Urban Innovation JAPAN


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産業振興課

行政情報をわかりやすくビジュアル化したい! ~地域産業の将来像を「カタチ」にするデータの「チカラ」~

採択企業
NECソリューションイノベータ株式会社

Point

解決したい課題

産業振興の施策について、エビデンスに基づく効果検証や支援制度の拡充を実施したいが、市が保有する様々な情報やデータを利活用しきれていない。

想定する実証実験

ビジュアル化された市政データを踏まえて、企業立地の施策の効果検証に有効な切り口の仮説を立て分析を進め、エビデンスに基づいた制度の拡充や新規施策の検討に活用する。

Story

自治体が保有する情報のポテンシャルを引き出したい!

 皆さんは、自分が住んでいるまちの歳入(税金など)が毎年どれくらい入って、どのように活用されているか知っていますか?自治体にはこのような歳入の動きや、住民データ、企業や個人の転入・転出の流れなどの様々な情報が、毎年大量に蓄積されています。

 近年日本では、国民生活の利便性の向上や時間・コスト削減、企業の国際競争力強化などのためにデジタル化を積極的に推進しており、私たち自治体職員もデータを活用した市政への取組みが急務となっています。その中で、市が保有しているデータを分析・活用して、より良いまちづくりに還元していこうという動きが活発化しています。

歳入歳出予算の総括表及び純計表

 実際、2016年12月に施行された「官民データ活用推進基本法」では「地方公共団体は、基本理念にのっとり、官民データ活用の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の経済的条件等に応じた施策を策定し、および実施する責務を有する」と規定されており、データの有効活用への取組みは必要不可欠となっています。

 しかしながら、いざ保有するデータを有効活用したいと思っても、歳入の動き方や、保有する情報にどのようなものがあるのか、どのような活用方法があるのかは、私たち自治体職員の中でも把握しているのは一部でしかありません。

 では、多くの自治体職員が様々なデータを有効活用しようと考える際、真っ先に出てくる課題が「部局間の横断的な取組み」です。

 自治体は、基本的に部や課によって保有しているデータは様々です。よく「市役所内での異動は転職と同じだ」と言われるくらい、行政サービスも扱う情報も違うのです。それだけに、他課が保有しているデータを共有することは容易ではありません。

 このように同じ組織でもデータ共有には障壁があり、様々なデータを利活用したくても時間を要する、あるいはそもそも使えない、ということになりやすいのです。
私たちは「部局間の横断的な取組み」を日常化し、市の保有する情報をオープンソースとして臨機応変に有効活用することで、よりよいまちづくりに還元したいと考えています。

市政データを利活用して地域産業の振興につなげたい!

 私たち産業振興課は、この取組みのはじめの一歩として、平成20年から現在に至るまで取り組んでいる企業立地施策の効果検証と支援制度の拡充を市政データの活用によって行いたいと考えています。

 住宅都市というイメージの強い豊中市ですが、大阪府内で4番目の事業所数を誇る、産業のまちでもあります。豊中市は大阪都心に隣接し、市内には大阪国際空港のターミナルがあり、阪急、北大阪急行、新幹線、高速道路、大阪モノレールなど各種交通アクセスに優れており、大阪大学等の学術・研究機関が近接するなど産業ポテンシャルも有しています。

府内市町村における事業所数(平成26年経済センサス基礎調査・総務省)

 平成 30 年(2018 年)1 月に、事業所の安定した操業環境の維持・形成を目的とした「豊中市企業立地促進計画」を策定しました。また同年10月には、「豊中市企業立地促進条例」を改正し、産業誘導区域の設定による奨励金制度の拡充や補助金の創設を行いました。

 しかし、コロナ化によるニューノーマルの確立など、社会経済の在り方は刻一刻と変動していることから、支援制度の効果検証を行い、現在のトレンドに合わせた支援制度を検討する必要があります。その根拠を示すにあたっては、やはりデータに基づくものが必要となってきます。

効果的なデータ利活用に向けたはじめの一歩として

 そこで私たちが考えたのが市政データの活用です。今まで経験と勘に頼らざるを得なかった効果検証や政策の立案を、地域ごとや事業者ごとの市政データの推移にもとにオープン化・ビジュアル化し、有効な分析の切り口の仮説を立てて分析することで、より効果的な立証、拡充をしたいと考えています。

