Urban Innovation JAPAN


応募終了

広報戦略部ホームページ担当

脱・「市役所っぽい」WEBサイト、電話する必要がないわかりやすいサイトを作りたい!

採択企業
  • テックタッチ株式会社

Point

解決したい課題

・電話問い合わせ量を減らし、WEBでの解決量を増やす
→市民のWEB上での自己解決促進、市民サービスの満足度向上

想定する実証実験

ホームページを訪れた市民1人1人のつまずきポイントを分析し、各人に合わせた適切な案内をすることで、WEB上での自己解決が促進されることを検証する

Story

1.民間コールセンターと大きく差が開いた現在の市役所コールセンターの実情

神戸市では、市民からの各種手続、制度、くらしやイベントに関する問い合わせ窓口に「総合コールセンター」を運営しています。問い合わせのチャネルは電話だけでなく、メール、FAX、チャットに対応し、庁舎が開いていない時間も対応しています。2021年度(令和3年度)の年間応対数は約23万件にも上り、電話応答率は約86%で、残りの約14%は放棄されています。つまり一部市民のお問い合わせに対応できていないのが現状です。一方で、メールは年間4千件と利用率が全体の0.01%程度に過ぎず、各種チャネルが有効活用されていません。

Figure 1:総合コールセンターの応答状況

もともと、市民からの市役所・区役所への入電が他の政令指定都市に比べても特に多かった神戸市は、2017年以降働き方改革の一貫として、市民からの問い合わせ窓口を「総合コールセンター」に1本化し、職員は本来の業務に集中するための「電話改革」を積極的に推進してきました。それまでホームページや各種媒体に掲載していた担当課の職員への直通番号の掲載をやめ、一律この「総合コールセンター」の番号掲載にシフトさせました。

一見良さそうに見えるこの構造には大きな落とし穴がありました。

総合コールセンターにはさまざまなお問い合わせが集中することからコールセンターは日々の電話対応に手が取られ、都度、座席数とオペレータの人数を増やす人海戦術で対応してきました。その結果、時代に沿ったインターネット活用が進んでおらず、民間企業のコールセンターとはサービス品質に大きく差がついてしまったのです。

コロナウイルスが蔓延した2019年以降もこの体制は変わることなく入電対応に追われ、民間企業のコールセンターでは当たり前となっている有人チャットや、コールバック予約などのコロナ禍でもサービス品質を保てるインターネット活用が進んでいません。結果としてすべての電話には応答できておらず、市民サービスの低下を招いています。また、以前は職員が直接市民と接する機会も多かったことから、職員の意識も浸透し、すぐさまご意見を次の政策や施策に落とし込むサイクルができていたのですが、今は事業者に電話対応を委託しているため、市民の声から遠ざかり、各種広報物の記載見直しもままならないまま入電増加の要因になっていることもあります。

これらの課題を解決するためには、神戸市クレドの「どんなときも、市民目線で」の広報を職員が徹底できていれば理論的には解決できそうですが、市民から日々寄せられるコールセンターへの問い合わせ内容も今はアナログの電話でオペレータが応答履歴をテキストに書き起こし、それを市役所に提出することで初めて職員の耳に届く仕組みになっているため、スピード感に欠けますし、人口縮減時代の働き方として持続可能とは言えません。

市民の声をしっかりキャッチするためのデジタルデータ化、そしてすぐに施策に反映させるための職員へのフィードバック、そして改善した内容を市民に届けるというサイクルを回さなければ根本的な課題解決にならないのです。

Figure 2:神戸市総合コールセンターの様子(イメージ)

2.どうすればいいのか

神戸市の公式ホームページは、年間で1億アクセスを超え、市民との接点として重要な位置づけにあります。電話を減らすには、これを活かすことがカギであると考えています。現状の神戸市ホームページは、サイト上の情報を探しにくい、わかりにくいという声もいただいており、険しき道のりではありますが、これらを改善することで必ず電話は減らせると思っています。
これまでに何も手を打っていないわけではありません。昨年は、コールセンターへの入電量が最も多かった「ごみの分別方法」をかんたんに検索できるサービスを導入しました。また、HPとFAQを横断して検索でき、適切な検索結果を返すAI検索を導入、FAQサイトのリニューアルを行い、UI/UXの利便性を向上させました。その結果、総合コールセンターの総入電数は前年比で約1万件削減できました。
しかし、これらの取り組みはあくまで市民が能動的に調べる際にしか効果を発揮できません。
もっと電話を減らすには、プル型の待ちの姿勢ではなく、プッシュ型で適切なご案内をするのがいいと考えています。

