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神戸市 経済観光局農政計画課

テクノロジーで鳥獣被害問題に新たな解決策を!

Point

解決したい課題

現在の鳥獣被害対策は、有害鳥獣個体の捕獲活動や、農地への侵入防止柵の導入等の地道な取り組みが中心で、捕獲活動の担い手不足や、農家の管理負担等が課題となっており、依然、農作物被害や生活環境被害が改善されない。

想定する実証実験

IoT・ICT等のデジタルソリューションや、独自技術の素材や機材等を用いて、これまでの捕獲活動や侵入防止対策を強化・サポート、又は野生動物の忌避行動を喚起し被害を防止するなどの新技術の効果を検証したい。

Story

農作物や生活環境への鳥獣被害が深刻です

 鳥獣被害対策は全国的な課題です。神戸市でも、イノシシやアライグマ、鳥類等による農作物被害、住居侵入や糞害等の生活環境被害が絶えません。
 神戸市では2014年度より捕獲強化を進めており、近年、イノシシは毎年1000頭程度、アライグマは2,000頭近くの捕獲を行い、電気柵等の侵入防止柵の整備も進めてきました。それでも毎年の農作物被害額は約3,000~4,000万円と減少傾向になく、全市の鳥獣被害相談の窓口である「鳥獣相談ダイヤル」の相談件数も年間約3,000件と増加傾向で、被害の軽減に結びついていないのが現状です。

(グラフをクリックすると拡大)
アライグマによるスイカの食害
クリーンステーションを荒らすイノシシ

鳥獣捕獲活動の担い手が足りません

 現在の捕獲活動は一部の経験豊富な地元猟友会員のボランティア活動に頼っており、高齢化による担い手不足が問題となっています。近年は狩猟の魅力が再評価され、神戸市でも狩猟免許の取得補助制度や、ハンター体験会などを開催し、若い方が狩猟免許を取得されることも増えていますが、多くは休日の趣味としてのアクティビティが目的であり、常時の有害鳥獣捕獲活動に従事しようとする方は一部に限られるため、担い手不足が解消されたとは言えません。
 近年の取り組みとして、捕獲罠にセンサーを取り付け、メールで罠の作動を通知し、見回りの労力を軽減するICT機器の導入も進めていますが、罠の設置や捕獲個体の回収・処分などは依然、人力に頼らざるを得ません。
 加えて、イノシシやアライグマは毎年4~5頭の子供を産むと言われ、多産による再生産数に捕獲活動が追いついていない状況です。

箱罠によるイノシシ捕獲
箱罠によるアライグマ捕獲

空き家や空き地、耕作放棄地が有害鳥獣の住みかに

 また、人口が減少する中、管理不足の空家や空地、耕作放棄地も増えています。それらは有害鳥獣のすみかとなり、やがて耕作地や中心市街地にも被害が及びます。
 農作物被害対策も特に重要です。
 現状、農地への侵入防止柵として、ワイヤーメッシュ柵や電気柵を逐次導入していますが、メッシュ柵は破られたり、根本を掘り返されたりして、補修が必要となる場合があります。また、果樹や野菜などに大きな被害を及ぼすアライグマは、メッシュ柵をよじ登って農地に侵入するため、効果がありません。また、電気柵は、雑草が伸びて電線に触れるとそこから漏電し、効果が無くなってしまうため、こまめな草刈が必要となります。このように侵入防止柵は、当初の設置の労力も大きいですが、維持管理についても多大な労力を要するため、高齢化が進む農家の大きな負担となっています。
 近年、ウクライナ危機に端を発した輸入資材の高騰や、それに伴う物価高騰により、国内での自給自足が特に重要視されるようになりました。食料自給率を上げていくため、農業の担い手も確保していかねばなりませんが、せっかく育てた農作物を野生鳥獣に食べられてしまっては、生産量も上がらない上に農家さんの落胆は大きく、それがきっかけで営農をやめてしまい、さらに耕作放棄地が増えるといった悪循環に陥ってしまいます。

屋根裏に住み着くアライグマの親子
破られた侵入防止柵

鳥獣被害問題に新たな解決策を!

