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豊中市 こども事業課

保育現場の隠れた課題とは?真の課題を見つけて改革したい!

Point

解決したい課題

・常に求人募集を出しているが、応募が必要数よりも少ない
・応募数が少ない理由(課題)が把握できていない

想定する実証実験

課題を整理し、取り組むべき最初の一手について検証を行う
例)人材確保に向けた広告マーケティング、派遣導入の検討 など

Story

全国的に知名度の高い、豊中市のインクルーシヴ保育・教育!

 保育に関するニーズは年々多様になっており、保育環境の充実が全国的な社会課題になっています。

 そんな中、豊中市は40年以上前から障害の有無にかかわらず、すべてのこどもが同じ部屋でともに過ごす「インクルーシヴ保育・教育」を行っており、本市の教育の特徴と言えます。令和3年度(2021年度)の市民意識調査では、豊中市は子育てしやすいまちだと思う人のうち、「多様な保育サービスが充実している」の回答が最も多くなっています。また、うれしいことに「保育・教育方針に魅力を感じて豊中市に転入しました」という声も耳にします。

令和3年度 豊中市 市民意識調査より

一方で、人材不足は豊中市にとっても大きな課題

 インクルーシヴ保育・教育の実現には、当然ながら様々なニーズに合わせた人材の確保が必要です。

 豊中市では、障害児がともに育つ環境を確保するため、障害児加配教諭として採用枠を設けています。その必要数は年々増加の一途を辿っており、令和元年度(2019年度)には110人だった必要数が、令和5年度(2023年度)には169人まで膨らんでいます。また、医療的ケアの必要なこどもに対応する職員も採用しています。酸素吸入などを行うため、資格のある職員の配置は必須です。

 しかし、新たに入園したいこどもに対して配置する職員の確保が難しいことと、1対1での対応がほとんどのため、担当職員の負担が大きくなっています。

 また、公立こども園は月曜日〜土曜日の朝7時から夜7時まで、12時間開園しています。保育教諭・技能職員はシフトを組んで園運営を行っているのですが、朝・夕方の時間帯のシフトに入れる職員や、土曜日に出勤できる職員が不足している現状にあります。現在、市のホームページや広報とよなかで毎月求人募集を行うほど、未曾有の人材不足に陥っています。さらに、募集人数に対して応募者が集まらない現状が続いており、こども園現場は人が少ない状況で何とか運営を行っています。

障害児数、職員必要数の推移

諦めたくない!人材不足解消に向けたアプローチ

 そこで、私たちは主に2つの視点から人材不足解消に取り組みました。

 1つ目は、広報手段の拡大です。ただ広報誌に募集を掲載しているだけでは、人は集まりません。潜在層にアプローチするため、折り込み求人チラシへの記事の掲載や、Web広告の活用を行いました。掲載誌の変更や、ターゲット設定(年齢、区域、時期)を検討・変更・拡大しながら何度も実施してきました。

 2つ目は、こども園での環境の改善です。日常の保育業務の質向上及び効率化、保護者へのサービス向上を目的として令和3年度(2021年度)にCoDMON(コドモン)システムを全園に導入。園児の登降園打刻の管理をデジタル化し、出席簿の作成を容易にしました。また、行事予定やおたよりなど紙媒体で作成していた部分をデジタル化することにより、園職員の負担軽減と、保護者にとって確認しやすい環境をめざしました。

令和3年度(2021年度)に導入したCoDMON(コドモン)

必要なのは働き方改革!?どこに課題があるのかを見極めたい!

 上記のように、人材確保のために、広報面・職場環境へのアプローチをしましたが、いまだめざましい効果は見えていません。それどころか、令和4年度(2022年度)に公立こども園で働く職員向けにアンケートを実施したところ、約70%の方が「今の仕事を人に勧めたくない」と回答していました。デジタル化の導入により、多少の負担は軽減したものの、根本的な解決には繋がっていませんでした。

令和4年度(2022年度)の職員向けアンケート結果より

 その一方で、同アンケートによれば、55%の職員が「職場の雰囲気に満足している」ことが分かりました。相談しやすい環境であるにも関わらず、人に勧めたくないと回答する理由はどこにあるのでしょうか?

