Urban Innovation JAPAN


応募終了

神戸市 教育委員会事務局 総務部 教職員課

今までの概念を変えたい!従来型給与システムの刷新と大幅な経費削減

採択企業
株式会社Honeycome

Point

解決したい課題

既存のパッケージ製品は制度変更の際の対応に難がある。また過剰性能となっており、高価。先進的な技術を用いて新たな給与支給の仕組みを作りたい。

想定する実証実験

現行作業の分析と効率化のためのツールの試作。試行とフィードバックを繰り返すことによるアジャイル開発を行う。

Story

集合写真

元気があれば、なんでもできる!

わたしたちは、市立の小学校や中学校の先生に給料を支払う仕事をしています。給料は毎月決まった日に振り込まなければいけません。社会保険や税金などの引き去り額も計算して、差し引きして、口座に振り込んで・・・。年度を通じて約1万人の職員に一人ずつ、ATMで振り込むわけにもいかないので、いわゆる専用の給与システムを使って業務をしています。

この給与システムという道具が、事務職のわたしたちにはとても難しいのです。昔のものに比べると、最近のシステムはだいぶ便利になっているらしいのですが・・・。

難しい道具を使って仕事をするには、元気があっても手間や時間がかかります。データが変更できる最終日には、システムの担当者が「今月の給料が合いました!点検終了です!」というまでは、係員総出でチェックや修正を続けます。
テレビ番組のタイトルを借りると「給料がシステムで合うまで帰れまテン」ですね。

PCを前に机に突っ伏す様子

えっ?正解にシステムを合わせるの?

条例規則を読み解き、給料を正しく計算して振り込み、職員にわかりやすく説明するというのが主な仕事のわたしたち。どの職員のどの手当がなんでその金額なのか、なんでその金額の社会保険料や税金が引かれるのかは、職員から問い合わせがあった時には、電卓を叩きながら、基本的には即答で説明することができます。

しかしなんと!わたしたちが計算した正しい給料の金額とシステムの計算が一致しないことがあるのです。

新しい制度の導入や制度の変更にあわせてシステムの設定を変更したときなどに、うまくいかず、正しい計算にならないことがあります。そんなときは、これまで色々なシステムのベンダーの方と、ああでもない、こうでもないとやりとりしながら解決してきました。最近はPCの性能が上がり、Excelで検算が可能なので、昔ほど原因の究明に手間取らなくなっていますが、システムの計算がなかなか合わず、夜中まで原因の究明やプログラム変更の作業をしていたことも…。

でもね!おかしいと思いませんか? 正しい給料は何円なのか、答えは手元に既にあるんですよ?自分たちの中での答えは出ているのに、システムの計算を合わせるために、夜中まで苦労して作業することがあるんです。

課題:システムはなぜ我々の作ったExcelでの正解と同じにならないのか!?

システムは、果たして安かろう悪かろうなのか?

給与システムというものは、大体、導入と保守で1億円以上の費用がかかると言われています。多くの機能を持ち、1万人規模の管理ができる給与システムのパッケージ製品としては、相応の費用なのかも知れませんが、果たして本当に高いシステムにだけ価値があり、安いものには価値がないのでしょうか。

そもそも給料を支払うための給与システムにそこまで多くの機能が必要なのか、制度変更時の設定変更に苦労するパッケージ製品でなければ給料の支払いができないのか、そこに大きな疑問を持っています。

数えてみると、給与明細に記載する項目は100項目もありません。(支給で約60項目、引去で約30項目)。いずれも、簡単な四則計算とテーブル参照で答えの出る数字です。給料ですから複雑怪奇な計算などないのは当たり前ですね。

つまり、給与システムのパッケージ製品で給与計算を行うのは「牛刀をもって鶏を割く」ことになってはいないでしょうか。一方、これまで誰も考えなかった最小限の効率的な方法で「海老で鯛を釣る」ことはやはり不可能なのでしょうか。