 ビジュアル化はデータから情報を読み取るためにとても有効な手段だと感じています。

 例えば、一般会計予算のデータをビジュアル化する取り組みは、つくば市の「税金はどこへ行った」や横浜市の「財政見える化ダッシュボード」などがあります。

 同様に、地域ごとや事業者ごとの市政データの推移など産業振興の施策検討に役立つデータをビジュアル化すれば、多くの自治体職員が市政データの動き方や、保有する情報にどのようなものがあるのかを一目で把握することができます。それらの情報とこれまでの経験と勘を活かしてどのデータを分析すると有効な材料になりそうかを検討できると感じています。

 皆さんの持っているデータ分析のノウハウをマッチングさせ、企業立地施策の効果検証と支援制度の拡充を検討できれば課題解決につながると考えています。

 もちろん他部局との調整など、解決すべき問題点は多くありますが、その壁を乗り越え、一緒に市政データの利活用方法を模索して頂けませんか?

地域産業の将来像を「カタチ」にするために

 この検証でデータの利活用の有用性を見出せれば、将来的に新たなプラットフォームとして、自治体の各部課が持つ情報を共有し展開できるシステムや仕組みも構築できると考えています。

 ひいては、地域産業の発展や行政サービスの向上につながり、市民が地域産業や市政に関心を寄せる仕組みにつながるシステムを築き上げるための第一歩として、私たちの持っている情報と皆さんの持っているデータ利活用のノウハウをマッチングさせ、新たな政策立案・評価方法を模索してみませんか。ぜひご応募ください!

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Vision

実現したい未来

市の様々な情報やデータをひと目見て活用できる仕組みを構築し、
・産業の発展
・行政サービスの向上
・市民が市政に興味を持つきっかけ
につなげたい。

得られるもの

・普段目にする機会の少ない様々な市政データに触れ、多角的な見地から分析できる
・一般的な行政職員が一目でデータ活用・分析ができた実績は、多くの自治体へ有効なアピールとなる

Outline

背景 近年、行政での取組みにおいて施策立案や評価を行う際には必ずエビデンスの提出を求められる。そのようなエビデンスを過去の実績や経験によるものに頼るだけでなく、データに基づいたものとしたいという背景がある。
課題(詳細)

市は様々なデータを保有しているが、それらを施策立案や評価に利活用できない場面が多い。加えて、仮にデータを保有していたとしても、ビジュアル化されていないデータから一目で情報を読み取りづらいこと、有効な活用手段を持ち得ていないことも現状の課題となっている。

一例として、平成20年から現在に至るまで取り組んでいる企業立地施策について、エビデンスに基づく効果検証や支援制度の拡充を実施したいが、市の保有する様々な情報やデータを利活用しきれていない。

求める解決策 本市が持つ情報やデータと民間事業者が持つデータ分析力やビジュアル化のツールや技術をマッチングさせ、施策にうまく利活用することで市内産業の活性化につなげたい。
その過程で、官民データ活用に精通する民間事業者と共に市役所内のデータのオープン化とビジュアル化を進めたい。
想定する実証実験内容(詳細) 当市が保有する平成20年以降の市政データの推移をビジュアル化し、具体例として現在展開している企業立地施策の効果検証に有効な切り口の仮説を立て分析を進め、支援制度の拡充や新規施策の企画立案の検討材料としたい。
実証実験成功後の発展性 一般的な行政職員にとっても有用性が高い場合、他の産業振興施策をはじめ、他の自治体へも展開できる可能性が高い。
提案企業に求める専門性 ・データ分析やシステム構築の能力、デザイン性に長けている。
・官民データ活用に精通しており、またその実績もある。
プロジェクトの進め方打合せ方法 オンラインでの打ち合わせ可。必要に応じて対面での打ち合わせも行い、情報共有、連携は密に行いたい。
提供可能なデータ・環境等 市政データの一部。
※具体的な市政データの提供や取扱については、関係部局との調整が必要。
プログラム終了後の本格導入 実証実験により一定以上の成果を挙げられた場合には、次年度以降の予算化をめざす。

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