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山口県警察本部 交通企画課

交通事故分析にデジタルの力を!AIなどを活用した分析の第一歩を踏み出したい!

Point

解決したい課題

AIをはじめとしたデジタル技術の活用による、現場の分析作業の負担軽減、およびさらなる分析精度の向上

想定する実証実験

(1) 既存の交通事故データの分析
(2) 分析結果からの報告書作成レポートの支援 (生成AIの活用を想定)
(3)事故発生予測

Story

1.減らない、山口県内の交通事故

令和5年、山口県内において交通事故で亡くなられた方は、35人で平成30年以降6年ぶりに増加に転じたほか、人身事故件数や負傷者数等についても前年と比較して増加しています。特に、死者数に占める高齢者の割合は約6割を占め、依然として高水準で推移しているほか、次世代を担うこどもについても、164人が交通事故の被害に遭っており、少子高齢化が急速に進む当県においては、高齢者とこどもの交通事故防止対策が極めて重要となっています。

山口県内の交通事故

警察は公共の安全と秩序の維持に当たることをもってその責務としています。
長い期間で見れば交通事故発生件数や死者数は減少傾向にありますが、昨年は前年比で増加しており、警察においては不幸になる人を一人でも減らし、「交通事故の無い山口県」を実現させたいと考えています。

そのため、「交通死亡事故抑止総合対策の推進」として、

  • 高齢者の交通事故防止対策
  • 横断歩道の安全対策
  • 自転車等総合対策
  • 速度抑制対策
  • 反射材・ハイビームの活用促進

を重点対策に設定して、各種取り組みを通じて交通安全の呼びかけを行っています。

2.交通事故対策を支える交通事故データの分析

限られた警察力において交通事故抑止活動が合理的・効率的に実施できるようにするため、交通事故情報データを年間約2,000件集計し、そのデータを基に、年間・毎月と分析資料を作成しています。交通事故統計を用いた分析の結果は、交通事故抑止活動の方向性を決定するために用いられています。

(1) デジタルマップを活用した交通事故情報の公開

山口県警察として、デジタルマップを活用し、交通事故の発生場所を「見える化」することで、交通事故の未然防止に資する効果的な対策の立案が期待できると考え、現在「山口県オープンデータカタログサイト」に山口県内で発生した人身交通事故の発生日時、発生場所、緯度経度、天候、事故内容、死者及び負傷者数などを掲載し、これらの情報は、各分野での分析データとして活用できるようにしています。

また、同サイト内のデジタルマップ上に位置情報を表示させることで、事故多発交差点等を地図上で把握することが可能となっています。

県警ホームページ上にも、デジタルマップを活用した「山口県交通安全マップ」を掲載しており、交通事故情報のほかにも「自転車指導啓発重点路線」など、様々な態様の交通情報を表示させ、わかりやすくタイムリーな情報提供を行っています。

今後も、デジタルマップの活用はもとより、積極的な情報発信によって、関係機関と情報共有を図り、交通事故の未然防止に努めていきたいと考えています。

(2) 「山口交通安全メッセージ」の公開

デジタルマップを活用した交通事故の発生場所の「見える化」からさらに一歩踏み込み、交通安全に関する県民の意識高揚を図るため、居住地域と年齢層を選択し、次ページで運転状況を選択すると、約1万件の人身事故データの中から、選択した内容に応じたものを抽出し、交通事故の発生状況を視覚的に分かりやすい地図やグラフに変換して表示するほか、運転状況に合わせた交通安全に関するメッセージが表示させるため、データ可視化ツールであるTableau(タブロー)を用いて、県民ひとりひとりの運転状況に合わせた交通安全に資するメッセージが表示される「山口交通安全メッセージ」を作成し、県警ホームページ上で公開しています。

3.一歩進んだ交通事故分析、私たちと一緒にチャレンジしませんか?!