 このように、鳥獣被害対策として捕獲対策や電気柵等の侵入防止柵の整備などを進めてきましたが、それ以外の有効な対策が確立されておらず、分野的にも新規技術の導入が遅れているのが現状です。
 今後益々高齢化や人口減少が進むことを考えると、現状の取り組みだけで鳥獣被害対策を進めていくことには限界があります。是非、皆さんの持つ技術力をこの分野で活かしてみませんか?
 異業種、他業種からの参画ももちろん大歓迎です。幅広いご提案をお待ちしています!

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Vision

実現したい未来

野生鳥獣による農作物被害、生活環境被害をなくし、安心して営農できる、生活できる社会をつくりたい。

得られるもの

有効性が確認できれば、市施設や民間施設、農家等へのサービス導入の可能性があり、市としてもメディアや広報などでPRが可能。野生鳥獣被害対策は全国的な課題であり、他地域でも導入できる。

Outline

背景 神戸市では、2014年度より本格的に有害鳥獣の捕獲を強化し、近年では、イノシシは毎年1,000頭程度、アライグマは2,000頭近くの捕獲を実施している。農作物被害対策として電気柵等の侵入防止柵の整備も進めてきたが、毎年の農作物被害額は約3,000~4,000万円と減少傾向になく、平成27年度より開設した全市の鳥獣被害相談の窓口である「鳥獣相談ダイヤル」の相談件数も年間約3,000件程度と、依然、生活環境被害も多く発生している。
課題(詳細) 現在の鳥獣被害対策は、捕獲罠の設置による有害鳥獣個体の捕獲活動や、農地への侵入防止柵の導入等の地道な取り組みが中心だが、
①多産による再生産数に捕獲活動が追い付かず、また、捕獲の担い手育成もハードルが高く、全市的な生息個体数の削減につながっていない。
②電気柵等の侵入防止柵は、設置に多大な労力がかかる上、草刈やこまめな補修が必要で、高齢化が進む農家の大きな負担となっており、導入の遅れや維持管理不足による被害発生が依然として続いている。
これらの要因により、農作物被害や生活環境被害がなかなか改善しない状況にある。今後益々高齢化や人口減少が進むことを考えると、現状の取り組みだけで鳥獣被害対策を進めていくことは限界があり、新たな手法を模索する必要がある。
求める解決策 IoT・ICT等のデジタルソリューションや、独自技術による素材や機材等を用いた、これまでの捕獲活動や侵入防止対策を強化・サポートする、又は野生動物の忌避行動を喚起し被害を防止する等の新たな技術手法の導入。
想定する実証実験内容(詳細) 神戸市で被害を及ぼしている有害鳥獣(イノシシ、ニホンジカ、アライグマ、カラス)をターゲットとし、実際に農作物被害や、生活環境被害が生じている地域において、技術導入の実証実験を行う。新技術そのものの効果検証に加え、既存対策の効果的な組み合わせ方法の効果検証などの提案も受け付ける。
効果の指標としては、被害数の低下や、捕獲効率の上昇などが考えられる。
実証実験成功後の発展性 鳥獣被害対策の新規技術として、同様の被害が生じている他地域(行政、民間施設、農家等)にも導入が可能。
提案企業に求める専門性 鳥獣被害対策の基礎知識、また、導入しようとする技術に関する野生動物の行動生態学的知識・データを持ち合わせていることが望ましい。
プロジェクトの進め方打合せ方法 オンライン(Zoom)・対面のどちらでも打ち合わせが可能。
実証実験のフィールドについては市で候補地を調整し、現地調査の上決定したい。
提供可能なデータ・環境等 野生動物の捕獲位置情報や被害状況(鳥獣相談ダイヤル統計情報等)に関するデータを提供可能。
実証実験のフィールドについては、ターゲットとする鳥獣の種類や被害状況にあわせて、市の管理施設や協力農場等について市で調整する予定。
プログラム終了後の本格導入 市施設へ導入可能なものについては検討可能。

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