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神戸市消防局 市民防災総合センター 市民研修係
市民救命士講習のスマート受付と電子修了証の実現~救命活動の裾野が広がる環境づくり~
Point
解決したい課題
講習の受付をオンライン上で効率よく行い修了証を電子化することで、発行までの時間を短縮するなど市民の利便性を向上したい。同時に、発行作業に携わる救急隊員の事務負担を軽減し、知識技能の習得に充てたい。
想定する実証実験
市民防災総合センターが行う救急講習会の受付と日程調整を市民がPCやスマホで行い、その講習会の受講者に電子修了証を発行する。
Story
毎年市内で2万5千人の市民救命士が誕生
突然、心肺停止となった人の命を救うためには、現場にいる市民の応急手当が必要です。
神戸市消防局では、多くの命を救うために、市民や市内の事業所や自治会などを対象に平成5年から市民救命士講習を開催し、心肺蘇生法やAEDの取り扱い、ケガの処置などを指導する応急手当講習会を実施しています。
救急講習会は全国の消防本部で実施され、年間約199万人が受講している事業です。
最近は市民の安全意識が高まり、毎年市内で約2万5千人の方が市民救命士を受講しています。
過去10年間の講習受講人数の実績グラフ
講習会を受講するには、まずは市民防災総合センターや市内の消防署に電話をかけていただき、講習会の受講日を調整(予約)していただきます。
市民救命士講習を受講された方には受講を証明するため、講習終了後に受講者に修了証を発行しています。
講習会の受付や修了証の名簿作成を救急隊員も実施
受講日の調整は消防署や市民研修係と行っていただきます。
調整作業は平日の午前8時45分から午後5時半に限られ、土日や祝日は行っていません。
あまり知られていませんが、消防署で講習会受付は救急係が担当しており、主に現場に出動する救急隊員が担当しています。
そして講習が終了した後に修了証を発行するための名簿の作成も、お一人お一人の名前を確認しながら救急係がPCに入力しています。
とはいえ、当然救急現場への出動が最優先ですので出動指令がかかれば受付や名簿の入力作業を中断して現場出動します。その際には、受講者には修了証の交付が遅れてしまいます。
また、近年は救急車の出動回数も大変多く、また救急救命士の出来る処置が拡大するなど救急隊に求められる知識と技術は高度化しており、それに対応するため救急隊はより多くの研修や訓練を行う必要があります。
しかし、講習会を受講された方に出来るだけ早く修了証をお渡ししたいとの思いで、これらの合間を縫って入力作業を行っています。
市民救命士講習事務のICT化による効果
★市民の利便性がアップ
現在、講習会の申し込みは市民に消防局市民研修係か消防署にお電話していただき、日程を調整したうえで受付を行っています。
市民が希望する日に既に別の講習予約がありご希望に添えないことも多々あり、市民から
「応急手当講習会を受講したいが日程の調整が大変。」
「事前に講習可能日が分かればいいのに。」
「受付は平日しかやってないけど、平日にはなかなか時間が取れない。」
「担当者と電話でやり取りが面倒だ」
などといったご意見やご要望を受けることがあります。
受付業務をオンライン化によりこれらの問題を解決することで、講習会受講に際しての市民の利便性が向上しより多くの市民の講習会受講につながります。
★修了証発行までの時間短縮と再発行などの手続きを簡略化
講習会の受付をICT化することにより、職員による名簿の入力作業が大幅に減少します。
これにより、修了証発行までの時間を短縮でき、市民により早く修了証をお渡しすることが出来ます。
また、修了証を電子化することで修了証はスマホによる管理が可能となり、氏名修正や紛失時の再発行などの手続きも簡略化することが出来ます。
★ICT化により捻出された時間で救急隊の知識や技術を向上
現在救急隊員が行っている受講のための受付業務や修了証発行の為の事務がICT化されたとしたら、
日程の調整などに要する時間
1回10分×年間10,000回 ≒ 1,660時間の短縮
修了証発行の為の名簿への氏名入力などに要する時間
1人0.5分×年間25,000人 ≒ 210時間の短縮
年間約1870時間を節約できます。
節約で出来た1870時間を使って、訓練や勉強会で救命技術の研鑽や医学的知識の向上が期待出来ます。
そしてそれは、我々の最終目標である救命率の向上にも繋がると考えます。
より多くの命を救うために
助かるはずの命を助けるために、「私の」「あなたの」大切な方が愛する人のもとへ帰れるように、一人でも悲しむ人が少なくなればと私たちは応急手当の普及啓発を行っています。
「救命の連鎖」は、市民と救急隊、医療機関の協働でつなげていくものです。
市民救命士講習受付業務をICT化し修了証を電子化することで利便性が向上し、もっと多くの市民に講習を受講していただくことが出来ます。それは応急手当のすそ野を広げることに繋がると考えます。
私たちと「思い」を共有し、ともに実現していただける企業をお待ちしています。
Vision
実現したい未来
受付業務のオンライン化で24時間受講申し込み可能となり、電子修了証など事務簡略化と時短実現により、市民の利便性が向上し受講者が増加。
得られるもの
救急講習会は、全国の消防本部で実施され年間約199万人が受講している事業であり、将来的には全国展開が望めます。
Outline
背景 | 神戸市消防局では、一人でも多くの命を救うため市民を対象に心肺蘇生法やAEDの取り扱いなど応急手当の普及を目指し講習会を実施している。 市民の安全への意識は高く、毎年約2万5千人の市民が講習会を受講し、受講者には修了証を発行している。 |
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課題(詳細) | 講習会に関しては、現在電話で申し込みを受け付けており、職員が出勤している平日のみの受付となっている。 その為、市民が比較的電話しやすい夜間や休日にお申込みいただくことが出来ない。 また、講習を修了した方にお渡しする修了証の発行に関する事務を現場に出動する救急隊員が担当することも多く、救急出動の合間を縫って受付業務や修了証発行に係る事務を行っていることから、修了証発行までに時間がかかることがある。 また、救急出動は近年増加しており、修了証発行委までの時間短縮や救急隊員の労務管理などの課題を抱えている。 |
求める解決策 | ・現在、電話で行っている日程調整などの講習受付業務をICT化 ・名簿への入力などをスマホやPCから行うことで、より迅速そして正確に修了証を発行 ・修了証をスマホで管理。氏名変更などの手続きもスマホ一つで完了、カードの紛失や氏名変更にも対応 |
想定する実証実験内容(詳細) | 市民防災総合センターが行っている定例講習会や出張講習会で、限定的に実証実験を行い効果について検証する。 |
付加的・発展的な要素 | 救急講習会については、総務省消防庁の要綱に従い全国に730余りある消防本部で実施し修了証を発行している。 平成30年は199万人以上が応急手当講習を受講しているため、全国の消防本部への展開も可能。 |
求めるスタートアップ像 | ・スケジュール管理や証明書発行などのアプリに関してノウハウを持っている企業 ・個人情報を取り扱うためセキュリティ対策がしっかりしている企業 |
スタートアップに求める条件 | 受講者の名簿管理は要綱に則って行っており、セキュリティ対策や安定的な情報管理などが求められる為、その条件をクリアできる企業。 |
プロジェクトの進め方打合せ方法 | 適宜、オンライン会議 |
提供可能なデータ・環境等 | ・修了証受付業務から修了証発行の一連の作業についてのフローを提供 ・現場視察可 ・過去の講習会実績などのデータ |
プログラム終了後の本格導入 | 実証実験で効果が得られれば、令和3年度に予算を要求し令和4年度からの予算化を目指す。 |
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