していきたいと考えているため、その中でより使いやすく仕様変更・機能拡張を行っていく可能性がある。
マッチングプラットフォームの活用は移住定住促進、雇用、地域資源活用など各自治体の様々な分野における課題解決への横展開が考えられ、自治体と協働して開発・実証実験を行った商品や経験は協働企業の説得力あるUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)となりうる。
提案企業に求める専門性 ・類似するマッチングプラットフォーム等の開発経験
・障害福祉分野にかかる基礎的な知識や理解
プロジェクトの進め方打合せ方法 ・オンライン会議対応可能
・仕様が固まっているものではないので、相互に意見を出し合い、より良いものを作っていければと考えています
提供可能なデータ・環境等 ・市内就労継続支援事業所を対象として実施したアンケート(R5.2)の結果
・市の事業として外部へ運営委託している福祉商品を取り扱う店の売上データ(現状は紙ベース)
プログラム終了後の本格導入 効果が確認できれば、既存事業からの切り出しにより次年度からの予算を確保する。

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