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交通局管理課

画像認識AIを使ったバスのODデータを取得し、利用者ニーズにあわせた路線設定を実現したい!

Point

解決したい課題

均一運賃の市バスは、乗車時に料金を支払い、降車時の精算がないため、お客さまの乗車区間データ(以下、「ODデータ」)がなく、適切なバス路線やダイヤの設計ができていない。

想定する実証実験

市バスの車内前後にカメラを設置し、乗車時に認識した顔や体の人物データを降車時に認識したデータと照合する。照合結果から人物データ作成情報をもとに乗降場所を特定し、ODデータを取得する。

実現したい未来

ODデータの蓄積により正確な乗車ニーズを把握し、利用者ニーズにあわせたバス路線を設定したいです。

得られるもの

均一運賃を採用している東京都交通局をはじめとする交通事業者に対して、販路開拓ができる。

Story

はじめに

私たち名古屋市交通局の市バスは市内全域において、163の運行ルートがあり、営業キロ768.5㎞を運行しています。そして、お客さまからのご要望、利用状況や運行実態を踏まえて、ダイヤ改正などを実施し、定時運行の確保やご利用いただきやすいバスサービスの提供に努めています。
しかし、昨年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、人の移動の自粛、時差出勤・通学が行われて利用者が大きく減少しており、こうした社会の仕組みが大きく変化した後の利用状況の把握や、新たな乗車ニーズの掘り起こしが私たちの課題となっています。

バス事業者におけるコロナ禍の影響

「新しい生活様式」と言われ始めて、社会の仕組みが大きく変化した一つに「テレワークによる在宅勤務の普及」があります。これによって通勤が毎日から週数回となり、お客さまの乗車人数が減って、バス事業者の経営状況は非常に厳しくなっています。


経営状況が厳しい要因として、「3密回避」のため一律に減便することができないこと、そしてお客さまの乗車需要が減っているにもかかわらず、エッセンシャルワーカーを含む市民の足を守るために運行の継続を求められていることが挙げられます。また、バスの運行では、運転士、バス車両や軽油が固定費として原価構成のほとんどを占めており、運行における収入がお客さまの数に比例して減少しても、バスが走行する限り支出は減少しないことに原因があります。

実証実験でニーズを見極め、バス路線を最適化したい

今回の実証実験では、バス路線を最適化するため、お客さまが、いつ、何人、どこからどこまで乗車したかを数値化したバス乗降人員データ(以下、「ODデータ」)を分析します。
分析の結果、お客さまへの影響が少ないバスの運行区間を抽出し、路線の短縮や運行を取りやめるなどして、支出を削減するための対策を決定します。

ODデータの取得方法

市バスは、均一運賃制を取っていることから、乗車時に料金を支払って、降車時に精算することなく下車できるため、乗車時にICカードを料金箱へタッチしたデータしかなく、いつ、何人、どこで降りたかは分からない状況にあります。また、乗車扉と降車扉に赤外線センサーを設置して乗降者数を取得していますが、それらは紐づいておらず、ODデータを作成することができません。

そのため、AI技術による画像認識システムを活用できるカメラをバス前方扉付近や後方扉付近に設置し、人物特定に必要な画像を取得して、乗車時と降車時の画像を突合させ、そのデータの時間、場所からODデータを取得する方法を想定しています。

必要なAI技術による画像認識システム

AI技術による画像認識システムは、昼夜を問わず認識できる高い画像処理技術があり、人物を突合する際は、後ろや横を向いた映像でも照合できる画像分析技術が求められます。その理由は、乗車時にICカードを料金箱へタッチした数値に対して、画像認識システムによる突合数が大きく異なる場合は、ODデータの信用性が低くなってしまうので、認識率は実証の成否を決定するうえで大きなファクターとなります。
また、画像認識システムにより取得した画像は、ODデータとして蓄積できた時点で消去するなど、個人情報保護への配慮を行う必要があります。

さいごに

これまで、均一運賃制を取っているバス事業者は、乗車時にICカードを料金箱へタッチしたデータしかなく、ODデータを取得したくても取得できませんでした。また、2タッチ制を導入している乗合バスのように降車時にもタッチするルールを決めたとしても、お客さまにとっては意味のない行動(タッチ)であることに変わりなく、ご理解を得られないことが推測されます。
もし、AI技術による画像認識システムを活用することによりODデータを取得することができれば、多くのバス事業者は乗車需要に合わせて運行路線等を編成することができます。また、交通系ICカードの乗車記録をODデータと紐づければ、乗り換えを含めた人の流れをつかむことも可能になります。
私たち名古屋市交通局は、市バスを社会フィールドとして、皆さまが開発されたAI技術による画像認識システムを実証していきたいと考えています。システムづくりに必要となる話し合いを重ね、これまで「ODデータは取得できない」と片づけていたバス事業者の常識を覆す、あっと言わせるような新しいシステムづくりを一緒にチャレンジしましょう。

皆さまからのご提案を心よりお待ち申し上げます。

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Outline

背景 コロナ禍でお客さまの乗車ニーズが減り、交通事業者の経営状況が非常に厳しくなっている。
交通事業の継続のため、お客さまのニーズに適したバス路線を設定する必要に迫られている。
課題(詳細) 市バスは均一運賃制を取っており、乗車時に運賃を支払って、降車時の運賃精算がないため、乗車時にICカードを料金箱へタッチした数値しかない。また、乗車扉と降車扉に赤外線センサーを設置して乗降者数を取得しているが、それらの2つのデータは紐づいておらず、ODデータを作成することができない。
そのため、バス路線の見直しを検討するのに必要な基礎情報が足りず、適切なバス路線の設定ができない。
求める解決策 AI技術を活用した画像認識システムにより人物特定に必要なデータを取得する。乗車時のデータを既知データとして保持しつつ、降車時のデータをそれらと突合させ、突合できた人物について乗降記録を蓄積する。
なお画像認識システムにより取得したデータは、乗降記録を蓄積できた時点で消去するなどして、個人情報保護への配慮を行う。
想定する実証実験内容(詳細) ・利用路線:基幹1号系統又は高速1号系統
・カメラ設置期間:2~3日(要相談)
・台数:1~2台(要相談)
・協力体制:バス車両の電源(24V)を提供します。なお、運転士によるシステム機器の操作はお受けできません。
・カメラ設置場所:バス車内の2個所
・(注)ドライブレコーダーのカメラは交通事業に使用しているため、実証実験のシステムに接続することはできません。
実証実験成功後の発展性 取得したODデータが認識率の高いものであれば、東京都を始めとする主要都市の公営交通事業者が参加する会議において事例を紹介する。
提案企業に求める専門性 高い精度の画像認識システムを有していること。(顔が斜めを向いていても、耳の位置、服装などにより情報を補強して認識ができることが望ましい。)
プロジェクトの進め方打合せ方法 週1回〜隔週程度の打合せを想定(オンラインも可)
フィールド(市バス)を使った検証が可能なので、テストを早い段階から実施可能。
現場で実証を繰り返しながら精度を上げていきたいと考えている。
提供可能なデータ・環境等 ・市バス時刻表
・乗車人員データ(料金箱の利用者数を確認できます。)
・バスロケーションシステム(バス停の通過時間を確認できます。)
・バスデータ収集システム(乗車扉、降車扉の通過数を確認できます。)
・バス車載用AIカメラの設置スペース(車内電源24Vを含む。)
・ドライブレコーダー映像(個人情報保護の条件を満たした場合に限ります。)
プログラム終了後の本格導入 実証実験の結果をふまえ、本格導入のため検討を行う。

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