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応募終了

豊橋市 こども若者総合相談支援センター ココエール

子どもや家庭の健やかな成長と明るい未来のために、AIの活用で児童虐待に立ち向かいたい!

Point

解決したい課題

年々増加する児童虐待対応。その場の情報や経験に頼るだけではなく、これまでの実績データをケース対応検討に活かし、組織判断力を高めたい。

想定する実証実験

ココエールでの児童虐待相談記録を解析し、AIに学習させ、個別ケースの重症度判断や対応方針を客観的に示す。

実現したい未来

家庭へのアプローチが最適化され、支援が行き渡ることで、児童虐待の深刻化を防ぎ、すべての子どもや家庭が健やかに成長できること。

得られるもの

全国の自治体で対応に追われており、こうした取組みへの需要は高く、他自治体への展開も可能

Story


“ココエール”って何、どんなところ?

~こども若者へ ココからエールを~

 豊橋市こども若者総合相談支援センター 愛称は「ココエール」。

 ココエールでは、0歳から39歳までの子ども・若者及びその家族に対して、それぞれのライフステージに起きる問題ごと、例えば、子育て、発達、貧困問題、児童虐待、不登校、ひきこもり、就労、自立など、一人ひとりの困りごとに寄り添ったサポートを行う市の相談機関で、2017年10月に開設され、運営しています。

 ココエールでは、切れ目のない相談支援体制を構築しています。

【児童福祉法】第10条の2(必要な支援を行うための拠点の整備) 市町村は、児童及び妊産婦の福祉に関し、実情の把握、情報の提供、相談、調査、指導、関係機関との連絡調整その他の必要な支援を行うための拠点の整備に努めなければならない。
【子ども・若者育成支援推進法】第13条(子ども・若者総合相談センター) 地方公共団体は、子ども・若者育成支援に関する相談に応じ、関係機関の紹介その他の必要な情報の提供及び助言を行う拠点としての機能を担う体制を、単独で又は共同して、確保するよう努めるものとする。

健やかな暮らしや成長を脅かす児童虐待という問題

 最近、ニュースや新聞で「児童虐待」というワードを耳にすることがとても多いと感じませんか?

 高い関心を持ち問題を感じている方もいれば、耳をふさぎたくなると感じる方も少なくないのではないでしょうか。

 特に近年では、子どもや家庭に関する問題の中でも、児童虐待が大きく社会問題化しており、「急増」や「深刻化」しているといったイメージを抱かれる方も多いと思います。

 虐待は、ケガや傷、アザといった身体的影響のイメージが強いかもしれませんが、それ以外にも、子どもにとって最も安心を与えられる存在であるはずの保護者から虐待を受けることにより、子どもは、欲求を適切に満たされることのない状態におかれ、他人との信頼関係を築くことが困難となったり、自分自身に対する評価が低下して自己肯定感を持てない心理的状況も生み出しかねません。

 また、保護者からの暴力を受けた子どもは、場合によっては暴力で問題を解決することを学習し、時には攻撃的・衝動的な行動をとったり、欲求のままに行動をとってしまうなど悪影響は様々です。虐待は、百害あって一利なし。子どもに望ましい影響などもたらしません。

 このような状況を防ぐべく、児童相談所や市町村窓口では、児童虐待への対応や対策が急務となっていて、ココエールでも、日々の対応に追われる毎日となっています。

全国(児童相談所)と豊橋市の実情がどうなっているのか

<全国(児童相談所)>児童虐待相談対応件数の推移
<豊橋市> 児童虐待相談件数の推移

 この2つのグラフを見たときにどう感じるでしょうか?全国、豊橋市の

 どちらも右肩上がりとなっていて、深刻な状況であることに疑いようがありません。

 増加する要因としては、例えば、社会的な関心が高く児童虐待への認識が深まり、児童虐待に対する認知から通告が増えること、子どもの目の前で、親がその配偶者に暴力を振るう「面前DV(ドメスティック・バイオレンス)」の心理的虐待としての通告の増加(警察から児童相談所への通告が中心)など様々考えられますが、いずれにしても児童虐待への対応は待ったなしの状況です。

膨大な相談から児童虐待への確実な対応と兆候を見落とさない

<豊橋市> 児童相談件数の推移=子どもに関わる相談件数(児童虐待相談含む)

 上記のデータに注目してみてください。これは、子どもに関わる相談件数(=児相相談件数)の推移を示していて、年増加していることがお分かりいただけると思います。

 私たちの日々の業務では、相談の大部分を占め増え続ける児童相談に対応しながら、児童虐待に関する事案へ対処しています。

 今、私たちに求められているのは、限られた人員・時間の中で、大部分を占める児童相談のもと、重篤なケースに陥りかねない児童虐待相談への対応を見落としたり後回しにしたりしない、確実な対応です。

児童虐待の通告を受けたときの対応フローとそのポイント

 ココエールで児童虐待またはその疑いがある場合の簡単な対応イメージは、下図のとおりです。

対応フロー

①児童虐待に関する通告は、様々な機関などから連絡があります。

②通告者からなるべく詳細を聞きとり、併せて行政情報や関係機関からの情報を集めます。

③ココエール職員が緊急に集まり、通告内容の確認や集めた情報などをもとに検討を重ね、家庭介入や支援に向けた方針を決定します。(緊急受理会議)

