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春日井市 消防本部

時代遅れの在庫管理を改善!消防資器材の在庫管理をデジタル化し、業務効率化を実現したい!

採択企業
株式会社ZAICO

Point

解決したい課題

救急資器材の在庫管理や請求管理等を紙ベースで行っているため、死蔵や過剰在庫、在庫不足が発生したり、集計や棚卸しに時間がかかっている。

想定する実証実験

在庫管理システム導入前と比較し、在庫管理ミスが減ったか、業務が効率化かできたかなど、効果を検証する。

Story

集合写真

全国の消防職員は、在庫管理の問題に頭を悩ませている

全国の消防職員の困りごとである救急資器材の在庫管理。
在庫管理や請求管理を紙ベースで行っているため、昨年度はいくつ足りなかったのか?いくつ余ったのか?ということを効率的に集計することができず、長年の経験則に頼るしかないのです。

その結果、どうしても死蔵や過剰在庫が出てしまっている状態が続いています。また、わたしたち春日井市と同じような問題を全国の自治体が抱えています。一つの市には消防署・出張所が多数あり、それぞれの在庫数把握がお互いにできていないのです。

私たちがどのような在庫管理を実現したいのか。それは、病院で行っている在庫管理に近いものがあります。ある1か所に在庫を抱え、各フロアや各課からの請求・要望に応えていくという形です。

消防署では、救急資器材の在庫管理だけでなく、予算も担当しています。つまり、何をいくつ購入するのかも消防署で決定します。出先機関である各出張所は、自分たちだけの在庫を管理し、消費した分や期限が切れそうなものを請求します。

現時点では、各出張所は、自分たちがいつ何をどれだけ請求したのか?というデータを保存できていません。紙ベースで直近のものを残しているだけです。そして、消防署では、請求のあった物品を紙ベースで保存していますが、データ化できていないため、集計に時間を要します。

また、消防署にある保管庫から物品を調達する際は、何をどれだけ出したか、紙ベースやExcelデータに入力する必要があるのですが、複雑かつアナログな管理であるため、人為的ミスを誘発し、月末時に行う棚卸の際に個数の差異がどうしても出てしまっている状態です。

保管庫

既存の在庫管理システムの問題

「病院のように在庫管理したい!」と思い、病院で使われている「院内病院管理システム(SPD)」について調べた消防本部は少なくないはずです。私たちもその消防本部の一つでした。

しかし、SPDを導入するためには、「お金」という途方もなく高い壁にぶち当たります。ほとんどの消防本部(中小規模)は、その壁を壊せず、無事、導入にたどり着いたのは、東京や大阪といった大規模な消防のみでした。

その後、SPDを導入できなかった中規模程度の消防本部は、試行錯誤を繰り返しますが、最終的には手作業での集計、簡易なExcelを使用したデータ管理、電話連絡や紙ベースでの請求・納品管理に落ち着くのでした。

しかし、毎年、予算を計画する際に悩み、月に何度も在庫調査を実施し、棚卸をする度に在庫数が合わないことに落胆します。毎月のように使用期限が切れる物品調達・請求・回収に追われ、いったいどこの出張所が何を何個持っているのか、毎月どれぐらいのペースで使用しているのか、ぼんやりとしかわかっていません。

救急出動の合間を縫って、ある程度Excelを勉強し、やっとの思いでExcelを活用した「在庫管理システム」を構築しました。ですが、システムエンジニアでも何でもない消防職員が作成したExcelには限界があります。度重なるエラーや、今でも必要とされる紙ベースで管理しているデータとの複合… 。やはり、上手くいきませんでした。複雑な数式は、誰にでも入力できるものではなく、「在庫管理を簡単に!誰でも可能!」とは程遠いものでした。

申請書類

より効率的な在庫管理を実現したい!

