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応募終了

姫路市 介護保険課

介護認定はいつわかるの?~要介護認定進捗状況照会(検索)用ツールの開発~

採択企業
株式会社KURASERU

Point

解決したい課題

要介護認定進捗状況を電話による問い合わせではなく、いつでも簡単に確認ができるようにすることで、ケアマネジャー等と市職員の業務を効率化したい。

想定する実証実験

個人情報に配慮した、要介護認定進捗状況照会(検索)用ツールの開発の実証。

Story

集合写真

※ 本課題は、2019年にマッチングが成立しなかったため、再チャレンジの課題です。

要介護認定とは?

介護保険制度は、介護が必要になった高齢者を社会全体で支える仕組みです。

「よく躓くようになったから杖が欲しい」「レクリエーションに参加したり、リハビリに取り組みたい」「家事ができなくなってきたから誰かに手伝ってほしい」等、高齢に伴う困り事は様々です。

介護保険のサービスにはデイサービスや福祉用具のレンタル、特別養護老人ホームへの入所等、様々な種類があり、それらのサービスを必要に応じて組み合わせて利用して、安心した生活の継続を図ります。

介護保険のサービスを利用するためには、まず要介護認定・要支援認定申請を行い、本人が要介護状態や要支援状態にあたるのかどうか、また、そのような状態であれば、介護の支援がどの程度必要なのかの審査判定を受けておく必要があります。

この介護の支援が必要なのかを示す度合いである要介護状態区分・要支援状態区分(いわゆる「要介護度」のこと)を認定する手続きを要介護認定と言います。

申請から利用の流れ

申請から介護サービス利用までの流れは、概ね次のような手順で行います。

①介護サービスの利用を希望する人は、要介護認定・要支援認定申請書を市に提出します。

②申請者は、かかりつけの医師に主治医意見書の記載を依頼し、記載後、医師は市に直接意見書を提出します。※③と同時並行で行います。

③認定調査員は、日程調整を行った上で、申請者の自宅などに伺い、訪問調査を実施します。調査後、調査員が訪問調査票を作成し、市に提出します。※②と同時並行で行います。

④訪問調査票と主治医意見書が揃ったら、介護認定審査会に審議を諮り、介護認定審査会は、申請者の要介護度などを審査判定し、市に通知します。

⑤市は、介護認定審査会からの審査判定結果をもとに申請者に結果を通知します。※①申請~⑤結果通知まで概ね30日程度かかります。

⑥申請者は、認定された結果をもとにケアマネジャーに相談し、ケアマネジャーは、本人の日頃の困りごとなどの相談内容に応じて、本人に適したケアプランの作成を行います。

⑦申請者は、ケアプランに基づき、介護サービスを利用します。

要介護認定が抱える問題点

高齢者が介護サービスを利用する場合、原則として、ケアプランをケアマネジャーに作成してもらう必要があります。しかしながら、申請から認定結果の通知までは概ね30日程度かかり、結果がわかるまでは暫定で介護サービスを利用しているのが現状です。
認定は申請日まで遡って認定されますが、認定された要介護度によっては、その区分で認められている以上のサービスを暫定で利用してしまっている場合もあり、この超過したサービスにかかる費用は、利用者の全額自己負担になります。

また、要介護認定を行うためには、介護認定調査員が作成する訪問調査票や、かかりつけ医が作成する主治医意見書が揃わないと審査判定を実施することはできません。

対象者が高齢者であることから、訪問調査の日程調整がうまくいかないことや、対象者が、主治医意見書を医師へ提出し忘れていることで、要介護認定が停滞することもあります。
他にも、対象者本人が認定結果の通知書を取り込み、そのまま紛失してしまうという事例まであります。

このようなことから、認定結果がなかなか届かないような場合には、担当のケアマネジャーが、対象者本人に不利益が生じないように、市に進捗状況を確認し、本人や家族に対する支援を行っている状況です。

姫路市では、ケアマネジャーの「いま要介護認定がどのような進捗状況にあるのか知りたい!」「認定結果がいつ出るのか早く知りたい!」という問い合わせにできる限り応えられるよう努めてはいますが、現状では電話での問い合わせに1つ1つ応答するしか方法がなく、多いときには、日に100件程度応答することもあり、この問い合わせ対応に大変苦慮している状況です。