④⑤検討した対応方針に沿った家庭への介入や支援を行います。

課題

 重症度判断する上での判断要素の確認漏れがあったり、職員の異動で知見が失われてしまったり、過去のデータを適切に活用できていないなどの課題があります。

目指したい姿

 緊急受理会議における中身の質を高めていくことで、その後の対応が、効果的なものになると考えられます。

緊急受理会議の様子

子どもや家庭の健やかな成長、明るい未来を届けるために

~効果的な対応を求めて~

 現在、緊急受理会議における対応方針の決定には、既存職員の経験からくる判断や暗黙知によるところが大きい傾向があります。そうした職員が、人事異動等でココエールからいなくなってしまうと、緊急受理会議の中身の質の低下が懸念されるのが現状です。せっかく個々の職員が培った判断力や暗黙知がココエールに蓄積されておらず、新たに配属された職員は、また一から経験を積むことが必要とされるのです。

 そこで、児童虐待への対応について、過去の対応実績データを最大限に活用し、職員の知識や経験、在籍期間、専門性、技量にとらわれることなく、誰でも一定程度、統一的な判断の目安とできる仕組みを構築したいと考えています。

 私達が想定しているものとしては、AIを活用して

①過去のココエールでの児童虐待相談記録を解析し、

②エキスパートの「判断」や「暗黙知」をAIに学習させた上で、

③相談・通告内容から虐待の可能性や重症度判断を客観的に示してくれるツール

(虐待の重篤度、将来的な再発率、一時保護の必要性など)

④対応方針を客観的に示してくれるツール

 といったことを実現したいと考えています。

 このような児童虐待の深刻化を防ぐツールの開発に、一緒にチャレンジしていただけるスタートアップを募集します。

 もちろん、「最終的な意思決定は人間が行う」ことを前提としていますので、我々の判断のサポートをしてもらえるようなツールを期待しています。

 この取組みの実現によって、

⇒対応の優先度や介入度を深く考察できる

⇒AIに、人では考えつかない新たな視点を与えてもらうことで検討評価の材料が増える

⇒対応方針の検討にあたり、担当者で意見が割れたり、迷ったりすることもあり、過去の実績を踏まえた対応方針が示されることで、各職員が考える判断への後押しとなる

⇒児童虐待の程度が軽いうちに介入・支援できる可能性が広がり、対応期間の短縮が期待できる

⇒過去の知見が意思決定に生かされることは、人材育成の視点でも大きな利点となる

と言った効果を期待しています。

 子どもや家庭の健やかな成長、明るい未来を届けられるよう、ぜひ私たちと一緒に取り組んでいただきたいです。ご応募をお待ちしています。 

ココエール一同

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Outline

背景 児童虐待相談件数は増加の一途をたどり、全国の令和元年度対応件数は19万件を超え過去最多となっている。本市も令和元年度対応件数が364件であり同様な状況である。
児童虐待が発生する一因としては、例えば
・核家族化、離婚やひとり親家庭など家族の養育機能の低下
・地域社会とのつながりが希薄となることでの孤立化
・若年者の出産や育児
など様々あると考えられ、現状は増加する児童虐待相談への対応に待ったなしの状況である。
課題(詳細) 児童虐待への対応方針を決定する際、職員の知識、経験則、行政情報、関係機関の情報等を中心に検討を重ねることに加え、過去の対応実績データの積み重ねを踏まえることも大変重要であると考えているが、職員の異動や個々の経験値、不在時などの影響もあり最適な判断ができているとはいえない
求める解決策 重症度判断する上での判断要素の確認漏れや、ケースを長期化・深刻化させてしまった類似ケースでの対応の注意点を、AIに客観的に示してもらうことで、個別の職員の力量に左右されないより最適なケース評価や、対応方針決定への強化を図ること。限られた職員によって、増え続ける児童虐待相談に対応していく上で、人とAIとのベストミックスによる児童虐待対応が可能となること。
想定する実証実験内容(詳細) ココエールでの児童虐待相談記録を解析し、エキスパートの「判断」や「暗黙知」をAIに学習させ、個別ケースの重症度判断や対応方針を客観的に示すシステムを構築することで、AIによる評価や助言などとして各ケースの対応方針の決定に役立てる(AI判断にどこまでを求められるかは、あらゆる方向性を想定)
実証実験成功後の発展性 ・AIの技術向上に伴い、AI判断項目の幅を広げる可能性が期待できる
・同様な課題を抱える他の自治体も多くあると思われ、本市においての取組みが今後、他自治体への展開や提案企業の発展に寄与できるものと考えている
提案企業に求める専門性 ・AIの技術開発力、知見を有する者
・個人情報保護や漏洩防止対策を確実に実行できる者
プロジェクトの進め方打合せ方法 Zoom会議可、ココエールがどのような職場なのか現地視察も対応
提供可能なデータ・環境等 ・個別記録電子データ(テキストデータ)
※個人情報の塊であるため、提供範囲については法務部門とも相談しての提供となる。要望通りのデータが提供できない可能性もあるため留意していただきたい。
・件数実績データ
プログラム終了後の本格導入 実証実験後に効果や金額など導入可能かを検討し、可能であれば来年度以降本格導入したい。

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