Urban Innovation JAPAN


応募終了

富谷市 農林振興課

市民のニーズを把握し、農福連携も兼ねた、新しい市民農園を開設したい!

採択企業
株式会社アグリンクス

Point

解決したい課題

市民が楽しく野菜づくりに触れられ、担い手不足や障がい者の就労支援など農業と福祉の両方の課題を解決する市民農園を作りたい。

想定する実証実験

市民農園に対する市民ニーズを知るとともに、イベントなどを通じて農福連携の可能性を検証する。

Story

市内の農園の概要・利用状況について

富谷市は、地の利を活かした都市近郊型農業による農業の発展を目指して、都市住民と農村地域との交流を図りながら、農業振興や農地の活用などの施策を行ってきました。そのうちの一つがレクリエーション農園事業です。

レクリエーション農園事業は、農家が利用者に農地を貸す場合(「農園利用方式」という)、市が農家に対して利用者の募集や土づくりの支援を行って、貸し農園を推進しつつ、市民の利用を促進する事業です。

現在、レクリエーション農園は、25箇所あり、市民のみならず、市外の方も利用しています。

1区画約30㎡に区画割した農地の1区画あたりの年間使用料は5,000円と、民間の貸し農園と比べても利用しやすくなっていています。2022年4月現在で、市内にあるレクリエーション農園25箇所の総区画数は546区画あり、183人で387区画が利用されています。

レクリエーション農園 2022年度利用実績

農園の高い離脱率・・・

実は、このレクリエーション農園は、年々利用者が減っています。その原因は、大きく2つあると考えています。

一つは、レクリエーション農園には、教えてくれる人が常にいるわけではないという点です。農園主がいれば、利用者に栽培方法を教えてくれるものの、常駐しているわけではないため、野菜作りの基本的な知識や必要な道具も分からず失敗に終わり、野菜作りを辞めてしまうというケースも見受けられます。

もう一つは、以前までは高齢者の方々が趣味の一環として野菜作りを始め、長年にわたって自分の作りたい野菜を栽培していたものの、高齢者自身の高齢化が進むことにより、野菜を作ることができなくなってしまうことも原因の一つだと考えます。もっと多くの方に、より長く、野菜づくりを楽しんでもらうにはどうしたらよいのか。

私たちは、これまで農園主による利用者との交流の依頼や野菜づくり講習会等の施策を実施してきました。

しかし結果は、うまくいきませんでした。

初心者にも優しい市民農園を作りたい

実は、レクリエーション農園とは別に市民農園という形態があります。

これは、自治体や企業が農地を買い上げ、利用者が利用する農園には野菜作り用の道具を整備したり、休憩施設のほか、イベント等で使用するバーベキュー施設等を整備した農園です。誰でも気軽に野菜作りを始めることができ、且つ利用者ぐるみでイベントを楽しめます。新型コロナウイルス感染拡大を受け、外で気軽に楽しめる趣味・娯楽への需要が高まり、市民農園がメディアにも多く取り上げられたことにより、市民の関心もより高まってきていると考えます。

富谷市でもこの市民農園を整備したいと考えています。

市民農園の可能性〜農福連携

利用者が利用しやすい市民農園づくりはもちろんですが、私達はもう一つトライしたいことがあります。

それは、市民農園を、障がい者のみなさんにとっての農業就業のきっかけの場とすることです。

実は、障がい者のみなさんは、農業全般における土づくりから肥培管理、収穫、出荷調整という一連のすべての作業を行うということが困難であるという課題があります。そこで、市民農園を通じて様々な障がい者が、その障がいに適した部分だけの作業等習得をすることで、こうした課題を解決できますし、一般の農園利用者にとっても障がい者との交流の場として、障がい者と接することによる障がい者の理解や福祉意識の向上に繋がるメリットがあると考えています。

市民農園開設のために実証したいこと

ただ、ここまでは、我々農林振興課の妄想でしかありません。市民農園を作るには大きな費用もかかりますし、必要な機能の洗い出しも必要になりますし、そもそも本当にそんな利用者ニーズがあるのかも確認する必要があります。

今回の実証事業では、その仮説検証の方法も含めて企業からの提案を募集します。

例えば既存のレクリエーション農園をつかった農福連携のイベントを開催するなどして、利用者ニーズを聞くなどが想定されますが、それに捕らわれず幅広い提案をお待ちしています。

今回の取り組みは、日本が抱えている農業や福祉における問題点の解消にも繋がるきっかけになると思います。

そんな街づくり、社会づくりを一緒にしてみませんか?

