Urban Innovation JAPAN


残り8

締 切

福祉部 生活福祉課

脱たて割り!部局を横断した相談支援ツールの構築

Point

解決したい課題

職員の経験や知識に関わらず、どの窓口で市民からの相談を受けても適切な支援制度を案内できるようにし、行政による市民のたらい回しを防ぎたい。

想定する実証実験

相談者から聞きとった内容から適切な支援制度が一発検索できるツールを相談窓口を持つ課に導入。相談時間や使いやすさ、相談者の満足度によりその有効性を検証する。

実現したい未来

誰もが相談しやすい環境を整えることで公的な支援制度を受けやすくし、課題が複雑化・複合化する前に解決することで市民と職員両者の負担を軽減したい。

得られるもの

国が進める重層的支援体制整備事業にも資するシステムであるため、多くの自治体にも導入することが可能。

Story

生活保護は最後のセーフティネット

本プロジェクトの担当である私は2年前に生活福祉課に異動し、これまで生活保護のケースワーカー(以下、「CW」)として生活に困っている方たちと関わってきました。テレビドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」で女優の吉岡里帆さんが演じた役でもあります。(柏木ハルコさんの漫画が原作)

ビッグ コミックス 健康で文化的な最低限度の生活 1(作:柏木ハルコ 発行:小学館)

生活福祉課では、ご相談にいらっしゃった市民の属性や生活状況を聞き取り、そのような支援ができるのか検討した上で回答しています。生活保護制度の特徴として他法他施策を優先して活用するという原則があり、最後のセーフティネットと言われています。あらゆる制度を活用してもなお、足りない部分を補うのが生活保護制度になります。

高齢者介護、児童福祉、障害福祉などの公的な支援制度などが適用できないかを検討した上で、生活保護の適用を考える。それを考えるのもケースワーカーの仕事の一つです。下の図が、生活保護業務で求められる知識・体系のイメージです。

新人職員の登竜門?

私も配属されて1年ほど経つと、実際によく活用する制度はある程度の数に絞られることが分かってきましたが、それでも数多くある他制度が活用できるか検討することは、経験の浅い職員にとっては容易ではありません。

どの新人CWもまず感じることだと思いますが、異動当初の私も、

「その他あらゆるもの≒他の制度とかってこと?これ覚えるの!?多すぎない!?」

「先輩CWに聞いても他制度をまとめた資料とか、チェックシートとかは作られて無さそうだ…」

「あるのは各担当課が出した冊子や参考書…マジか…」

など、疑問に思うことも多かったのですが、目の前の業務に集中しているうちに、月日が経ってしまいました。

アナログながらも、適切な支援制度を早期に情報提供できるよう努めており、過去の事例を参考に職員同士でノウハウを共有したり、過去の事例集を参考にしています。ただやはり限界もあり、検討に時間を有しご案内までに時間がかかってしまうことや、正確に情報が把握できておらず、適切な案内ができなかったというケースもあります。

福祉・保健分野でも同様の問題

課題は生活保護の分野だけではありません。福祉・保健分野の職員も同様に相談対応で苦慮しています。

近年は、家族や地域とのつながりが弱くなり、悩みや不安を相談する相手がおらず、困りごとが長年放置されてしまっているケースも散見されます。

役所への相談があるころには、課題の複雑化・複合化が進み、単一の専門分野の制度利用や支援だけでは十分に対応できないものも増えています。

そのため、生活保護の部署だけでなく、福祉保険分野の相談対応を行う職員も幅広く支援制度を把握し、相談に応じた適切な案内をできるのが理想ですが、実際には市民に様々な窓口を回ってもらう「たらい回し」が起きてしまっているのが現状です。

生活福祉課では、相談者に案内をするだけでなく、状況に応じて事前に案内先へ相談者の情報提供を行っています。また、生活保護の開始、廃止など他法に関する内容は各課へ連絡票を送ることで情報共有を図り、市民がスムーズにその窓口で手続きできるよう取り組んでいます。

相談支援ツールで正確に速く案内したい!

