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神戸市 企画調整局 政策調査課

ネット・スマホの使い過ぎから、子どもたちを守りたい!小中学生向けのツールの実証開発

Point

解決したい課題

小中学生のネット・スマホの使い過ぎ傾向が改善し、学習や外遊びなどネット・スマホ以外の時間を確保でき、心身ともに健康に生活し、成長してほしい。

想定する実証実験

ネット・スマホ利用実態のアンケート実施の上、小中学生のネット・スマホの使いすぎ防止を支援するデジタルツールの効果を検証する。

実現したい未来

むやみに禁止するのではなく、小中学生が、ネット・スマホと上手く付き合えるようになること。

得られるもの

・教育分野での実績
・社会的に配慮が必要とされる普遍的な課題であり、他自治体への横展開が可能。

Story

子どもたちを取り巻くネット環境の移り変わり

昨今の激しいネット社会の発達とともに、子どもたちを取り巻くネット環境もめまぐるしく変わっています。「令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」(満10歳から17歳の青少年5,000人を対象)では、スマホ利用の割合は小学生が44.4%、中学生が68.7%となっています。SNSやネット掲示板でのいじめや、ネットゲームやLINEグルーブでの仲間外れ、SNS・ネット利用をきっかけとした犯罪など、スマホを媒介した問題は後をたちません。

さらに、アンケート結果(中学生)で、1日のネット接続時間が2時間を超過すると、自分への満足度、社会への関心度や友人への満足度が下がる傾向が確認されました。刹那的なネットへの没頭は意識が集中している間は楽しくても、後で振り返ると時間の無駄遣いだったと後悔することもあります。

アンケート調査の結果

神戸市でのこれまでの取り組み

神戸市は、2017年頃より、子どもたちがネット・スマホと上手に付き合うための「スマートスマホ都市KOBE」の取り組みとして、不定期にワークショップやフォーラムを開催して、議論を重ねてきました。当初から話し合いのファシリテーターとして携わっていただき、子どものネット利用について詳しい兵庫県立大学の竹内准教授は、「スマートスマホ都市KOBEの立ち上げ当初から現在までに、子どもたちのネット・スマホ利用にかかる感覚が変わってきた」と話します。

当初は、子どもたち自身のネット・スマホ利用への親や学校の干渉を嫌がり、「自由にやらせてほしい。」といった意見が多数派だったようですが、今年開催したワークショップ・フォーラムでは、「自分だけではネット・スマホを使いすぎてしまうので親と話し合いたい。」、「何か外部からの支援が欲しい。」など、ネット・スマホを使いすぎてしまう自分への違和感を話す子どもたちが増えてきたそうです。

Zoomで開催されたワークショップの様子
ハイブリッドで開催したフォーラムの様子

市内小中学生2000人アンケート

2020年12月から2021年1月に市内小中学生2,000人を対象に行ったアンケートでは、小学生が約3割、中学生が8割近くスマホを所持し、いずれの世代でも9割以上が日常的にネット利用をしていることが分かりました。また、“家で一番すること”ではテレビ・ネット以外の遊び・勉強のいずれよりもネット利用が多い結果となりました。

小中学生の携帯電話所持率の調査結果
自宅で何をしているかの調査結果

ネット利用の内容では、男女共通して動画鑑賞が多く、男子ではオンラインゲーム、女子ではSNSが多いようです。特にSNSでは、LINE等はすぐに返信しないといけないといった切迫感のある意識や、LINE等で誤解が生じたといった対人関係での困りごとも確認されました。大人の間でも、LINEでのやり取りですと、意図せず相手に冷たい印象を与えてしまい、正しくニュアンスが伝わらないことがあります。子どもたちのコミュニティでも同じようなことが起こり、時にエスカレートしてしまい、悲しい結果が引き起こされるリスクがあります。

※同調査では、兵庫県立大学環境人間学部の竹内和雄准教授監修のもと、1996年アメリカ心理学会で提唱されたインターネットへの依存度合いを判定するためのテストを参考にネット依存傾向を調べる設問を設定しました。得られた結果によると、市内女子中学生は全国平均を上回るネット依存傾向が確認されました。

ネット・スマホとスマートに付き合うには

ネット・スマホを媒介して、ITプラットフォームに集まる魅力的なコンテンツに夢中になってしまい抗えないのは、子どもたちの意志の力が弱いからではなく、企業側の巧みな仕掛けによるものです。消費者はそれらに振り回されないよう、スマホとの距離感を確保するなどの工夫が必要です。ネット・スマホを使いたいという衝動を制御する能力が未成熟な子どもたちには、彼らの意思を尊重しながら、大人が上手に導いていくことができないでしょうか。