給与明細書の様式

Impossible is nothing

これまでずっとわたしたちは「給与計算は給与システムでしか出来ない」「1万人規模の給与計算のためには、パッケージ製品を調達する他に方法がない」と考えてきました。

しかし、2018年度下期のUrban Innovation KOBEプロジェクトで過ごした、スタートアップとの3ヶ月間において、七転八起の苦労をしながら、業務の自動化と業務削減を可能としたことで、予想もしなかった感動を経験することができ、わたしたちには新たなチャレンジを行う自信と勇気が現在、もりもり沸いております。

伝説の世界ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリは言います。「不可能とは、自らの力で世界を切り開くことを放棄した臆病者の言葉だ。不可能とは、現状に甘んじるための言い訳に過ぎない。」

わたしたちと、ともに考えをぶつけあい、既存のシステム一辺倒ではない、RPAやその他の技術を活用した新たな給与支給の仕組みを一緒に作りませんか?

ともに世界を切り開いていただけるスタートアップの方、ご応募、お待ちしています。

集合写真

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Vision

実現したい未来

職員給与にかかる事務処理を定型化・自動化することで、正確性・安定性を維持しながら、処理速度の向上と費用の縮減を達成したい。

得られるもの

課題を抱える現場の職員と一緒になった協働作業。同様の課題を抱える他都市への水平展開の可能性

Outline

背景 義務教育にかかる教職員の給与負担及び定数等に関する権限と財源が県から政令指定都市に移譲されたことに伴い、市で昨年度より小学校・中学校の教職員約8,000人の給与支給事務を行っている。
昨年度1年間の作業を通じて、安定した給与支給に向けた事務の定型化を図ってきたところであるが、働き方改革(業務改革)による内部事務作業の効率化の観点からも、今後は省力化、効率化を図っていく必要がある。
課題 教職員の給与計算のため、既存のパッケージ製品を使用しており、人事委員会勧告に伴う給与改定等の制度変更への対応に難がある一方、導入費用と運用費用で合わせて1億円以上の費用が必要となっている。しかし近年、PCの性能が上がり、1万人の給与支給程度では、1台のPCですら過剰性能になっている可能性があり、サーバ等は不要である可能性が高い。
制度変更があるごとに簡単に計算変更が可能で、簡素な構成のハードウェア上で運用できる給与システムを先進的な技術を持つスタートアップと協働で構築し、導入費用と運用費用を大きく軽減したい。
求める解決策 想定する解決策を例示するが、これにとらわれず、自由な発想で省力化、効率化、費用の低下を実現するものも歓迎する。
【例】下記の①~⑥が可能なソフトウェアの構築
①入力:Excelのファイルを取り込むことでデータの書換えができる。
②計算:既存のExcel、Accessのような計算ソフトやプログラムを用いて計算が行える。
③出力:結果ファイルをCSVで出力できる。
④閲覧:庁内ファイルサーバに結果ファイルを置き、複数人が見やすく閲覧できる。
⑤帳票:出力ファイルから帳票が作成できる。
⑥変更:上記①~⑤が自在に変更できる。
付加的・発展的な要素 現在、2018年下期の同プロジェクトの取り組み「毎月手作業で行っている給与関係の届出に対する処理の自動化実証」について研究を継続しているところであり、また、現行では紙資料で提出している給与関係の届出について、どういう方式に効率化していくか検討を行う予定としている。それらの仕組みと連結可能で、全体の効率化に寄与する仕組みの構築。
想定する実証実験内容 給与計算を行う上でのRPA、Excel等、手作業を組み合わせた最適な事務フローの構築を最優先とする。プロトタイピングと効果の検証においては、上記例示の①~⑥の全てが難しければ、①~③及び⑥の給与計算の基本部分の構築を優先する。
求めるスタートアップ像 先進的なIT 技術に広く専門的な知識を有し、行政だけでは企画できない事務の効率化の提案をいただきたい。
一方で、職員による手作業や民間企業が提供しているサービスを組み合わせることも含め、事務の省力化・効率化・費用の縮減の効果が最大となる仕組みを提案できる広い視野、柔軟さがあること。
スタートアップに求める条件 現地(教職員課)に赴いての打ち合わせや作業が可能なこと
提供可能なデータ・環境等 ・現行の給与計算の数式・マニュアル
・これまでの処理に用いたデータ
プログラム終了後の本格導入 2019年度にUIKを通じてプロトタイピングを行い、以降の導入を検討する。

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