Urban Innovation JAPAN


応募終了

岡山市 文化振興課

文化芸術と市民の距離を縮めたい!~多角的なアイデア募集中~

採択企業
株式会社ARTEE

Point

解決したい課題

本市では、「おかやま国際音楽祭」や「岡山市芸術祭」など、文化芸術事業を実施しているが、文化芸術活動を行っていないと答えた人は8割以上で、暮らしと文化芸術の距離が遠い。

想定する実証実験

・関心が薄い層にもイベント情報を発信できるツールづくり
・市民が参加したくなる仕掛けづくり
・若手アーティストを巻き込めるオンラインイベントづくり

Story

文化芸術は身近にある、生活に根ざすもの。

「文化芸術振興基本法」は、2017年に「文化芸術基本法」として改正され、文化芸術の多様な価値や力が明記され、文化芸術は「自己認識の基点」から「世界平和の礎」までに繋がる重要なものとして、他分野との有機的な連携とともに、継承・発展させていくべきものとされました。

 上の文章を読むと、「なんだか難しいな…」と思うかもしれませんが、本来、文化芸術はもっと身近なものです。衣食住は文化ですし、近所には多くの文化財が暮らしに溶け込んでいます。学生の頃に「音楽」「美術」などで芸術にも触れています。レベルの差こそあれ、みんな文化芸術に関わって暮らしているのです。

新劇場オープン、芸術祭リニューアルで機運が高まっています!

 岡山市では、市内の文化施設である「岡山市民会館」と「岡山市立市民文化ホール」の耐震性や老朽化の問題から、新たに「岡山芸術創造劇場」を整備しており、2023年9月にグランドオープンを迎えます。新劇場は、これまで貸館事業をメインとしていた既存施設とは異なり、幅広い世代の方々が気軽に訪れ、交流し、コミュニケーションが図れ、新たな賑わいを生み出し続ける文化・芸術の発信拠点としての役割が期待されています。現在、その開館に向けて市民の機運醸成を図るための様々な事業を行っています。

また、新劇場の本格始動の時期を前にして、2022年4月には「岡山市文化芸術基本条例」を制定し、「多様な文化芸術の創造と享受は市民の生まれながらの権利」と定め、より一層の市内文化芸術の振興を謳いました。その一環として、これまで岡山市の文化芸術事業の両翼を担ってきた「おかやま国際音楽祭」と「岡山市芸術祭」を統合することで発信力を高めるとともに、より多くの方に楽しんでいただける祭典へと発展させていこうとしています。

 ほかにも「坪田譲治文学賞」と「市民の童話賞」を軸に、文学を活かしたまちづくりも進めており、創造性を核とした都市間の国際連携である「ユネスコ創造都市ネットワーク」の文学分野への2023年の加盟に向けて、各事業をより一層推進していくこととしており、まさに今は、将来のための新しい種をまき、育てる時期なのです。

2023年9月にオープン予定の岡山芸術創造劇場(イメージ図)

もっと多くの人に関わってもらいたい!

 統合しようとしている「おかやま国際音楽祭」と「岡山市芸術祭」ですが、昨年行った「文化芸術に関する市民意識調査」によると、「おかやま国際音楽祭」の認知度が66.4%、「岡山市芸術祭」の認知度が34.1%となりました。また、今までに参加した(行った、鑑賞した)ことがある割合は、「おかやま国際音楽祭」14%、「岡山市芸術祭」10.7%で、約30年続いてきた音楽祭、約60年続いてきた芸術祭なのに、十分に浸透しているとは言い難い状況です。

 意識調査では、過去3年間(コロナ前含む)で何らかの文化芸術活動(ボランティアスタッフ、習い事、自宅での活動)をしたかの問いに対して、80%を超える方々が、「何も活動しなかった」との結果もありました。

 特に、「岡山市芸術祭」は市民誰しもが活動の成果を発信・表現できるイベントです。60年間も続いており、毎年多くの団体に参加してもらってはいますが、認知度の低い状況が続いています。

そこで、「もっと多くの人に関わってもらいたい」「何か新たな仕掛けは出来ないか?」「 行政内部以外のアイデアも聞いてみたい!」、そう思ったのが始まりです。

2021年度に行った岡山市文化芸術市民意識調査の結果

考えをシンプルに、みんなが楽しめる仕掛けを作れないか!?

