Urban Innovation JAPAN


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姫路市 健康福祉局 長寿社会支援部 介護保険課

教えて、認定状況! ~要介護認定進捗状況照会(検索)用ツールの開発~

Point

解決したい課題

要介護認定進捗状況に関する問い合わせ対応の作業の効率化を図りたい。

想定する実証実験

要介護認定進捗状況照会(検索)用ツールの開発と効果検証。

Story

集合写真

要介護認定とは?

みなさんは、大切な家族に介護が必要になったとき、どうすればよいのかイメージできますか?

家族が支えていく、それは確かにそうなのですが、お仕事や家事をされている方はもちろん、そうでない方からしても、家族だけで介護をすべて行うのは非常に難しい課題がたくさんあるのが現状です。このようなときに、みなさんの負担を軽減してくれるのが介護保険制度なのです。

この介護保険制度では、介護サービス(デイサービスへの通所やホームヘルプ等の在宅サービス、特別養護老人ホーム等へ入所する施設サービス)の利用を希望する対象者は、まずは要介護認定・要支援認定申請を行い、本人が要介護状態等にあたるのかどうか、また、そのような状態であれば、介護の支援がどの程度必要なのかの審査判定を受けておく必要があります。

この介護の支援が必要なのかを示す度合いである要介護状態区分・要支援状態区分(いわゆる「要介護度」のこと)を認定する手続きを要介護認定と言います。

申請から利用の流れ

申請から介護サービス利用までの流れは、概ね次のような手順で行います。

①介護サービスの利用を希望する人は、要介護認定・要支援認定申請書を市に提出します。
②申請者は、医師に主治医意見書の記載を依頼し、記載後、市に直接意見書を提出されます。
③認定調査員が申請者の訪問調査を実施し、調査票を市に提出します。
④調査票と主治医意見書が揃ったら、介護認定審査会が審査判定し、市に通知します。
⑤市は、審査判定結果をもとに申請者に結果を通知します。※①~⑤まで概ね30日程度かかります。
⑥申請者は、認定結果をもとにケアマネジャーに相談し、ケアマネジャーは、本人に適したケアプランの作成を行います。
⑦申請者は、ケアプランに基づき、介護サービスを利用します。

介護サービス利用の流れ

要介護認定が抱える問題点

高齢者が介護サービスを利用する場合、原則として、ケアプランをケアマネジャーに作成してもらう必要があります。

しかしながら、申請から認定結果の通知までは概ね30日程度かかるため、結果がわかるまでは暫定で介護サービスを利用しているのが現状です。
認定は申請日まで遡って認定されますが、認定された要介護度によっては、その区分で認められている以上のサービスを暫定で利用している場合もあり、この超過したサービスにかかる費用は、利用者の全額自己負担になります。

また、要介護認定を行うためには、介護認定調査員が作成する訪問調査票や、医師が作成する主治医意見書が揃わないと審査判定を実施することはできません。
対象者が高齢者であることから、訪問調査の日程調整がうまくいかないことや、対象者が、主治医意見書を医師へ提出し忘れていることで、要介護認定が停滞することもあります。
他にも、対象者本人が認定結果の通知書を取り込み、そのまま紛失してしまうという事例まであります。

このようなことから、認定結果がなかなか届かないような場合には、担当のケアマネジャーが、対象者本人に不利益が生じないように、市に進捗状況を確認し、本人や家族に対する支援を行います。

姫路市では、ケアマネジャーの「いま要介護認定がどのような進捗状況にあるのか知りたい!」「認定結果がいつ出るのか早く知りたい!」という問い合わせにできる限り応えられるよう努めてはいますが、現状では電話での問い合わせに1つ1つ応答するしか方法がなく、多いときには、日に100件程度応答することもあり、この問い合わせ対応に大変苦慮している状況です。

電話での問い合わせの様子

さらに、今後、高齢化の影響で益々増加していく申請数に対応するには、今のような原始的な方法ではいずれ対応しきれなくなることが想定され、何らかの解決策が必要と考えています。