さらに、今後、高齢化の影響で益々増加していく申請数に対応するには、今のような原始的な方法ではいずれ対応しきれなくなることが想定され、何らかの解決策が必要と考えています。

過去には、この状況を解決しようと試行錯誤を繰り返してきました。検索ツールであれば何とか職員でも実現できるのではと考え、職員で開発を試みました。しかし、個人情報の保護を行いながらweb上で進捗状況を検索(自動応答)させることが職員の技術力では実現できず、断念してしまいました。

その後、であれば民間企業の力を借りようということで、実は2019年度のアーバンイノベーション事業にも本課題を掲載し、課題解決を試みました。

ありがたいことに、複数の企業に応募を頂いたのですが、すべての応募提案がLINEを活用したシステムで、結果としては採択を見送ることとなりました。

というのも、電話による問い合わせの99%はケアマネジャーであり、業務で利用することを想定しています。ケアマネジャーによっては、スマートフォンをお持ちでない方がおられたり、業務上自身のスマートフォンを使うことに抵抗があるといった理由で、LINEではなくWEBベースのツールを求めています。

このような状況を踏まえ、要介護認定の進捗状況照会(検索)用ツールの開発について、お手伝いいただけるスタートアップを探しています。

要介護認定進捗状況照会(検索)用ツールができたら…

・事業所は、開庁時間に関わらず、365日24時間いつでも自由な時間に進捗状況を確認できる!
・職員の進捗状況照会に掛かる手間が削減され、常態化している残業時間が減る!
・問い合わせの総数が減少し、業務に集中できる時間が増え、効率的に!
・進捗状況の把握が効率化することで、介護サービス利用者へのより迅速な支援が期待できる!

これらの要介護認定の業務は日本全国共通業務であり、その他自治体の同様の課題を解決することが可能です。

また、介護の分野はまだまだアナログな業務が多く、課題が山積しています。そうした背景を踏まえて、国の方針でも、2019年12月に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画によると、要介護・要支援認定のワンストップ化、オンライン化をすすめるとしており、今後介護分野のICT化はますます進んでいくものと思われます。

ぜひ日本の介護分野を救う本課題にチャレンジしてみませんか?

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Vision

実現したい未来

電話対応が減少することにより、ケアマネジャー等や市職員の事務負担が軽減し、他の重要業務に注力できるようになること。

得られるもの

要介護認定の手続きは全国共通の手続きであり、課題が解決できれば同じ課題を抱えている他市町村への水平展開が可能。

Outline

背景

要介護認定では、申請から認定結果を通知するまでに概ね30日程度かかり、その間、申請者やケアマネジャーは介護保険課に問合せしなければ要介護認定の進捗状況を把握することができない。

また、対象者は高齢者であり、その要介護認定にかかる迅速な支援の必要性から、進捗状況の問い合わせに対する応答は市にとって重要な業務であるが、高齢化の影響で、申請者数が増加していく状況にあることを鑑みると、現在行っているような原始的な対応にはいずれ限界が訪れることが容易に想定される。

課題(詳細) 市進捗状況の問い合わせ件数は、姫路市介護保険課の電話応対の大半を占めており、その応対によって本来従事すべき事務時間が削られ、市民に対する要介護認定の遅延や時間外労働の増加につながっている。
求める解決策 問い合わせ応答を自動化し、本来従事すべき事務に充てる時間を増やす。この際、被保険者番号を含む個人情報を外部に提供することになるため、プライバシー保護の観点から、誰がいつ照会を行ったのかといったことを市が把握できる等相応のセキュリティが必要である。
付加的・発展的な要素 本来従事すべき事務に充てる時間が増えれば、認定調査票のチェック作業等の事務効率があがり、今後高齢化が進行しても、遅延せず認定結果を通知することが期待できる。
想定する実証実験内容(詳細) 事業所が、検索ツールを活用して進捗状況を確認することで、進捗状況に関する問い合わせ件数の削減を目指す。
求めるスタートアップ像 情報セキュリティにかかる知識が豊富であること。
スタートアップに求める条件 トラブル発生時の速やかな対応
提供可能なデータ・環境等 ランダム変換した被保険者番号を含む要介護進捗情報(調査票取込日、意見書取込日、審査予定日等)
プログラム終了後の本格導入 ツール完成すれば、前向きに検討したい。

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