Urban Innovation JAPAN


残り31

締 切

健康福祉局 生活衛生部 食肉衛生検査所

AIカメラが守る、食の安全とアニマルウェルフェア

実証支援金:最大150万円

負担金の支払い
実証にかかる経費の一部を本市が負担します。※消費税等も対象
行政課題1件あたり150万円まで
社会課題1件あたり300万円まで

Story

問い:どうしたら、AIカメラを活用した搬入時スクリーニングにより、豚に不要なストレスを与えることなく、と畜検査員の生体検査負担を大幅に削減できるだろうか?

詳しくはこちらの動画をご覧ください!

ご応募お待ちしております!

課題詳細・想定する実証内容

課題の背景

食用の豚は、と畜場法に基づき「と畜検査員(公務員獣医師)による全頭生体検査」が義務付けられています。現在、1日最大1,000頭に及ぶ検査はすべてと畜検査員の目視に委ねられており、深刻な業務負荷とアニマルウェルフェア上の課題を抱えています。

業務フロー

  • 業務プロセスのステップ:
  1. 豚の搬入(前日夕刻 or 当日)
  2. 出荷者単位で色を変えたペンキを豚の背中に付ける(単位規模によって付けない場合もある)
  3. 係留・休息(と畜の順番が来るまで)
  4. 強制起立・生体検査(目視・望診)【★課題発生ポイント】
  5. 判定・記録
  6. とさつラインへの移動

【前日夕方(~17:00)と翌朝(6:00~)】出荷者が豚をトラックで南部市場の建屋内へ搬入。建屋はクローズド環境(音・匂い漏れ防止設計)で、車ごと建物内に入りシャッターを閉鎖後、係留所(約870頭収容)の「マス(10頭単位)」に誘導される。

【と畜開始に向けて】と畜検査員の勤務開始まで、豚は前夜もしくは早朝から係留所でのんびり休息している。しかし、と畜作業が始まると、と畜検査員は係留所に赴き休息中の豚に、1頭ずつ声をかけたり棒で刺激を与えたりして「起こし、立ち上がらせ」、歩様(跛行)・外貌(耳・鼻の変形、体表の腫れなど)を目視確認する作業を行わなければならない。

変えたいポイント

  • アニマルウェルフェアの視点
    • 休息中の豚を強制的に起こし、立ち上がらせる行為は、豚にストレスと苦痛を与えている。世界的にアニマルウェルフェア(動物福祉)への要求が高まる中、「休息を妨げて棒で刺激を与える」行為はできる限り避けたい。
    • 休息中の豚を起こし、検査したい箇所を目視検査するために立ち上がらせると、マスの豚全体がざわざわし、声をあげたり、驚いて豚の上に乗りあがったりする。
  • 職員の業務負荷及び心理負担の軽減
    • 全頭を立ち上がらせ生体検査を行うことは、時間的・体力的に相当な負荷が生じている。また、休息中の豚に刺激を与えて立ち上がらせる行為は、これから食肉に加工される豚のことを思うと職員の心理的な負担も大きい。
  • 腹部異常という目視の効率化
      • 臍の膨らみや袋状の垂下物など腹部の異常は、下方から見なければ把握できない。現在の目視検査では物理的に確認が困難であり、見落とさないための確認に時間を要する。

【検査項目や症例】

パターン

現れ方/外観

出現頻度ほか

跛行(足の引きずり)

歩行時の力の入り方が左右不均等

動画的な動き検知が必要。右/左どちらかの特定も重要

R7:約1,000 / 218,771頭

腫れ・できもの

体表のぽこっとした膨らみ

部分廃棄/場合により精密検査

R7:約1,000 / 218,771頭

尾咬まれ

尾の外傷

(豚は行動に現れにくい)

該当部位の部分廃棄

R7:約500 / 218,771頭

腹部異常

臍の膨らみ、袋状の垂下物

下方から見ないと把握困難(現状の盲点)、部分廃棄

R7:約1,000 / 218,771頭

豚丹毒菌による皮疹

皮膚の一部に菱形の赤い発疹(約5×5㎝)

とさつ禁止(全頭除外)

R7:1 / 218,771頭

鼻の変形

鼻が曲がっている

とさつ禁止の場合がある

R7:4 / 218,771頭

熱中症/発熱

口を開けて呼吸している、泡を吹いている、皮膚全体が紅潮、

外見では分かりにくい場合もある

(豚は汗腺が少なく暑さに弱い)

41℃超でとさつ禁止

R7:約100 / 218,771頭

耳の変形

外耳のくちゃくちゃ、丸まり

耳を食用不可として部分廃棄

R7:約500 / 218,771頭

  • 到着時に自力歩行できない豚は、別枠へ誘導される。
  • とさつ禁止となる症状をとさつ前に検知できれば、農家の損害回避に寄与できる。

対象業務の規模

  • 名古屋市中央卸売市場南部市場の中に、名古屋市南部と畜場がある
  • 名古屋市 南部市場の豚搬入数:800〜900頭/日(最大1,000頭)
  • 全国のと畜場:約159か所、年間約1,600万頭の豚が生体検査を受けている。
  • 異常個体の発生頻度は病変により異なり、200頭に1頭程度から、20万頭に1頭程度まで様々
求める解決策