過去には、この状況を解決しようと試行錯誤を繰り返しましたが、個人情報の保護を行いながらweb上で進捗状況を検索(自動応答)させることが専門的な技術を持たない職員では実現できず、断念してしまいました。このことを介護保険システムのベンダーに相談したこともありましたが、webに関するシステムは取り扱っていないとの理由で実現していません。

このような状況を踏まえ、要介護認定の進捗状況照会(検索)用ツールなどの開発について、お手伝いいただけるスタートアップを探しています。

要介護認定以外も介護に関わる課題は山積…

本ツールが完成すれば、
・事業所は、開庁時間に関わらず、365日24時間いつでも自由な時間に進捗状況を確認できる!
・職員の進捗状況照会に掛かる手間が削減され、常態化している残業時間が減る!
・問い合わせの総数が減少し、業務に集中できる時間が増え、効率的に!
・進捗状況の把握が効率化することで、介護サービス利用者へのより迅速な支援が期待できる!
のように、私たちの業務が効率化することで、最終的に市民のみなさんがスムーズな要介護認定を受ける第一歩となります。

しかし、介護の分野は要介護認定以外にも、サービス給付や保険料の徴収などさまざまな業務があり、それぞれに課題が存在しており、これからのさらなる高齢化時代に備え、テクノロジーの活用はもはや欠かせません。

本課題を皮切りに、全国の自治体が共通で抱えている介護の分野の課題解決に挑戦しませんか?

集合写真
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Vision

実現したい未来

申請者等が市役所に電話で問い合わせることなく、必要なときに必要な情報を得られるスムーズな要介護認定の手続き。

得られるもの

要介護認定の手続きは全国共通の手続きであり、課題が解決できれば全国展開が可能となる。

Outline

背景 要介護認定では、申請から認定結果を通知するまでに概ね30日程度かかり、その間、申請者やケアマネジャーは要介護認定の進捗状況を把握することができない。
また、対象者は高齢者であり、その要介護認定にかかる支援の必要性から、進捗状況の問い合わせに対する応答は市にとって重要な業務であるが、高齢化の影響で、申請者数が増加していく状況にあることを鑑みると、現在行っているような原始的な対応にはいずれ限界が訪れることが容易に想定される。
課題(詳細) 進捗状況の問い合わせ件数は、姫路市介護保険課の電話応対の大半を占めており、その応対によって本来従事すべき事務時間が削られ、市民に対する要介護認定の遅延や時間外労働の増加につながっている。
求める解決策 問い合わせ応答を自動化し、本来従事すべき事務に充てる時間を増やす。
この際、被保険者番号を含む個人情報を外部に提供することになるため、プライバシー保護の観点から、相応のセキュリティが必要である。
付加的・発展的な要素 本来従事すべき事務に充てる時間が増えれば、認定調査票のチェック作業等の事務効率があがり、今後高齢化が進行しても、遅延せず認定結果を通知することが期待できる。
また、今後、この機能に加え、審査が終了している対象者の要介護認定資料を請求できる機能等があれば、よりこのツールの価値が高まるのではないかと考えている。
想定する実証実験内容(詳細) 事業所が、本ツールを活用して進捗状況を確認することで、進捗状況に関する問い合わせ件数の削減を目指す。
求めるスタートアップ像 情報セキュリティにかかる知識が豊富であること。
スタートアップに求める条件 トラブル発生時の速やかな対応
提供可能なデータ・環境等 ランダム変換した被保険者番号を含む要介護進捗情報(調査票取込日、意見書取込日、審査予定日等)
プログラム終了後の本格導入

ツールの効果が検証されれば、前向きに検討したい。

本課題は、「Urban Innovation JAPAN “for 姫路市”」の課題です。実施自治体により、募集要項が変わりますのでご注意ください。詳しくは「募集要項」をご確認ください。

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