環境課は、市内全域の環境対策に関する業務を行っております。そのうちの一つとして市街地でのカラス対策も行っています。近年特に課題となっているのが、飲食店などが集中する駅周辺です。
伊勢市の観光の玄関口である宇治山田駅周辺では、多数のカラスが電線に集まり、深刻なフン害を引き起こしています。

住民や観光客からはフンによる悪臭や景観の悪化に関するクレームが継続的に発生しており、観光客のSNSに投稿されるケースもあります。
これまで市では、鷹匠による追い払いや、電力会社と連携した電線への鳥よけ設置などの対策を試みてきました。しかし、カラスは非常に賢く学習能力が高いため、いずれの対策も効果は一時的で、すぐに元に戻ってしまうのが現状です。
様々な対策を試みていますが、根本的な解決には至らない堂々巡りが続いており、有効な解決策を見つけられていません。

伊勢市の観光玄関口である宇治山田駅周辺のカラスのフン害を解消したいと考えています。
一方でなかなかカラス対策が進まない要因は主に３つあります。
・知能の高いカラスは学習能力が高く、過去に行ってきたカラス対策の効果は一時的で継続性がない。
・カラスが寝泊まりしやすい森や神社が駅近くにあるが、木をなくすわけにもいかない。
・フン害の被害が目に見える損失につながっていないため、本格的な対策が行われず、フンがひどい箇所は、道路管理者が清掃してやり過ごされている。

一方で、多くの方が伊勢神宮を初めとする神社へ参拝に訪れる時期のフン害は、伊勢市に訪れる人や観光業にとっても損失ではないかと仮説を立て、せめてこの時期だけでもこの問題を解消し、綺麗な伊勢で初詣に訪れる方を迎えたいと考えています。

人手をかけずに、カラスを撃退したり、寄せ付けない技術を検証したいと考えています。
具体的には、
・AIによる画像認識を活用した自動撃退技術
・カラスの嫌がる音波や光、レーザー照射などの撃退技術

単に追い払うだけでなく、カラスに「この場所は危険だ」と学習させ、持続的にフン害を減らすことができる根本的なアプローチがあれば理想的です。

また、過去の経緯から効果検証の難しさも想定されるため、客観的なデータに基づいた効果測定の手法をともに検討いただけるご提案もあると嬉しいです。