2020年にベストセラーを記録したアンデシュ・ハンセン著「スマホ脳」では、子どもと若者へのアドバイスとして、「スクリーンタイムを制限し、別のことをする時間を設けよう。」と呼びかけています。具体的には「宿題をする、運動をする、友達に会うなどで、それに集中してみよう。」とのことです。

驚くべきことに、これは「スマートスマホ都市KOBE」プロジェクトチームの小中学生メンバーもからの声でもあります。「スマホを使っている最中に、スマホよりもっと面白い外遊びに誘い出してくれて、勉強することが自分にとって報酬になるような夢のアプリがあればいいのに。」と複数の子どもたちからの同趣旨の意見があがりました。

ネット・スマホの使いすぎから子どもたちを守りたい

「スマートスマホ都市KOBE」プロジェクトチーム事務局である政策調査課は、ネット・スマホに没入する自分に違和感を持っている子どもたちの課題をともに解決し、子どもたち自身がネット・スマホとスマートに付き合えるようになり、自分や周囲に満足感のある毎日を過ごしてほしいと願っています。

最悪の事態を避けるために、いま、私たちが取り組まなければならないのは、子どもたちからネット・スマホを無理やり遠ざけ、一方的に利用時間を制限することではありません。
どうすればもっと上手に、ストレスなくネット・スマホを使いこなせるかをともに考え、解決策を見出していくことです。

私たちとともに、神戸の子どもたちのために課題に取り組んでみませんか?様々なアイデアを持った皆さんからのご応募をお待ちしております!

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Outline

背景 ・神戸市では、「スマートスマホ都市KOBE」と題し、平成29年度から不定期に小中学生によるフォーラムを開催し、ネット・スマホとの上手な付き合い方について話し合い、向き合う取り組みを行ってきた。
・その中で、「ネット・スマホに夢中になってしまい勉強時間が確保できない」や、「自分ではどうしてもネット・スマホを使いすぎてしまうので、親・先生に助けてもらって自分をコントロールできるようになりたい」といった、切実な声があがってきた。
課題(詳細) アンケートの結果から、神戸市の小中学生はITプラットフォームに集まる魅力的なコンテンツに夢中になってしまい、ネット・スマホを使いすぎてしまうという不安を持っていることが分かっている。これからの生活にも必要なインフラなので無理に断ち切るようなことはできないが、ネット・スマホの利用時間を適切にコントロールできるような施策が必要。
また、アンケートでは「1日のネット接続時間」を尋ねたのみで、本格的な定量データ取得は出来ていない。
求める解決策 スマホを適正な利用時間で使用し、使用をやめることが報酬となるような、達成感が得られて心地よくスマホとの距離感をとれるようになるアプリ等のデジタルツール。
想定する実証実験内容 ・市内小中学生のスマホ・ネット利用の実態調査やアンケートを行った上で、実証開発したデジタルツールの効果を検証等。
・「スマートスマホ都市KOBE」のプロジェクトチームには、中学校3校、小学校1校に参加いただいており、協力要請可能。
・同プロジェクトチームには神戸大学大学院医学研究科の曽良一郎教授(ゲーム依存ご専門)にアドバイザーとして参加いただいており、協力要請可能。
・その他、有識者や関連団体への協力要請は全面的にバックアップ予定。
実証実験成功後の発展性 ・市内小学校(163校)、中学校(81校)、計約11万人の小中学生へ、完成したデジタルツールを総合学習の教材として展開予定。
提案企業に求める専門性 ・「スマホを使いこなしてほしい」という趣旨のため、デジタルツールを用いたアプローチを希望。
プロジェクトの進め方打合せ方法 ・オンライン会議対応可能。
・「スマートスマホ都市KOBE」プロジェクトチームで子どもたちの生の声を聞く機会の設定を考えており、そこにも参加してもらいたい。
提供可能なデータ・環境等 ・市内小中学生2000人を対象としたアンケート結果(R2.12~R3.1実施)
・「スマートスマホ都市KOBE」に参加している市内小中学校の協力
プログラム終了後の本格導入 ・次年度に向けて、本格導入を前向きに検討予定。
・枠予算についても確保予定。

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