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防災危機管理局危機対策室

遅延なく的確な避難情報発令を!膨大な情報をもとにした危険度判断支援ツールの開発

Point

解決したい課題

避難情報の発令を判断するための情報量が非常に多く、判断が難しくなっている。

想定する実証実験

システム構築の際に入力したデータ等が避難情報の発令に対し、妥当性を備えているかどうかを検証する。

実現したい未来

情報の収集・管理を行い、今後の見通しを含めた形で避難情報の発令を補佐するシステムの導入により、避難情報の発令判断を容易なものとする。

得られるもの

避難情報の発令に関し、課題を解決するためのツールとして他の市町村に数多く導入できる。

Story

避難情報とは

みなさんは、市町村から「避難指示」などの避難情報が発令され、実際に避難したことがありますか? 令和3年は災害対策基本法が改正されたことにより、市町村が発令する避難情報が大きく変わったため、「避難情報」という言葉をテレビ報道や市町村の広報誌などで目にする機会も多かったのではないでしょうか。
 集中豪雨や台風などの事象により、河川の氾濫、排水が雨量に追いつかずに起こる内水氾濫、土砂災害、高潮などの災害が発生する恐れがあり、浸水の危険や土砂災害の危険などがある地域にいる居住者等に対し、避難を促すために市町村から発令されるのが避難情報です。

近年の主な災害とその被害

近年、各地で大きな災害が毎年のように発生しています。平成30年7月豪雨では、梅雨前線と熱帯低気圧の影響により、西日本を中心に記録的な大雨となり、広域的かつ同時多発的に、河川の氾濫、内水氾濫、土砂災害が発生し、死者が200名を超えるなど甚大な被害をもたらしました。

 また、令和元年に発生した台風第19号では、台風本体の発達した雨雲と湿った空気の影響を受け、関東甲信地方、東北地方を中心に記録的な大雨となり、河川の氾濫、土砂災害が発生し、死者が100名を超え、約3,000棟が全壊するなど甚大な被害をもたらしました。

 近年は、幸い名古屋市においては大きな被害をもたらすような災害は発生しておりませんが、平成12年の東海豪雨の際には、西部を流れる一級河川新川で左岸堤防が破堤するなど、9,800棟余りの住家が床上浸水するとともに、市内の約37%が浸水したことに伴い、約380,000人に対し避難情報を発令いたしました。

【写真】東海豪雨での新川堤防決壊の様子

気象庁の「気候変動監視レポート2020」によると、近年、記録的な大雨を記録したかと思えば、統計開始以降最も少ない降雪量を記録するなど、極端な気象現象が長期的に変化傾向としてあると記されていることから、集中豪雨が発生する頻度が高くなる傾向にあると言えます。この変化傾向の原因は、地球温暖化の影響があると考えられています。

名古屋市における監視体制

そういった災害から市民の命を守るため、名古屋市は、避難情報の発令基準を定め、常日ごろからさまざまなシステム等を活用し、気象警報、河川の水位、今後の雲の動きや潮位の予測など、避難情報に関わる多種多様な情報の監視・情報収集を行うとともに、過去の災害の事例や教訓等を加味することにより、避難情報を適切なタイミング、適切な地域に発令できるよう努めています。

避難情報の発令に伴う課題

全国各地でさまざまな事象による災害が発生し、その災害を教訓としその備えについて万全を期するため、監視対象となる河川や監視すべき情報は増加しており、それらの情報漏れがないよう収集し、さらに今後の雨雲の動きや降雨予測等を加味した上で、避難情報の発令を行うかどうか、どの地域にどのタイミングで発令するべきかを判断しなければなりません。

 避難情報の発令は、基準値を設けていますが、職員の判断によってなされている部分が多分にあります。そのため、職員の経験の有無によって判断に違いが出てしまう恐れもあります。 特に、危機対策室に異動してきて1年目の職員にとっては、情報の多さと経験不足から円滑な情報整理及び現状認識が難しい面もあり、避難情報の発令の判断について、一定の標準化を図ることは重要です。

課題の解決に向けて

 多様化する情報の監視・収集に関する作業の増加・煩雑化、判断に係る部分の一定の標準化、といった課題を解決するため、必要となる情報の収集・一元管理を行うとともに、今後の降雨予測と過去の災害データ等を踏まえ、避難情報の発令判断を補佐するようなシステムの構築を考えております。

 そのために、どこで、どの位の雨が降ったら名古屋市にどのような影響があるのかを、過去の災害等におけるデータの抽出等も含め実証実験を行いたいと考えております。

 避難情報の発令は、災害から市民の命を守るために発令するものであり、発令するべき時に発令をしない、いわゆる「見逃し」は絶対にしてはならないことです。名古屋市職員として、市民の命を一人でも多く災害から守るため、ともに課題を解決していただきますようお願いいたします。

 今回は、風水害への備えとして実証実験を行ってまいりますが、名古屋市は南海トラフ巨大地震がいつ起こってもおかしくないといわれており、地震災害への備えについても喫緊の課題とされておりますことから、今回の実証実験にとどまらず、地震災害など、その他の災害への備えについても共に解決を目指していただきたいと考えております。

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Outline

背景 近年、全国各地で記録的な大雨による河川の氾濫・土砂災害などが発生したことにより、多数の死者・行方不明者が発生している。
課題(詳細) 避難情報を発令するにあたり、河川の水位状況、現在の降水量、今後の予測雨量・気象警報の発表状況などの情報を監視・収集し、その情報を総合的に考慮し、避難情報の発令の判断を行っているが、収集すべき情報・監視システム等の多様化により、多数の職員による監視が必要となっている。
求める解決策 現在の降雨状況や河川の水位情報、各災害の危険度分布情報など、避難情報の発令判断の助けとなる情報の監視、集約し、今後の見通しを可視化するシステムを構築することにより、情報の見逃しや避難情報の発令の遅延を防止するとともに、避難情報をどのタイミングで、どの地域に発令すべきかの判断を容易なものとする。
想定する実証実験内容(詳細) 雨が降った地域や降水量等を観測し、それが名古屋市にどういった影響を及ぼすか、また、過去の災害などから、名古屋市に災害が発生する降水量等の検証を行う。
実証実験成功後の発展性 避難情報の発令を補佐するシステムが構築されれば、他市町村への導入が見込まれる。また、本市においても、引き続き地震災害や被災情報の集約についての機能の拡張を考えている。
提案企業に求める専門性 気象関係の知識、防災に対する知識、河川に対する知識など。
プロジェクトの進め方打合せ方法 オンライン会議、対面会議どちらでも対応可能。
打ち合わせを重ね、互いの信頼関係を築き上げながら進めていきたい。
提供可能なデータ・環境等 市内各区における降水量のデータ、河川の水位状況等のデータ・過去の災害における浸水実績など。
プログラム終了後の本格導入 有効性が確認できれば、本格導入を考えております。

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