Urban Innovation JAPAN


応募終了

山口県 環境政策課

ナッジやゲーミフィケーションで、子どもたちの環境学習を行動変容につなげたい!

採択企業
株式会社TAGRE

Point

解決したい課題

小学校等で環境学習をしても、行動を起こす子どもは少ない。

想定する実証実験

子ども向けの環境学習の実施後、アプリをタブレット等に配布して、行動変容をそっと後押しするとともに、データを集約して成果を見える化する実証

Story

環境「学習」だけでは不十分?

 山口県では、「低炭素・循環型・自然共生社会」を目指す一環として、昨年度、小学校で、地球温暖化に関する環境学習を実施しました。学校から、児童が後日に書いた感想文やアンケートが届き、「楽しかった」という意見が多く、気分良く読んでいましたが、ふと気になることがありました。

 省エネや節電、ごみの削減などのエコ活動について、子どもたちは「大切だと思いました」「やろうと思いました」という感想は多く寄せられていましたが、「はじめました」「やってます」という話はできません。

 先生に話を聞くと、「環境学習の難しいところですが、子どもは何をやるかを考え出すところまでは行き着くものの、行動を起こす子どもは意外と少ないんです。」とのことでした。正しい情報を分かりやすく伝えれば、子どもは自然と行動を起こすようになると考えてきましたが、それだけでは足りないのではないかと考えるようになりました。

「宇宙兄弟」コラボ実現!しかし効果測定不能

 環境学習というと堅いイメージがあると思いますが、山口県では子どもたちに少しでも興味を持ってもらおうと、昨年、全国で初めて宇宙兄弟とコラボした子ども向け環境読本を作成し、これを活用したモデル授業をJAXAと連携して実施しました。小学校を中心に、「地球温暖化を知ろう」 「家庭、学校、地域でできること」といったテーマで授業を展開しましたが、そこから、どのようなアクションにつながったのか、継続的に取り組めているのかなど把握できていないのが現状です。

Ⓒ小山宙哉/講談社
宇宙兄弟とコラボした環境読本のイメージ(B5判カラー刷り全8ページ)

環境学習から行動変容を促し、効果測定も行いたい!

 そんなときに昔、小学校で「なわとびで世界一周」に取り組んだことを思い出ました。紙に世界地図のすごろくが書いてあり、決まった回数飛んだら1コマ進み、それを進めると世界一周するようなもので、これは、「体力をつけてやろう」と意識させるのではなく、「世界一周したい」と思いで楽しく取り組み、自然と体力がついていく仕組みでした。

 今回の環境学習に置き換えると、「省エネ・節電を声高に叫ぶ」だけではなく、子どもたちが意識せずとも「ついやってしまう」「楽しく取り組める」ようなものがあれば、省エネ・節電をすることをそっと後押しできるのではないでしょうか。

 最近よく耳にする言葉でいうと、行動のデザインやナッジ(行動経済学)、ゲーミフィケーションなど、自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けを生み出したいと考えています。

私達が想定しているのは、

  • 子どもたちのタブレットやスマホで使えるアプリ
  • 省エネ・節電、ごみの分別、食べ残し削減など、エコ活動をするとそれがCO2削減量として見える化され、そのトータルに応じてランクアップしていくような仕掛け
  • 継続して取り組むための仕掛け(プッシュでお知らせ、毎日短い時間でできるようなもの)などですが、ぜひいろいろなご提案をいただけるとありがたいです。
  • 1週間後、1ヶ月後の自分へのメッセージ(省エネやってる?、食べ残しを減らさないとサッカー選手になれないよなど)

県から市町へ、子どもたちから大人へ

今回の取り組みと通じて作ったツールを市町に波及させ、子どもたちが、先生や保護者から言われてではなく、エコ活動に自然に、当たり前に取り組む文化を山口県に根づかせ、カーボンニュートラルを実現したいと考えています。

一緒にチャレンジしていただけるスタートアップのみなさんからの応募をお待ちしています。

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Vision

実現したい未来

子どもの行動変容が家族、そして社会全体の大人へと広がり、県民総参加でカーボンニュートラルに向かう山口県の実現

得られるもの

タブレット等が子ども達に急速に普及していること、環境学習は全国各地で実施されていることから、県との実証後、ロールモデルとして幅広い展開が可能

Outline

背景 小中学校にて、総合学習の時間などを活用し、環境学習を実施してきた。子どもたちに興味を持ってもらうため、漫画「宇宙兄弟」やJAXAとコラボした環境学習にも取り組んできた。
課題(詳細) 環境学習により、子どもたちは何をやるべきかを考え出すまでには至るが、そこから行動を起こす子どもは限定的である。
子どもたちの自発的かつ継続的なエコ活動を推進し、、社会全体に活動を広げていくことで、山口県が目指す「低炭素・循環型・自然共生社会」の実現に近づけたい。
求める解決策 ・子どもが継続的に環境活動に取り組むのを後押しするシステムの開発
・環境学習の効果を見える化も実現したい。
想定する実証実験内容(詳細) 小中学校で行う新たな形の環境学習で実証事業を実施
実際に小中学校の児童・生徒に使ってもらい、使用率、継続率などの定量データとアンケートなどの定性データを元に有効性を検証する。
実証実験成功後の発展性 県の環境学習モデルが全県に広がり、子どもたちが行動変容
行動変容の成果をCO削減量として見える化
提案企業に求める専門性 行動変容を促すサービスデザインの知見
継続して取り組める学習アプリの開発に関する知見
プロジェクトの進め方打合せ方法 オンラインでの打ち合わせ可
提供可能なデータ・環境等 過去の環境学習教材の提供
先生へのヒアリング
プログラム終了後の本格導入 実証の結果、成果が認められた場合、次年度以降の本格導入を検討する

選考基準・スケジュール・よくある質問など

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