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神戸市 消防局 危険物保安課
危険物施設の立入検査をデジタル化し、少しでも事故を減らしたい!
Point
解決したい課題
危険物施設の立入検査をデジタル化し、担当者の熟練度に関係なく実施でき、誰でも容易に管理できることを目指す。
想定する実証実験
立入検査用のツールを作成し、経験の浅い職員でも標準的な立入検査・事務処理を実施することができるかどうか、実際の立入検査で使用し検証する。
Story
知識・技術の伝承
現在、様々な業界でベテラン職員の退職、雇用形態の変化に伴う知識・技術の伝承について危惧されています。それは消防職員にとっても同じで、経験豊富なベテラン職員の退職によって、業務の継続性に対する危惧が高まっており若手職員の標準的な立入検査・事務処理能力の維持・向上が急務となっています。
消防局には様々な業務がありますが、その一つに危険物施設等(タンクローリーやガソリンスタンドなど)の許認可・査察・指導を行う業務があります。しかし、各消防署の危険物事務担当者は、基本的には1名しかいません。また、危険物施設の立入検査については、業務が特殊であるため、難易度が高く、人材育成に苦慮しています。
危険物施設数は年々減少していますが、危険物に関連する事故は高い水準で推移しています。危険物施設の維持管理を徹底し、事故を未然に防ぐために、私たちは立入検査を実施しており、担当者の熟練度に関係なく、神戸市内で標準的な立入検査・事務処理を実施しなければなりません。神戸市内には危険物施設が3064施設、少量危険物・指定可燃物貯蔵取扱所が7033施設あり、そのうち危険物施設については年間1626件、危険物施設以外については511件の立入検査を実施しています(令和2年度の実績)。
デジタル化時代の到来
具体的に、危険物施設への標準的な立入検査・事務処理を実施するためにはどうすればよいでしょうか。そのカギを握るのが、まさにUrban Innovation KOBEであると考えています。最先端のIT技術を活用し、協働して新たな時代の開拓者になりましょう!
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、デジタル化が加速しています。私たちの課でも、クレジット決済の導入や一部の届出の電子申請の受付を開始しました。しかし、立入検査については、未だに手付かずのままです。
立入検査の電子化とは?
立入検査の実施については、各消防署の職員が実施しています。紙の分厚い台帳を持参し事業所に赴き、維持管理の状況等を検査しています。その結果を査察結果通知書にまとめ、複写の紙等により交付しています。上司の決裁も紙で行っています。まずこの流れを全て電子で実施したいと考えています。
現在の立入検査は、紙の台帳ベースで実施しているため、どうしても個人の経験に依存してしまっています。しかし、電子化することで立入検査の際には、経験の少ない職員でも専用フォームやチェックリスト等に従って検査を実施すれば確認漏れがないようにすることが可能ではないでしょうか。また、検査の結果、改修が必要な事項について改善されたかどうかを一元管理もできると考えています。
また、立入検査の件数及び改修が必要な事項等については、国報告等の各種統計データのために必要であるため、毎月及び四半期毎に各消防署から本部に報告しています。消防署では手作業でデータ(エクセルファイル)を作成し、本部では各消防署から報告があったデータを集計していますが、多大な時間を要しています。
さらに、立入検査の結果に違反が見られたところの是正状況等を効果的に管理する方法なども無く、有効にデータを活用できていません。これらの課題を解決することができれば、事務処理時間も大幅に削減できるため、市民サービスの向上及び業務改善に大いに役立ちます。そのほかにも、スタートアップ企業様の視点で見ると、様々な解決策が見出せると思います。
なぜ立ち入り検査業務の電子化なのか?