 文化芸術のカバーする領域は非常に幅が広く、それぞれの分野は細分化されており、その専門性も極めて高くなります。また、人によって関わる度合いが異なるため、同じ分野でも関心があるレベルが異なります。そのため、全ての市民が満足するものは、即時には到底実現できません。

 例えば、コロナ禍での文化芸術を支える取り組みとしてオンライン配信イベントを行いましたが、準備期間の短さや広報面での不慣れもあって視聴数は伸び悩みました。世界を対象とできる発信ツールがかつてない程に身近になったのに、今までと異なる専門知識が多方面に必要なこともあり、新たなオンラインイベントに向けた検討も難しく感じています。

 そこで、もっとシンプルに今の事業をよりよくするために、どうするかを考えたところ、まずは①関心が薄い層にももっと知ってもらう工夫はないか、次に②もっと市民に参加してもらえるような仕掛けは作れないか、最後に③地域のアーティストやクリエーターの活躍に繋がるようなアイデアがないか、という視点で整理しました。それぞれの視点は全く分離しているわけではなく、どれかが成功することで、他の視点にも相互作用し合い、事業全体に好循環を生み出すものだと考えています。

2021年度のおかやま国際音楽祭の様子

一緒に岡山市の文化芸術を盛り上げましょう!

 色々なことを書きましたが、私たちもはっきりとこれがしたい!というイメージが出来ている訳ではありません。今後の展開も見通しにくい状況であり、職員の知識や活用イメージも十分に整っていませんが、幅広い提案をいただき、今後の事業展開についてじっくりと話し合い、協働関係を築いていきたいと考えています。

「歴史と文化が薫り、誇りと一体感の持てるまちづくり」の実現に向けて、一緒に取り組んでくださる方を募集しています!

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Vision

実現したい未来

アーティストやクリエーターとして発展できる機会を作り、多くの市民に文化芸術を身近に感じてもらえること。

得られるもの

グローバル化が進み、ここ数年で文化芸術の生み出す価値がより重要になっているため、職員や関係者とともに新たな可能性やニーズの開拓に携わることで事業の横展開や他分野に応用できるノウハウを得ることができる。

Outline

背景

2017年に成立した文化芸術基本法では、文化芸術はそれ自体の固有の本質的な意義や価値、力を有するだけでなく、社会的・経済的価値も有し、持続的な経済発展や国際協力の円滑化の基盤になるものとされ、観光やまちづくり、国際交流、福祉、教育などの関連分野との有機的な連携が求められるなど、ますます重要性が高まっている。

一方で、少子高齢化やグローバル化、情報通信技術の急速な進展など社会状況が著しく変化する中で、人々の趣味嗜好も多様化・細分化し、従来型事業の展開による関係人口の拡大が見込めなくなってきている。

2023年の「岡山芸術創造劇場ハレノワ」の開館を機に、既存の文化芸術事業の再構築を進めている今、新たな発信力や浸透力、企画力を得るためのアイデア、ヒントを考え模索したい。

課題(詳細)

1.市民と文化芸術の距離が遠い
2021年度に実施した岡山市文化芸術市民意識調査の結果では、文化団体や市民グループの発表の場、市民に文化芸術に触れていただく機会として60年間続く「岡山市芸術祭」の認知度は34.1%、イベント等に参加したことがある人は10.7%。

なお、同調査では3年間のうちに一度も文化芸術活動(習い事や自宅での活動を含む)を行っていないと答えた人は8割以上で、暮らしと文化芸術の距離が遠い現状にある。

2.市の施策と市内のアーティスト・クリエイターがうまく繋がっていない
市内のアーティストやクリエーターの活躍の場となるようなイベントの実施や、アーティスト間の連携の促進に繋がる仕組みの構築ができていない。

