Urban Innovation JAPAN


応募終了

阿武町 健康福祉課

聴力の弱い方ともスムーズな意思疎通ができる相談支援ツールの開発

Point

解決したい課題

職員も聴覚障害者もお互いに内容をうまく伝えることができず、もどかしさを抱えている。聴覚障害者との円滑なコミュミケーションが取れるようなしくみづくりに取り組みたい。

想定する実証実験

聴覚障害者とのコミュニケーションツールを試験的に導入し、聴覚障害者の方がどういったサービスを求めているのか、相互に理解できたかを検証する。

実現したい未来

職員も聴覚障害者もストレスなく、コミュニケーションを図り、円滑な窓口業務で行政サービスの満足度をアップしたい。

得られるもの

聴覚障害者の情報伝達支援は、行政窓口に限らず、あらゆる場面で必要となるものである。全国的な需要が見込まれる。

Story

ある夫婦の転入

 阿武町(あぶちょう)は、山口県北部に位置する人口3,300人の小さな町です。美しい海と緑の山々に恵まれ、農林水産業で栄えた町ですが、高齢化率は50%に達しています。

 そんな阿武町に、生まれつき耳が聞こえない聴覚障害をもった夫婦が町に転入してきました。若者の定住促進を目指している、町にとってはありがたい話ではあるものの、意思疎通は想像以上に難しいものでした。

 職員の聴覚障害者に対するノウハウが分からず、聴覚障害者の方が窓口に来ても、お互いの伝えたいことが伝わらず、何度も出直してきてもらうこともありました。筆談等で煩雑な行政サービスの説明理解してもらうのは限界があり、住民の福祉サービスの向上を謳っているも、本当にサービスを必要としている住民の「声」を聞くことも伝えることもできませんでした。

 この先この家庭がこの町で暮らしていくためには、行政との関わりを断つことはできません。住民の心の声を聞くことが、この家庭が町とつながり生きていくための力になるのだと強く感じました。

相談の意思疎通の難しさ

 行政としてどんな支援ができるかを検討するには、相手の方の状況よく聞いて理解することが大事ですし、様々ある支援制度の違いを説明するのにも、相手の方の理解度を踏まえて、説明の仕方を工夫する必要があります。どの制度を利用するかが決まれば、申請書など決まった様式に記入してもらうことができますが、そこに至るまでの相談が難しいのです。

 先に述べた通り、阿武町は、高齢化率が50%に達していて、聞こえが悪くなっている高齢者も多数いらっしゃいます。そのような方々とも、徐々にコミュニケーションが難しくなってきている現状もあります。行政のみならず地域の福祉を担う方々にとっても負担となることが予想され、聴力の弱くなっている方々との意思疎通は重要な課題となってきています。

年齢構成別人口および高齢化率の推移

福祉サービス向上のために

 そこで、今回シビックテックチャレンジでトライしたいことは、聴覚障害や聴力が弱くなっている高齢者などとのコミュニケーションを支援するツールの検証です。例えば、タブレットなどを活用して相談したい内容の伝達を補助したり、スマホやタブレットのカメラで手話を自動翻訳や職員の話した言葉も文字起こししたりするツールをイメージしています。

 こうしたツールを使って、もっと円滑にコミュニケーションできれば、行き違いや何度も出直すということがなくなると考えています。

 ここに挙げたのは一例ですので、他の方法も含めて様々な提案をいただけると嬉しいです。

小さい町でも諦めない

 これまでは、「小さい町なので…」「予算がないので…」という理由で、窓口の本当に必要としている「声」を聞き取れなかったように思います。しかし、様々な社会問題が顕在化する中、小さい町だからといって諦めず、技術をうまく活用して、課題を乗り越えていきたいと考えています。できる限り課題を積み残すことなく、次の世代に町を継承していきたいと考えています。ぜひお力を貸してください。ご応募お待ちしています。

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Outline

背景  庁内には聴覚障害者の手帳を持つ人が13人いらっしゃる。
障害者手帳を持たないが、聴力が低下している方も少なからずいらっしゃる。
課題(詳細) 窓口で聴覚障害者の方の相談を受ける際に、細かい情報が伝わりにくい。
FAXやメール、LINEなどを使用して相談を受けているが、正しく理解されたかどうか不安になることが多い。
手話であれば手の動きや表情で即座に理解できることも、手話ができる職員もいない上、筆談では簡潔で的確な文章が咄嗟に書けなかったり、記述に時間がかかってしまう。
聴覚障害者でも手話を理解できる方ばかりではない。
求める解決策 ・「聞こえ」の程度に関わらず、コミュニケーションがスムーズにできること。
・聴覚障害者が、情報を伝えられること。
・行政側は、必要とする情報を正しく、的確、迅速に伝えられること。
想定する実証実験内容(詳細) 聴覚障害者とのコミュニケーションを支援するツールを窓口に試験的に導入し、聴覚障害者の方がどういったサービスを求めているのか、相互に理解できたかを検証する。
例えば、
・タブレットなどを活用して、定型的な手続きと非定型的な相談など、来庁者の目的や相談内容の伝達を補助するもの
・手話を読み取ったり、話す言葉を文字起こししたり、コミュニケ−ションを直接支援するもの
・来庁者が職員の説明を理解できたかどうか、確認できるツール
などを想定している。
実証実験成功後の発展性 各公共施設への設置。他の自治体の採用も期待できる。
提案企業に求める専門性 聴覚障害者の多様な特性についての知識
プロジェクトの進め方打合せ方法 オンラインでの面談も可
提供可能なデータ・環境等 データは特にありませんが、町役場の窓口を実証フィールドとして提供可能
プログラム終了後の本格導入 聴覚障害者の方にとって本当に必要とされるものであれば、本格導入に向けた予算化を検討する。

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