3.もう行政のWEBサイトとは呼ばせない

前述の通り、さまざまな問題をはらんでいる神戸市のWEBサイトは時代にあっているものになっていません。
「行政のWEBサイトはわかりづらい」や、「行政のホームページは見にくい」といった声も聞こえてきます。そのようなご意見は重く受け止めており、そして悔しく思っています。

そこで、わたしたちが掲げる目標は「もう行政のWEBサイトと呼ばせない」ことです。
そのためには、WEBで探せない、わからないので電話する市役所を抜け出し、電話、来庁せずともWEBで調べたほうが早い!と思われるような感動の顧客体験(顧客サービス)を生み出すWEBサイトに成長させたいです。

4.人口減少の社会に向けて

最終的には、AIなどの活用により、現在人が行っている業務のうち、機械で代替できるものは代替し、職員の数が減っても迅速かつ効率的、高品質な行政サービスを維持できるデジタル市役所を実現していきたいです。
今回はその糸口となる市のホームページに、市民が苦労しない、ストレスをためない「感動の顧客体験」をWEBサイトで実装し、今後の人口縮減社会に向けた新たな市民接点としてのWEBサイトのあり方を実証したいと思っています。
今回一緒に実証に取り組ませていただくホームページ担当専用チームは2021年に発足したばかりでフレッシュなチームです。決裁者のホームページ監理官は民間から登用されていますので、スタートアップの方のスピード感に合わせて取り組むことができると思いますし、チーム皆が必ず成功させたいという強い想いがありますので、双方歩み寄りながら、電話が多い政令指定都市を変える実績を作り上げていきたいと思います。

ぜひ、このような取り組み、想いに賛同いただき、わたしたちとともにより良い神戸市のサービスを作っていただけるスタートアップを募集します!
ご応募お待ちしています!

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Vision

実現したい未来

・人口減少が深刻化しても持続可能な行政サービスの提供
・電話問い合わせ量を減らし、働き手が減ってもサービス品質を確保するための持続可能な環境構築

得られるもの

・電話が多い自治体を変革させた実績
・共同プレスリリース発出

Outline

背景 ・課題となる総合コールセンターのコール数の推移と削減目標
2019年からのコロナウイルスの発生により、年々コールセンターへの電話量は増加2021年の応答数は23万件に登る。2022年は20万件への削減を目指す
・これまでの取り組み
・2021年のUIKでごみ分別の電話問い合わせを減らす実証実験を実施
⇒ごみ分別の年間電話問い合わせが3,312件減少
(FY2021:16135件、FY2020:19447件)
・HP・FAQのサイト横断AI検索を導入
・FAQサイトをリニューアルして検索性能を向上
課題(詳細) ・電話量の削減、電話による問い合わせ件数削減(FY2021:23万件)
⇒電話を減らし、市民の自己解決を促進することで、人口減少社会への対応、働き手の減少への準備を行う
求める解決策 ・神戸市ホームページを訪れたユーザー(市民)のつまずき(ペインポイント)を捉え、最適な解決手段をご案内するサービス
・「どの程度問い合わせにつながっているのか?」「どんなつまずきがあるのか?」を可視化できるツール、サービス
想定する実証実験内容(詳細) ・アクセスの多いページを選択し、実際にツールを導入することで、市民に使ってもらい、市民満足度の調査、運用面の課題抽出を行う
・ページ所管課との協働実施を想定
実証実験成功後の発展性 ・神戸市ホームページ全体へのツール、サービス本格導入
・同様の課題を抱える他自治体への横展開
提案企業に求める専門性 ・スピード感を第一に考えるスタートアップとの協働を希望
プロジェクトの進め方打合せ方法 ・オンライン会議や、チャットツール、課題管理ツールを用いたスピード感をもった協働ができること
提供可能なデータ・環境等 ・神戸市HPのアクセスデータ
・神戸市FAQのアクセスデータ
・総合コールセンターの年間報告書、応対履歴などの資料
プログラム終了後の本格導入 ・実証後の結果次第で今年度発注、また、次年度予算にて本格導入を検討する

選考基準・スケジュール・よくある質問など

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