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締 切

スポーツ市民局 消費生活課

「去り行く専門家」をAIで補いたい!消費生活相談窓口の存続危機への挑戦

実証支援金:最大150万円

負担金の支払い
実証にかかる経費の一部を本市が負担します。※消費税等も対象
行政課題1件あたり150万円まで
社会課題1件あたり300万円まで

Story

問い:どうしたら、消費生活相談の専門知識がAIでリアルタイムで補完され、経験年数に関わらず誰もが質の高い相談対応ができ、複雑な記録入力が負担なく可能な窓口を実現できるだろうか?

詳しくはこちらの動画をご覧ください!

ご応募お待ちしております!

 

課題詳細・想定する実証内容

課題の背景

名古屋市消費生活センターでは、国家資格を持つ18名の消費生活相談員が年間約13,000件の消費生活相談を担っています。

昨今のデジタル・ネット化の浸透で相談内容が複雑化し、また細やかな対応が必要な高齢者の占める相談割合が高まったことから、1件あたりの対応時間が増加しています。

一方、相談員は全国的に高齢化が進み、消費者庁によると60代以上が過半数を占めています。高齢化の波は当センターでも例外ではなく、ここ数年で急激な「大量退職時代」が始まったところです。

また、相談は国民生活センターのデータベース「PIO-NET(パイオネット)」に入力され関係省庁に共有されますが、その入力項目は複雑かつ膨大で、現場は慢性的な人手不足と入力負荷の二重苦に直面しています。

さらに、AIのサジェスト等で消費生活センターの認知度が向上しているのか、相談需要は急速に高まっており、令和7年度と令和6年度の入電件数を比べると1.4倍となっています。

鳴りやまないコール音のなか、できる限り対応しようと相談員もギリギリの状態で踏ん張っていますが、現場の疲弊は深刻化し、消費者支援の最後の砦が今まさに崩壊しかけています。

消費生活センターの体制

消費生活センターは消費者安全法に基づき自治体によって設置された相談窓口です。ネット通販・SNS広告・定期購入トラブル・多重債務など、消費者からの多様な相談を受け付けていますが、デジタル化の進展で相談内容は年々複雑化。また、高齢者の増加に伴い、きめ細やかな対応が求められる相談も増えています。件数は横ばい(年間約13,000件)ですが、かつてに比べ1件あたりの対応時間は明らかに増加しており、現場の疲弊は深刻です。

  • 課長 1名:課全体の管理
  • 課長補佐 1名:実質的な実務責任者
  • 担当者(事務職) 3名:窓口管理・PIO-NET入力チェック・統計分析・事業者指導 等
  • 消費生活指導員(相談員の上位職) 2名:国家資格保有。事務職と相談員の間の調整業務・業務に必要な情報収集と相談員への周知。困難案件の相談員への助言や担当相談員不在時のフォロー・相談員が行った助言についてのクレーム処理。新人相談員のマンツーマン教育も担当
  • 消費生活相談員 16名:国家資格保有。消費生活相談の助言・相談のPIO-NET入力

現状の業務フロー

①相談受付・ヒアリング → ②調査・助言 → ③事後処理・システム登録 → ④事務職による入力チェック・修正 → 完了 の流れとなります。

① 市民からの消費トラブルの相談を電話・窓口・メールで受け付ける。

BtoCのトラブルが対象で、BtoBやCtoCのトラブルは関係機関(法律相談窓口・司法書士会など)につなぐ。

(例:SNSの怪しい広告で「初回980円」の商品を購入したら、注文していないのに高額な2回目の商品が届いて定期購入だったことが分かった…といった「デジタル被害」が急増している)

② 電話の場合、相談員は電話を受けながら、国の専用システム「PIO-NET」にある過去事例を参照したり、知識や経験則をフル活用し、不明な事項はインターネットで素早く検索し、助言を行う。

ベテランなら助言までの道筋を瞬時に導き出せるが、新人は電話を保留し、「これはどう対応すれば?」と指導員に確認する場面が頻発し、その間は電話に出られない。1件の対応に時間がかかるほど、次の市民の電話は鳴り続ける。また、相談者からの聞き取り方によって助言できる内容が変わるため、新人は聞き取り方についても指導される。