ここまでご説明してきたとおり、職員の経験や知識に依存した相談対応を行なってきましたが、多様な属性の相談者に合った適切な支援制度を迅速に案内するツールを作ることで、課題を解決できないかと検討しています。

例えば、

・タブレット上で相談者の属性項目(年齢、収入、家族構成、障害有無、就労可否など)にチェックを入れていくことで、案内すべき制度と担当窓口が抽出され、相談者に渡す案内表を出力でき、相談者の情報を各窓口で共有できるシステム

・相談内容を聞き取りしていく過程で音声認識で適切な制度を案内できるシステム

などを想定していますが、この他にも課題を解決する技術がありましたらぜひご提案ください。

最後に

正直、イノベーションといえる革新的な解決策は見つかっておらず悩んでいるところです。

保健・福祉分野等での縦割りの障壁を少しでも低くし、市民も職員も負担感を減らしたいという思いで応募させていただきました。

私たちと共にこの課題にチャレンジしてくださる企業の方をお待ちしています。

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Outline

背景 これまで社会保障制度は、人生において典型的と考えられるリスクや課題を想定し、その解決を目的として公的な保障の発展を実現し、生活保護、高齢者介護、障害福祉、児童福祉などの属性別やリスク別の制度が発展し、専門的支援が提供されるようになった。
一方、近年は生き方の多様化が進むにつれ、地域とのつながりや家族とのつながりが弱体化しており、リスクや課題を抱えながらも相談する相手がなく、孤立してしまうことで抱えるリスクや課題の複雑化・複合化が進み、単一の専門分野の制度利用や支援だけでは十分にそれらリスクや課題に対応することが困難なケースが増加している。
こうした状況においては、あらゆる相談窓口で適切な支援制度の情報提供を行うことで早期発見・早期対応が求められるものの、各分野の専門性が高いこと等が要因となり、相談対応を行う職員が市内に存在するあらゆるサービスを把握し、相談に応じた適切な案内を行うことが困難な状況となり、その結果、行政による市民の「たらい回し」が起きてしまっている。
また、現在国の進める「重層的支援体制整備事業」においては、市町村において各分野の相談支援事業者が属性に関わらず包括的に相談を受け止め、利用可能なサービス等の情報提供を行うとともに、複雑化・複合化した課題については支援機関のネットワークで対応する包括的な相談支援体制を構築することが求められている。
課題(詳細) 現在の体制では、市民から相談を受けた際、対応する職員の知識に依存した対応をしているため、適切な支援制度を案内するまでに時間を要する場合がある。また、そうして案内された窓口において優先すべき制度が他にあることが判明した際には、さらに別の窓口を案内される「たらい回し」が起きるおそれもある。さらに、案内を受けた相談者はその都度窓口で再度一から相談内容を説明することになってしまう。
こうした必要以上の負担を相談者にかけることを防がなければならないものの、サービスの専門性が高く、窓口職員があらゆる相談に対応する適切なサービスを把握することが困難である。
求める解決策 どの窓口にどの分野の相談があっても適切な支援制度を迅速かつ容易に案内可能なツールの開発。
例えば、以下のような機能があるとよいのではないかと考えています。
・相談者の属性項目(年齢、収入、家族構成、障害有無、就労可否など)にチェックを入れることで、案内すべき制度と担当窓口が抽出される検索ツール。
・相談者にスムーズに窓口を回れるようにするための案内票作成・出力ツール。
・相談者が同じ説明を繰り返す必要がないよう、相談者の情報を各窓口で共有できるようなツール。
想定する実証実験内容(詳細) 相談窓口をもつ福祉部、こども未来部、健康部で、相談から案内までの時間が短縮されたかや、操作性や視認性などの使いやすさ、相談者の満足度のフィードバックを受けその有効性を検証する。
実証実験成功後の発展性 市役所内で活用し、状況をみて外部団体への拡大を検討する。また、制度改正が毎年のように発生するため、職員が容易に修正可能な機能開発を行うことで、各自治体独自の制度にも対応可能となり、横展開がしやすくなると考える。
提案企業に求める専門性 特になし
プロジェクトの進め方打合せ方法 定期的なミーティング、オンライン会議可。
提供可能なデータ・環境等 データでの提供可能(各支援制度の内容を企業が求める様式で提供することについては応相談)
プログラム終了後の本格導入 本格導入のための予算化を予定。

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