私たち職員も、何も行動せず指をくわえて時代の流れを待っていた訳ではありません。デジタル化の波に乗るための準備はしていました。立入検査業務とは異なりますが、今年度の4月から、申請の電子化・オンライン化、ICT化及びペーパーレス化に対応するための、消防危険物システム(事務処理システムの新規構築)の構築を検討しました。
しかしながら、現状の機能を維持したもので検討すると、画面数や帳票数等の機能数が多くなります。さらに新しい機能として電子申請・電子台帳・電子決裁機能等を追加すると、とても規模の大きいシステムになり、構築するためには多額の費用がかかります。
その中でコストメリットを考えて再度検討を行い、まずは今回の立入検査業務のように急ぎで改善の必要がある業務から取り組むこととなりました。
スタートアップ企業様と消防局のWin-Win
現状のままでは、デジタル化の波に完全に乗り遅れてしまいます。職員としては、まさに「いつやるの。今でしょ。」という感覚です。そんな中、ご縁があっていいタイミングでUrban Innovation KOBEの行政課題の募集がありました。まさに千載一遇のチャンスでした。
私たちの業務は危険物規制事務ですので、事業所の方に指導することはあっても、一緒に協働して課題を解決するようなことはそうそうありません。私たちの立場からすれば、スタートアップ企業様と一緒に協働すること自体が楽しみで、職員一同ワクワクしております。
また、私たちが課題として挙げている立入検査の業務は、消防関係だけでなく、設備の点検検査、電気・ガス・水道といったインフラ設備関係の検査にも応用できる部分もあるかと思います。今の世の中にはあらゆる業務で立入検査のような業務が発生しているからです。今回の行政課題を解決するにより、私たち職員とスタートアップ企業様がwin-winの関係になることができると考えています。実証実験が成功すれば、実際に各消防署への導入を検討しています。また、神戸市消防局として県下及び他都市との会議の場で積極的に広報していきますので、「神戸消防ブランド」を使って、思う存分営業活動に役立ててください。
ぜひ一緒に私たちとの協働実証にチャレンジしませんか?
Vision
実現したい未来
質の高い立入検査を効率良く行うことで、危険物施設の事故を未然に防ぐことのできるようになること。
得られるもの
県下及び他都市の消防と比較し、神戸市消防局は規模が大きいため、企業側は「神戸ブランド」を活用し、営業できる。
Outline
背景 | 全国的に、危険物施設は減少し続けているが、危険物施設関連の事故件数は高止まりしている。背景にあるのは、危険物施設の老朽化、従業員の知識・経験不足である。これらの現状の中で、危険物施設を適切に維持管理してもらうために、各消防署で立入検査を実施している。 しかしながら、各消防署のベテラン職員の退職等により、若手職員の熟練度にばらつきがあり、標準的な立入検査・事務処理能力を維持する必要がある。 また、立入検査結果については、国報告等の各種統計データとして必須であり、これを市の施策に有効に活用したい。 |
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課題(詳細) |
危険物施設等に対する立入検査については、各消防署(10署)が実施している。立入検査の方法については、各消防署の職員が実際に現地へ赴き、紙の台帳を参考にしながら検査を実施し、その結果を査察結果通知書として紙で交付している。また、立入検査の結果については、国報告等の各種統計データとして必須であるが、各消防署では本部への報告用データを手作業で作成し、本部でも各消防署からのデータを手作業で集計しており、非常に手間がかかっている。 解決したい課題としては以下の3点(1から優先順)が挙げられる。 |
求める解決策 | 経験の浅い職員でも、標準的な立入検査・事務処理を実施することができる支援アプリ(専用フォーム、チェックリスト、その他デジタルツール)を開発し、人材育成及び業務改善に活用する。 ツールや技術については特段の縛りはないので、積極的な解決策を求める。 |
想定する実証実験内容 | 神戸市内の危険物施設に対し、各消防署の危険物事務の経験が浅い職員が、実証実験を実施する。実際に立入検査を実施し、査察結果報告書を作成し、立入検査結果の管理をする。 |
実証実験成功後の発展性 | 効果が確認できれば、実際に各消防署へ導入を検討する。また、神戸市消防局として県下及び他都市との会議の場で積極的に広報する。広報した結果、危険物施設に対する立入検査だけでなく、一般防火対象物の立入検査で導入される可能性がある。(神戸市の一般防火対象物に対する立入検査は、10292件で危険物施設の立入検査と比較すると、圧倒的に多い。) また、消防関係の立入検査だけでなく、各種検査業務(設備点検、インフラ点検等)は世の中にあふれているので、他業界へ発展させることもできる。 |
提案企業に求める条件 | ・紙ベースの管理ではなく、最新技術等を使用したデータベースの管理に長けている企業。 ・クラウドサービス等の最新技術を使用した、アプリの作成等に長けている企業。 ・危険物施設の立入検査だけでなく、各種検査業務(設備点検、インフラ点検等)の管理ツールを作成した経験のある企業。(危険物の知識については、全力でサポートするので全く問わない。) |
プロジェクトの進め方打合せ方法 | オンライン会議等についても対応可能。前向きで建設的な議論をしながら、協働して進めたい。 |
提供可能なデータ・環境等 | 統計情報・アンケート結果等の個人情報以外のもの。 神戸市内の危険物施設保有事業所 |
プログラム終了後の本格導入 | 効果が確認できれば、本格導入のために予算要求を行う。 |
選考基準・スケジュール・よくある質問など
資料請求・新着課題
地域・社会課題解決に繋がる、
本当の意味での地域創生をともに実現しませんか?