③ 電話が終わった後、相談員は手書きのメモを見ながら「PIO-NET」への入力作業を行う。

このシステムでは、統計的な分類のために、冊子1冊分に及ぶ分類キーワードから適切なものを選び、設定する必要がある。しかも、ルールが複雑で習得が難しい。

④名古屋市では、相談員が入力した記録を事務職が全件確認し、企業名や相談記録の校正、正しいキーワードが設定できているかをチェックする業務を行っている。

※相談以外の事務処理で、かなりの工数がかかっている現状。

※複雑な案件ではPIO-NET入力だけで多くの時間がとられ、その間、相談員は次の電話に出られない。電話が取れない→市民が繰り返し架電する→着信数がさらに増える→ますます取れない、という負のスパイラルが固着している。

※メール相談は直近2年間で3.4倍に急増。受信→担当職員が振り分け→相談員がPIO-NET上で相談概要入力、助言内容を作成→事務職が助言内容をメールに入力しなおし返信、という複数人を介したフローが担当職員の業務を圧迫。AIの浸透で、スマホで助言を求めることが身近になったためか、メール相談の件数は鰻のぼり。

※PIO-NETで記録されているデータの内容・分類イメージは右記を参照(https://datafile.kokusen.go.jp

業務規模

  • 年間相談件数:約13,000件(横ばいで推移)
  • 対応専門職員:消費生活相談員16名+指導員2名(計18名)
  • 入電件数:令和6年度3万6千件

→令和7年度4万9千件(約1.4倍)

  • メール相談:令和5年度189件

→令和6年度271件(令和5年度比1.4倍)急増!

→令和7年度644件(令和5年度比3.4倍)急増!

    • 相談員平均年齢:59歳(60歳以上が過半数)
    • 全国の消費生活センター数:約850拠点

抱える課題(相談員の高齢化と新人育成)

相談員の世代には偏りがみられ、現在、中心世代が退職年齢に差し掛かりはじめていることから、ベテラン相談員の退職が相次いでいます。仕事としての意義はあるものの、クレームなども多く心労のかかる業務内容であり、負担に耐えかね多くの相談員が65歳前に退職しています。育成には約5年を要しますが、新規の応募者は50代以上が中心で若手確保も困難です。

現在は、5年未満の経験の浅い相談員5人に対し、経験年数5年以上の中堅・ベテラン相談員13人で必死に窓口を運営している状況ですが、既に現場は限界に達しています。5年後には、経験の浅い相談員9人に対し、中堅・ベテラン9名になると試算され、このままでは近い将来、窓口機能そのものが崩壊するかもしれません。

変えたいポイント

  • 新人の相談聞き取り時の技術不足(聞き取り事項と助言は連動する。聞き取り不足だと充分な助言ができない)
  • 新人が助言の判断に迷うたび相談対応を保留、指導員に確認
  • 電話しながら手書きメモ→終話後にPIO-NETへ手動入力・キーワード設定
  • 増えているメール相談の処理を効率化
  • 過去の相談事例から類似事例を検索・提示
消費者支援の最後の砦である相談窓口を守るため、ベテランの暗黙知をAIで補完し、増加する相談に対応できる仕組みを一緒に作ってくれるパートナーを募集しています!
求める解決策

電話・メール相談対応のアシストやPIO-NET入力のアシストにより、

  • PIO-NET入力にかかる1件あたりの平均時間の削減
  • 相談対応数の改善
  • 経験年数によらない一定品質の相談対応
  • ベテランの暗黙知の代替、継承による大量退職後の窓口機能存続

などを実現できる手法

想定する実証内容

消費生活相談業務への生成AIやAIエージェントを活用した、

次のような実証を想定しています。

①過去事例を参照した新人相談員の支援(聞き取りと助言のアシスト)

リアルタイムでの質問のアシスト。電話の自動音声入力によりリアルタイムにAIが相談内容を把握し、過去の類似事例等から次の聞き取り事項や助言内容をパソコン上に提示。相談に関連する用語等も画面上に表示。電話による自動音声入力が望ましいが難しければテキスト入力可。また特定商取引法・消費者契約法・割賦販売法などよく参照する法令からの参考情報提示も視野に入れたい。

②PIO-NETキーワードと要約の自動生成(入力アシスト)

相談内容から要約文を作成、キーワード候補を自動サジェスト→コピー&ペーストで完結

③メール相談のアシスト

メールの受信内容からAIが返信案を自動作成・PIO-NETに入力する要約文を作成、キーワード候補をサジェスト→メールは確認・送信のみ、PIO-NET入力はコピー&ペーストで完結。

提供可能なデータ・環境等

データ

  • 過去の消費生活相談情報一覧Excel(相談概要・助言内容・PIO-NETキーワードがデータ)