 未来をひらいていくこどもたちに、質の高い保育を提供していく公立こども園の現場が、今、抱えている問題は何なのか。私たちはその課題を把握・分類し、人材確保に向けた広告マーケティングの検証など、次の一手まで取り組むことで、公立こども園に勤める職員にとって働きやすい環境にしていきたいと考えています。

令和4年度(2022年度)の職員向けアンケート結果より

夢物語で終わらせない!こども、大人が生き生きと輝く園をめざして!

 働きやすい環境が実現できれば、新たな研修やプログラムに取り組むことができるようになり、職員の方々の学び向上につながります。学びを実践することで、こどもたちの豊かなこころをより育むことができます。改善を進める過程をこども園の職員とともに分かち合い、「今の仕事を人に勧めたい」が100%となるようなこども園にしたいのです。

 さらに、この課題は公立こども園だけではなく、民間施設、ひいては全国的な課題です。今回の実証実験で得たものは豊中市の民間施設や他自治体にも展開できるものになると考えています。

 もっと、子育ての魅力あふれる豊中市をめざし、第一歩を一緒に踏み出してくださる皆さまからの応募をお待ちしています!

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Vision

実現したい未来

・こどもたちとともに育つ、より良い保育への学びと実践ができるこども園運営

得られるもの

・保育、教育関連に就職したい方、働いている方の関連データ
・市内民間施設や他自治体へのアプローチの足がかりとなる実績

Outline

背景 ・40年以上前からインクルーシヴ保育・教育を進めている豊中市には、障害児保育に魅力を感じて転入される方も多い。
・そのため、多様なニーズに合わせた人材の確保に向けた求人募集を行っているが、求人への応募数が少なく、人材不足に陥っている。
・さらに、令和4年度(2022年度)のアンケートでは「今の仕事を人に勧めたくない」と思う職員が約70%も。
・求人広告によるアプローチやこども園へのシステム導入などにより、人材確保と職場環境の改善に勤めているが、目に見えた効果は出ていない。
課題(詳細) ・求人に対して応募がこないのは何が課題になっているのかが把握できていない、把握しづらい状況
求める解決策 ・人材不足によるものなのか、事務軽減を図れば解決するのか、まずは何をクリアすれば働きやすい環境となるのかを探りたい。
・その結果、整理された課題のうち、最初の一手となるものの効果検証を行いたい
例)効果的な人材募集方法の効果検証、業務改善方法の効果検証 など
想定する実証実験内容(詳細) ・課題の洗い出しと分析をした後に、課題に基づいて求人を出すターゲット層の分析・広告クリエイティブの効果検証などを行う。(なお、効果検証の手法は課題の分析後にディスカッションしながら決めていきたい)
・課題の洗い出しは、職員アンケートの分析やこども園職員へのヒアリング、こども園でのフィールドワークなどを想定。
実証実験成功後の発展性 ・公立、私立関係なく全国的な課題なため、豊中市の民間施設、他自治体への横展開が期待できる。
提案企業に求める専門性 ・課題を洗い出し、どう分類するかのノウハウがある
・求職者のニーズ把握に関する知見がある
・保育現場の業務内容を把握している
プロジェクトの進め方打合せ方法 ・オンライン会議可
・実証実験期間中には、現場へのヒアリングなどのために豊中市へ来ていただけると嬉しい(3回程度を想定)
提供可能なデータ・環境等 ・職員アンケートの結果
・過去に実施したWeb広告の内容(デザイン等)
プログラム終了後の本格導入 ・効果が確認できた場合は、次年度以降に予算化の可能性あり。

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