Urban Innovation JAPAN


応募終了

神戸市 建築住宅局 技術管理課・建築課

目視チェックはもう限界…!建築工事の積算チェック作業の効率化ツール実証開発!

採択企業
協栄産業株式会社

Point

解決したい課題

高い専門知識が必要で、かつ作業量が膨大である『積算チェック作業』の一部を自動化し、作業負担を軽減したい。

想定する実証実験

営繕積算システム(RIBC2)で作成された内訳明細書等のデータを用いて、RPA等で判断の正誤を自動化するプログラムの実証開発。

Story

少ない職員数なのにすごい業務量です

庁舎、学校、福祉施設、スポーツ文化施設など、市内には多様で数多くの市有建築物がありますが、建築物の所管部局と調整し、建物の設計・発注、工事監督など、建築物の様々な問題に対処しているのが建築住宅局建築課です。

多くの建築物への対応が必要なため、職員約40人と比較的職員数の多い職場ですが、経済対策の影響もあり営繕工事は年々増加の一途を辿っています。一方で、職員数はほとんど増えていないため、必然的に職員1人あたりの件数が増加し、職員の負担は年々増加しています。

【営繕工事の発注状況】

特に、営繕工事を発注するための『積算チェック作業』にあたっては、高い専門知識が必要で、かつ作業量が膨大であるにもかかわらず、多い職員であれば年間100件近くもこなしているのが現状です…。

 【積算業務の現状】

また、加えて、高い専門知識が求められるなか、経験年数5年以下の担当職員が約6割と半数を超えており、一部の工事ではあってはならないことですが、価格算定の誤りも発生してしまっている状態です。

【担当者の現状】

≪参考≫工事価格の算定における入力値誤りの事例

令和3年2月には、契約直後に積算の誤りが発覚し、本来落札できた事業者と異なる者と契約してしまった事態が生じました。この時は、まだ現場着手していなかったため、契約相手の事業者と協議の上、契約解除することができましたが、本来落札できたはずの事業者にもご迷惑をかけ、さらに工事の完成も遅れるという事態になりました。

職員の負担やヒューマンエラーをなくすためにもシステムの力を借りたい!

価格算定の誤りの再発防止として、チェックリストの活用や照査専門担当者を配置していますが、作業が膨大であるにも関わらず、全て人間が目視で行う作業のため、完全に誤りを無くすには至っていないのが現状です。

少しでも多く誤りを効率よく見つけるため、『積算チェック作業』において人間だけでなくシステムの力を借りたいのです。

具体的には

・基本設定に誤りがないかの自動判別
・工事期間と仮設設置期間の齟齬など、整合性の自動判別
・チェックリストとシステムの連動

など、目視で行っている積算チェック作業の一部を自動化したいと考えています。

システム化がもたらす幸せ

同様の悩みを全国の400を超す自治体が抱えており、『積算チェック作業』の自動化は全国の自治体の悩みを解消することができると考えています。

結果として、人にしかできない業務である設計・工事監理業務などに費やす時間が増えることで、職員の技術力の向上に繋がり、よりよい市有建築物を生み出すことが可能となります。

さらには、自動化されることで、価格算定の誤りが減るとともに、職員の身体的・精神的負担が減り、心身共に健全になることが期待され、神戸市に限らず全国の営繕業務に携わる職員の幸せにつながります。

今では人気のない職場となってしまいましたが、若手や子育て世帯に選ばれる職場になるよう、あなたの力を貸して下さい!

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Vision

実現したい未来

作業手間を軽減し、本来業務である設計・工事監理業務に携わる時間を増やしたい。特に、経験の浅い若手職員の負担軽減を図り、技術力の向上に努めたい。

得られるもの

営繕積算システム(RIBC2)を利用する全国400を超える他都市においても事業展開が可能。

Outline

背景 【積算】
図面や仕様書に基づき工事費(予定価格)を算出する作業。①建築物の各部分ごとに数量を詳細に拾い出し、②これに単価を掛け合わせて工事科目ごとの金額を求め、③その結果を集計し、当該建築物の工事費を算出する。
・積算作業は、設計業務の一部として設計事務所に外部委託している。
・積算には細かなルールが多く存在し、公共建築工事では、これらのルールを反映した営繕積算システム(RIBC2)という全国標準のアプリがあり、神戸市でも令和3年度から全面的に採用している。

【積算チェック】
設計事務所がRIBC2を用いて行った積算作業の結果を自治体が精査する作業。市の工事発注部署の技術職員がRIBC2に入力された内容を目視でチェックしている。

課題(詳細) 【チェック作業の概要】
積算チェックには高い専門知識が必要で、かつ作業量が膨大である。
実際の積算チェック作業は、①数量の拾い出し作業のチェック、②単価根拠のチェック、③集計する際の各種補正等適用のチェックを行っている。

【専門知識の必要性】
・積算のルール(積算基準)は公開されているが、基準が詳細かつ膨大であり、チェック作業のたびに基準類を確認しながらの作業となっており、正確性・効率性が低い。
・工事ごとに建物の形状、施工方法、現場の条件が異なるため、他工事を参考にしづらい。
・入力された数量単価の誤りには気付けても、入力漏れに気付くことは非常に困難である。
これらの事情で、経験の浅い職員にとっては難易度の高い業務である。

【膨大な作業量】
 建築課では年間200件程度の工事を発注しており、特に係長・課長は、担当者が行ったチェック作業を再チェックするため、多い者では年間50件を超え、大きな負担となっている。

求める解決策 現在目視で行っている積算チェック作業の一部を自動化。
付加的・発展的な要素 【作業の自動化】
RIBC2で作成された内訳明細書等のデータを用いて、EXCELマクロやRPA等で判断の正誤を自動化するような提案を希望する。まず、検討対象は新築(新営)工事ではなく、件数が多い外壁・屋根・防水改修工事等が望ましいと考えている。
自動化のほか、発展的取り組みとして、読み込んだRIBC2データを基に、建物の床面積当たりの価格(原単位)を算出し、この原単位データを蓄積することで、類似工事と比較して積算ミスを探し出せる仕組みも構築できれば望ましいと考えている。
想定する実証実験内容

営繕積算システム(RIBC2)は多くの都道府県や大都市でも利用されており、他都市でも事業展開が可能である。

求めるスタートアップ像 建築積算に関する知識・実績を有すること。
スタートアップに求める条件 WEB会議も可(デモ含む)
提供可能なデータ・環境等 ・金額抜きの積算結果データ。
・(提供要協議)金額入りの積算結果データ。
プログラム終了後の本格導入 実証実験結果により予算化を検討。(R4又は5年度予算以降)

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