– 件数:過去1年分・約1万3,000件規模

– 形式:Excel

– 提供条件:個人情報・企業情報を除いたデータを提供予定

  • 参照Webサイトのリンク一覧(国民生活センター公式サイト等)
  • PIO-NET分類キーワード一覧(業務フロー及び情報の管理・保管について当課及び事業者、国民生活センターの三者間で要調整)

※PIO-NETで記録されているデータの内容・分類イメージは以下を参照(検索画面の?マークをクリックすると分類が見られます)

https://datafile.kokusen.go.jp/

※PIO-NET分類キーワード一覧の提供には、別途誓約書の提出が必要

※提供する資料・データの取扱いにあたっては本市「情報等取扱注意項目」を順守すること

フィールド

  • 名古屋市消費生活センターの相談執務スペース
  • 実際の電話相談業務が行われる現場環境での実証が可能

人的リソース

  • 担当者(事務職)が開発の伴走に対応可能
  • 消費生活相談員・指導員・事務職による実証検証への協力が可能

 (相談員が作成した記録との比較評価や、相談員に対するアンケートなど)

その他

  • 実証成果のプレスリリース・メディア掲載への協力
  • 他自治体消費生活センターへの横展開に向けた事例化・紹介への協力意向あり
  • 実証後も継続的な関係構築を希望(次年度の予算化または個別交渉での継続検討)
留意事項
データの機密性
  • 機微な情報を扱うため機密性を担保すること。外部から学習されないような仕組みとすること(ローカルで動作する設計またはクラウド活用においても機密性を担保する処理が必要)
  • PIO-NETのキーワード一覧は国民生活センターの情報であるため、国民生活センターの情報管理規程の順守が必要。また、情報フローや情報の保存場所について、国民生活センターを交えた三者で調整が必要。
PIO-NETへの入力方法
  • API連携・直接書き込みは不可。CSVインポート機能は存在しない。コピー&ペーストによる手動転記が前提となる。
ハルシネーション対策
  • AIの出力には必ず参照元(過去事例ID・WebURL等)を付記し、相談員が根拠を確認できること
PIO-NETの更新
  • PIO-NETが今年9月リニューアルされる予定
現地確認
  • 現地(名古屋市消費生活センター)において、実際の業務フロー・PIO-NET画面の確認をすること。
実証後の発展性

本格導入の道筋

実証成果によっては、Hatch Technology NAGOYA終了後の導入・予算化を検討します。

横展開の可能性

相談員の高齢化・人手不足・PIO-NET入力負担は全国850のセンターが抱える構造的課題です。消費者保護の最後の砦である相談窓口の存続に、テクノロジーで貢献できます。

求める専門性
  • RAG(検索拡張生成)またはローカルLLMの実装経験
  • 個人情報・機密情報を扱うセキュアな環境での開発実績
  • 自治体・公共機関向けのAIシステム導入実績
  • 音声認識・文字起こしAIの実装経験(コールセンター向け等)
  • ドメイン特化型のキーワード分類・自然言語処理の開発経験

Hatch Technology NAGOYA 2026 オンライン課題説明会

開催日時:


今年度募集する16課題について、市職員と対話し理解を深めていただく課題説明会を開催しますので、ぜひご参加ください。

【開催概要】
◯ 日時:2026年6月30日(火)13:00〜15:30(2時間30分)
◯開催方法:Zoomミーティング
※参加申し込み頂いた方に接続先URLをお知らせします。
※お一人ずつお申し込みください。
◯申込み方法
参加申込みフォームよりご登録ください。
https://www.hatch-tech-nagoya.jp/info-session/
◯ 当日プログラム
課題の分類ごとに2部構成でお届けします。

●第1部 行政課題編(8課題)
13:00〜13:05 5分 挨拶 名古屋市次世代産業振興課
13:05~13:15 10分 Hatch Technology NAGOYA 事業説明
13:15〜14:00 45分 ブレイクアウトルーム(分科会) 各担当部署と企業で質疑応答
14:00〜14:05  5分 よくあるQ&Aの紹介、全体QA、応募の注意点
14:05〜14:30  25分 休憩

●第2部 社会課題編(8課題)
14:30〜14:40 10分 Hatch Technology NAGOYA 事業説明
14:40〜15:25  45分 ブレイクアウトルーム(分科会) 各担当部署と企業で質疑応答
15:25〜15:30  5分 よくあるQ&Aの紹介、全体QA、応募の注意点、クロージング 事務局
15:30 終了

選考基準・スケジュール・よくある質問など

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