3.アーティストの支援につなげたい
活躍の場を求めるアーティストやクリエーターには、経済的な支援や活動の場の提供などが必要であるが、行政による支援だけでは難しい側面がある。これまでこれまでの取り組みでは、支援者との繋がりを作れるような機会にはなっていない。

転換期を迎える今こそ、上記の解消に向けた取り組みを検討していきたい。

求める解決策

すべての課題の解決に繋がるアイデアやイベントでなくても、いずれかの課題の解決に有効と考えるアイデアとその実現に向けて協力していく仲間がほしい。ツールや技術について特に指定はない。

◇市民の認知度向上のため
→認知度を関心が薄い層にもイベント情報を発信できるツールづくり
事業例)
・「誰でも情報が手に入る!こんなイベントあったんだ」SNSを高度に活用したイベント発信事業
・「次のイベントも見に行こう!目指せコンプリート」アンケート機能と連動したスタンプラリーアプリの活用事業

◇市民の参加(鑑賞や発表)を促進するため
→市民が参加したくなる仕掛けづくり
事業例)
・「あなたの地域から発信を!文化芸術イベント開催を強力サポート」地域が主体となって行う文化芸術イベントの企画運営をサポート会社とのマッチングシステム活用事業
・「発表の場が夢の舞台に!ライブ演奏の後は疑似ライブ」市民の発表の機会である生演奏を録画・編集し、ヴァーチャル空間(国立競技場など)でのライブ風アーカイブ配信事業

◇市内のアーティストやクリエーターの活躍の場を創出するため
→若手アーティストを巻き込めるオンラインでのイベント企画
事業例)
・「今すぐこのアーティストを応援したい!ライブ中でもデジタル投げ銭」公演出演者や作品展示者に対して、「いいね!」と思えばデジタル投げ銭ができるアプリの活用事業
・「岡山の今を集結!きらりと光る次世代を発掘」若手アーティスト作品を展示するためのICTを活用したデジタル美術展開催事業
・「A(アーティスト)×S(サポーター)!共に羽ばたくチームでイベントを作る」市内のアーティスト・クリエーターと応援する人たち(スポンサーやイベント発注者)を結び付け、活躍の場に繋げるマッチングシステム活用事業

想定する実証実験内容(詳細)

情報発信、仕掛け、イベントなどの施策を市民向けに一定期間実施し、アンケートや参加者数などの指標をもって、その有効性を検証する。

仕掛けづくりに関するアイデアの場合は、芸術祭内での開催を検討予定。

実証実験成功後の発展性 ・有用なツールやアイデア、仕掛けについては、次年度以降の事業展開に組み込み、さらなる効果を生み出すための工夫を検討していく。
・他の行政機関でも文化芸術イベントを行っているところは多く、企業や財団法人等の同じ課題にも適用できるため、横展開が見込める。
・文化芸術に限らず、イベントや地域の祭り、興行などニーズは膨大である。
提案企業に求める専門性 ・それぞれの事業に適したツール、SNSなどに関する豊富な知識・経験
・それぞれの事業実施に必要な法的な知識(著作権など)
・アーティストやクリエーターを呼び込めるような関連業界知識
プロジェクトの進め方打合せ方法 目標設定や想定される活用ツールも十分に検討できている状況ではないため、提案に応じて丁寧な情報共有をしていきたい。Zoomミーティングも可能な限り対応。
提供可能なデータ・環境等 これまでのイベント実績や広報活動資料、アンケート結果など
プログラム終了後の本格導入

現行の文化芸術事業(負担金など)の予算から、提案内容に応じた費目を活用しての導入を検討。

また、他にも文学をつくったまちづくりなどの動きもあり、アイデアに応じて継続するための方法を検討予定。

選考基準・スケジュール・よくある質問など

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