このように、交通企画課では毎月発生する交通事故データの確認作業、月毎のデータ集計、データ分析及び各種資料作りを行っていますが、日々の業務に忙殺され、現状では人力での分析が主流であることからも、分析業務も定型的な項目を用いた分析になりがちであり、これまで気づくことのなかった新しい特徴や項目ごとの相関関係を調べることは難しく、さらに、昨今の交通事故の状況からも、より精度の高い分析が求められている状況となっています。

まず今年度の実証では、下記の人力での分析業務へのデジタル導入となります。

(1) 既存の交通事故データの分析

  • 山口県オープンデータカタログサイト内、2019年(令和元年)~2022年(令和4年)での全事故データを使用
  • 人では気づけない細かな部分についての分析を望んでいる。
  • 交通事故のデータ以外との連携した分析を望んでいる。
  • 自動分析による分析時間の短縮を望んでいる。

(2) 事故発生予測

  • 個別の箇所に対して、事故の発生確率が高まることが予想される時間帯、事故類型等を予測でき、その情報をもとに巡回の強化等を行いたい。

(3) 分析結果からの報告書作成の支援 (生成AIの活用等)

  • 現場からは、報告書の文章作成も大きな負担となっているので、生成AIによる支援が望まれている

ただ、このデジタルを活用した分析の手法で、より細かな分析が行われれば、今後、より詳細な公開できないデータについても分析できるよう幅を広げ、山口県内で起こった事故データを活用して、AIによる自動分析もできるような分析基盤を考えています。
さらに、交通事故撲滅に向けた分析は全国各地の警察組織で行われており、事故に関するデータ型は全県統一されているため、今回の一歩進んだ分析は他県の分析担当者も関心を持つものになるのではと思われます。
ぜひ、このような取組み、思いに賛同いただき、私たちと共により良い山口の分析を行うサービスを作っていただけるような企業を募集します。

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Vision

実現したい未来

交通事故の無い山口県
(分析に基づいた道路設計(道路管理者)、規制、取締り(警察))

得られるもの

交通事故に関する統計情報は全国的に統一されていることから、他県への展開が期待できる。

Outline

実証支援金:最大50万円

1件(1課題)あたり50万円(税込み)上限

背景 県警の交通企画課では、実際起こった事故の特徴を分析し、その結果から事故抑止対策を策定してきた。
現在、分析の知見を持つ職員による人力での分析が主流であるが、更なる交通事故の減少を実現するため、より的確、精密な分析が求められている状況である。
課題(詳細) 人力により交通事故に関する全ての項目組み合わせの集計を行い、特徴、傾向を導き出すことは不可能である。
そのため、将来的にはAIをはじめとしたデジタル技術を活用することで、現場の分析作業の負担軽減とともに、さらなる分析精度の向上が、中長期的な課題として議論されている。
求める解決策

交通事故データをもとにした、交通事故の傾向・特徴分析の支援

想定する実証実験内容(詳細) 今年度の実証においては、まず現場の人力での分析業務をどれだけ負担軽減できるかを、主に下記の点から検証を行いたい
(1) 既存の交通事故データの分析
※県内すべて対象での分析が望ましいが、困難であれば対象地域は応相談
(2)事故発生予測
※既存の交通事故データの分析結果を基に交通事故の発生予測を行いたい
(3) 分析結果からの報告書作成レポートの支援 (生成AIの活用を想定)
※現場としては、報告書レポートの文章作成も大きな負担となっているので、生成AIによる支援が望まれている
実証実験成功後の発展性 ・他県警及び警察庁への展開、また事故予想の一般公開化等、成果の一般への周知を検討
・今年度の実証結果次第で、次年度以降、分析業務においてもAI等のデジタル技術を使った予測を検討
提案企業に求める専門性 分析および生成AIに関する専門性
プロジェクトの進め方打合せ方法 定期的な打ち合わせは、オンラインで実施可能
ただ、必要に応じて現場での確認・検証にきていただけることが望ましい
提供可能なデータ・環境等 位置情報を含む交通事故データは提供可能
プログラム終了後の本格導入 本格導入を目指し、予算要求を実施

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