もし在庫管理をデジタル化できれば、請求する側の出張所のデータも管理することができ、またどこの出張所が何をどれだけ、どのぐらいの頻度で請求しているかも把握できるので、予算計上する際にも大変重要な指標をデータ化することができます。

また、リアルタイムでの在庫管理が徹底されるので、不毛な在庫調査をする必要も無くなるはずです。さらに、春日井消防全体で在庫数もわかるようなシステムにすれば、無駄な請求や、無駄な廃棄も少なくなります。それに加え、在庫を管理するための時間も今では想像できないぐらい、削減できると考えています。

わたしたち春日井消防が必要としているシステム、困っている原因というのは、日本全国の消防本部に当てはまります。その中でも、救急隊の在庫管理については、お金で解決するSPD以外、いまだに新たな解決方法が見いだされていません。ここで、全国初のパイオニアになることができたのならその後の可能性も広がります。

そのためには、認知を広める必要がありますが、消防には独自のネットワークがあり、本当に良いシステムが完成すれば、全国的に注目されることが予想できます。

具体的な方法は、東海地方の消防で配布・閲覧されている会報での発信や、全国規模の会報での情報発信。その他には、消防が行う全国シンポジウム等でのプレゼン発表など。このような方法で、全国規模に認知させることができるからです。

今、日本の消防が悩んでいる問題を解決する時が来ました

今年は新型コロナの影響で、ただでさえ上手くいっていない在庫管理が、崩壊しかかっています。なぜなら、感染防止の徹底を図るために、再使用可能な資器材を単回使用後に廃棄するようになったからです。

感染防止に関係する資器材の使用数は、例年と比べ異常な数となり、毎勤務、使用数の確認・現在庫数の徹底管理把握が必要となり、消防職員のコロナ渦でのストレスはピークを迎えています。

「感染するかもしれない」という思いを抱きながら出動し、消防署へ帰ったあとは、在庫管理を「アナログ」で 「手作業・人海戦術」で行っているのです。民間では、アナログで管理する時代は終わってるというのに。

日本の自治体は、民間企業よりも間違いなく遅れています。わたしたち消防職員にデジタル管理をさせてください。どうかよろしくお願いします。

集合写真
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Vision

実現したい未来

在庫管理システムの構築後、死蔵や過剰在庫数、購入するべき時期・数量の分析ができるようにし、数年後には効率的な在庫管理が実現できるようにしたい。

得られるもの

消防の世界では、新しい取り組みを全国に披露する場所が多々あり、良いシステムは全国規模で認知される可能性がある

Outline

背景 以前から救急資器材の在庫管理は、死蔵・過剰在庫、使用期限切れが多く、救急業務と並行して実施しているため、不備が多かった。今年度は新型コロナウイルスの影響により、感染防止が徹底され、普段は再利用するものを単回使用で廃棄しており、例年よりも在庫不足が顕著に表れ、早急に解決するべき大きな課題となった。
課題(詳細) 消防署だけでなく各出張所を含めた在庫把握、請求や払出し数のデータ管理を現在は紙ベースで管理している。
以前、同じような業務の在庫管理システムとして知られる「院内病院管理システム(SPD)」の導入を試みたが、病院向けに作られたものであり、中小規模の自治体にとっては、非常に高価で導入が難しい。中小規模の自治体でも導入できる価格帯で、かつ使いやすく消防資器材に適した在庫管理システムを構築したい。
求める解決策 タブレット端末機を活用した在庫管理システムの構築。
・本庁に加え、出先機関の在庫(保有数、使用期限)の把握、使用頻度の把握
・今年度の使用数を鑑みた来年度に購入するべき数の予測
・請求・払出しデータの一括管理
・過去のデータ検索や納入数の評価
ただし、協議の上、機能に優先順位をつけて開発していくことも可能。
想定する実証実験内容(詳細) 本システムの導入前と導入後で、死蔵や過剰在庫、在庫切れ等の解消、棚卸し等在庫管理にかかる時間の削減など、効果検証を行う。
実証実験成功後の発展性 在庫管理システムが成功した後は、他の事務業務の移行を検討する。また、在庫管理に頭を悩ませている消防本部は多く存在するため、シンポジウムでの発表や会報で認知を広めることにより、数多くの消防本部が導入の検討する可能性がある。
提案企業に求める専門性 在庫管理システムの構築に精通していること。
プロジェクトの進め方打合せ方法 基本的にはオンライン会議を実施を予定しているが、適宜必要な場合は対面による打ち合わせを実施する。
提供可能なデータ・環境等 現在管理しているエクセルシート。
プログラム終了後の本格導入 令和3年に予算計上、令和4年に導入予定。

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