搬入時に豚のスクリーニングを行うことにより、

  • 毎朝の「全頭つつき起こし作業」の対象頭数の削減
  • 異常個体の所在を出荷者(ペンキの色ごと)単位(10~100頭単位)で特定

を実現する手法。

将来的には以下の様なレベルにつながる実証を歓迎しています。

  • と畜検査員による翌朝の「異常疑いマスのみを重点確認」する体制の確立
  • と畜検査員業務の完全代替ではなく、「補助・優先度付けツール」として、法令適合型の検査支援システムの構築
想定する実証内容
  • 搬入通路(クローズド環境)に上方・左右側面等にカメラを設置し、数頭の群で通過する豚の映像をリアルタイムまたは準リアルタイムで解析するシステムの実証が想定されます。
  • 既存AIカメラ技術(体重推定・健康管理等)等をベースに、「クローズド通路・通過型・検査項目対応」という本件固有の要件に適応させる技術開発が期待されます。
  • 検知結果は翌朝の検査開始前に、出荷者単位のアラートとしてと畜検査員に提示するUI/UXが有力な実装イメージです。
  • 下方撮影については、透明パネルやステップ型ゲートなど、豚の動線設計を含めた物理的な工夫も含む提案を歓迎します。豚の特性として、視覚的に床面が連続して見えるような設計にするとスムーズな動線が可能となります。
提供可能なデータ・環境等

データ

  • と畜検査員が判定した検査結果(OK/NG・疾患種別)の記録(教師データとして提供予定)

※既存映像データは現時点では保有なし(実証開始後に収集)

フィールド

人的リソース

  • 所長補佐(と畜検査員(公務員獣医師))が主担当として伴走(関係者の許可取得や合意形成も行います)。
  • 現場のと畜検査員24名による検査判定結果をフィードバックデータとして提供可能。
留意事項
  • 建屋(南部市場)の管理主体は経済局 中央卸売市場南部市場管理課であり、カメラ設置工事には管理課の許可が必要。
  • 出荷者(搬入事業者)・卸売業者・と畜業者が現場に出入りするため、撮影範囲・プライバシー対応の合意形成が必要。
  • 下方撮影(腹部確認)は、係留所の床と壁がほぼコンクリートのため物理的な工夫が必要。
【稼働時間】
  • 前日夕方と早朝の搬入時に自動撮影・解析が完了し、毎朝の検査前(8:00まで)に結果表示できることが要件。
  • システム利用はと畜検査員の勤務時間(7:45〜16:30)に完結する設計が必要。
【現場視察】
  • 選定後、早期の現地視察を希望(搬入通路・係留所・カメラ設置候補位置の実地確認)
実証後の発展性

実証成功時の展開

  • 本実証の結果によっては、再来年度(2028年度)以降の予算化・正式導入を目指します。

横展開の可能性

  • と畜検査員(公務員獣医師)の慢性的な人材不足・過重労働解消への貢献、アニマルウェルフェア向上など、食肉業界全体の認知度および社会的印象の向上に貢献するため、と畜場向けAI検査補助システムとして、全国約160か所のと畜場への展開可能性があります。
  • 名古屋市として、事例化・他自治体への情報提供・視察受け入れ等の協力姿勢があります。
求める専門性
  • 動画診断(物体検出・異常検知)の開発実績
  • カメラ設置を含むハードウェア×ソフトウェアの統合的な運用実績
  • 養豚場・畜産向けAIカメラシステムの開発・導入実績
  • エッジAI(ネットワーク非依存の端末内処理)の実装経験
  • 食品安全・公衆衛生分野でのシステム導入経験

Hatch Technology NAGOYA 2026 オンライン課題説明会

開催日時:


今年度募集する16課題について、市職員と対話し理解を深めていただく課題説明会を開催しますので、ぜひご参加ください。

【開催概要】
◯ 日時:2026年6月30日(火)13:00〜15:30(2時間30分)
◯開催方法:Zoomミーティング
※参加申し込み頂いた方に接続先URLをお知らせします。
※お一人ずつお申し込みください。
◯申込み方法
参加申込みフォームよりご登録ください。
https://www.hatch-tech-nagoya.jp/info-session/
◯ 当日プログラム
課題の分類ごとに2部構成でお届けします。

●第1部 行政課題編(8課題)
13:00〜13:05 5分 挨拶 名古屋市次世代産業振興課
13:05~13:15 10分 Hatch Technology NAGOYA 事業説明
13:15〜14:00 45分 ブレイクアウトルーム(分科会) 各担当部署と企業で質疑応答
14:00〜14:05  5分 よくあるQ&Aの紹介、全体QA、応募の注意点
14:05〜14:30  25分 休憩

●第2部 社会課題編(8課題)
14:30〜14:40 10分 Hatch Technology NAGOYA 事業説明
14:40〜15:25  45分 ブレイクアウトルーム(分科会) 各担当部署と企業で質疑応答
15:25〜15:30  5分 よくあるQ&Aの紹介、全体QA、応募の注意点、クロージング 事務局
15:30 終了

選考基準・スケジュール・よくある質問など

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