私たちと一緒に、明るい未来を目指しましょう!

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Vision

実現したい未来

市民及び障がい者など、多世代、多属性の方が交流する場をつくりたい。
富谷市ならではの農福連携モデルをつくりたい。

得られるもの

農福連携を兼ねた市民農園というものは全国的にも類を見ないため、メディア等注目度が高い事業であると言える。

Outline

背景 ・現在市内には米の生産調整による休耕田の有効活用策として始めた「農園利用方式」のレクリエーション農園が25箇所あるが、利用者の高齢化等に伴い、利用者数が減少傾向にある。
・新型コロナウイルス感染拡大により、外出自粛や在宅ワークが増えたなか、外で気軽にできる市民農園が全国的に流行したということもあり、誰でも気軽に野菜作りができる市民農園の需要が高まっている。
・レクリエーション農園を新たに利用したいと思っても、野菜作りの知識もなく道具も揃えていない人にとっては、始めるハードルも高く、また始めたとしても農園の利用が継続しない傾向にある。
・こうした状況から、初めての方でも利用しやすい設備や指導者の揃った新たな市民農園の開設を検討している。
・日本においては障がい者の雇用問題及び農業の担い手不足解消を目的とした農福連携の取り組みについて推進されているところではあるが、富谷市において、障がい者に向けた就労系福祉サービスを提供できる事業所が5箇所あるうち、農作業ができる事業所は1箇所しかないため、障がい者の雇用問題と農業の担い手不足を解消することを目的とした農福連携の取り組みを実践できる場が少ないと言える。
課題(詳細) ・市民農園を新たに開設するうえで、本当にニーズがあるのか。どういった農園を、市民が求めているのか把握できていない。
・開設場所の選定も難しく、都市隣接地が良いか、農村地域の緑豊かな地域が良いのか等判断できない。
・障がい者の雇用問題の解決として、担い手不足が懸念されている農業と連携し、障がい者の就労支援の手助けとなる施設を作るなど、地域共生社会の実現に向けた取り組みとして、農福連携を推進していきたい考えではあるが、農福連携を兼ねた市民農園というものは現状全国に展開しておらず、事例等も見受けられないため、開設する市民農園の全体像がはっきりしていない。
求める解決策 市民のニーズを知りたい。市民農園のイメージを関係する人たちと合意形成したい。
対象のイメージ
・若者から高齢者まで幅広い世代
・今レクリエーション農園を利用している方もそうでない方
・障がい者支援施設
・障がい者(当事者およびその家族)
想定する実証実験内容(詳細) ・インターネットを活用するなどして、市民に対してニーズ調査を行い、市民が求める市民農園の調査を実施。(SNS活用や住民合意形成のプラットフォームの活用などをイメージ)
・全国的にも、市民同士の交流を深めるためのイベントを開催している市民農園も多く、ニーズ調査の結果としてもイベントがある市民農園を求める声が多いと思われるため、市内のレクリエーション農園の利用者を対象に、交流を深めるためのイベント(芋煮会等)を開催する。(農福連携の観点から、市内の福祉施設の利用者を交えた交流会等も検討。)
実証実験成功後の発展性 ・市民のニーズに合った市民農園を把握することにより、新たな市民農園像を描くことができる。
・住民合意形成を促すツールであれば、その他の施策にも展開ができる可能性もある。
提案企業に求める専門性 ・農業の知識、福祉の知識を持っていること。
・農業や福祉に絡めたイベント等の企画ができること。
プロジェクトの進め方打合せ方法 週1回程度の打ち合わせ。
できれば現場視察も。
提供可能なデータ・環境等 ・現在市内に点在しているレクリエーション農園の詳細(利用者数、区画数等)

プログラム終了後の本格導入 有効性が確認できた場合、市民農園の新規開設に向けた予算化を目指す。

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