Urban Innovation JAPAN


残り31

締 切

防災危機管理局 地域防災課

受付だけで終わらない避難所運営DXを。運営者の支えと避難者の安心をAIで

実証支援金:最大300万円

負担金の支払い
実証にかかる経費の一部を本市が負担します。※消費税等も対象
行政課題1件あたり150万円まで
社会課題1件あたり300万円まで

Story

問い:どうしたら、避難所運営者の負担を減らしながら、避難者一人ひとりの心と体の健康を守ることができるだろうか?

詳しくはこちらの動画をご覧ください!

ご応募お待ちしております!

課題詳細・想定する実証内容

課題の背景

避難所の運営は、いまもそのほとんどが「紙・手書き・人の経験」で成り立っています。受付も、名簿づくりも、物資の計算も、本部への報告も、ひとつひとつが手作業です。このアナログな運営が、いま2つの問題を同時に生んでいます。

【課題①】避難所を運営する人の負担が大きい

災害時に避難所を切り盛りするのは、市の職員だけではなく、自らも被災した地域住民——その多くは高齢の方々です。受付票を何枚もの名簿に書き写し、紙の山から「薬が必要な人」を探し出し、物資の数を手で計算し、本部へFAX等で報告する。この膨大な作業が、心身ともに限界に近い運営者に重くのしかかります。

【課題②】避難者一人ひとりに、必要な支援が届かない

受付票には、年齢・持病・服薬・配慮事項といった大切な情報が書かれています。しかし、それらは紙のまま現場に埋もれ、本部に届く頃には「避難者◯人」という数字だけに丸められてしまいます。結果として、本当に支援が必要な人に支援が届かず、長引く避難生活の中で体調を崩す人が出てしまう。最悪の場合、それは災害関連死という二次災害につながります。

この2つは、根っこが同じです。「一人ひとりの情報が、紙で分断され、活かされていない」ことが、運営者の負担と避難者の不安、その両方を生んでいます。

だからこそ、解決の方向も一つにまとまります。本プロジェクトでは、避難所の内外で集まる情報をデジタルで一つにまとめ、その情報を使って——運営者の手をできるだけ借りずに——避難者と運営者の心身の安定や過ごしやすさを支える仕組みを目指します。

加えて、名古屋ならではの事情があります。

人口の多い都会でありつつも車社会のため、避難所に入らず車中泊を選ぶ人や、自宅にとどまる人が多くなります。こうした「避難所の外にいる避難者」には、情報も支援も簡単には届きません。南海トラフ地震の想定では、発災1週間後の避難所避難者18.5万人に対し、車中泊・在宅避難者は18.8万人。この見えない避難者をどう支えるかも、本プロジェクトの大切なテーマです。

業務フローと課題

●  業務フロー(全体像)

詳細は本市「指定避難所運営マニュアル」第2章 避難所運営シートをご参照ください。

名古屋市公式ウェブサイト「避難所の運営」のページ

● 各工程で、いま起きていること

  • 受付:紙の受付票(避難者登録票・要配慮者調査票)に手書きで記入してもらい、そこから複数の名簿(避難者・傷病者・要配慮者・ペット)へ一枚ずつ転記。車中泊・在宅避難者も最寄りの避難所で同じ登録が必要。
  • 情報の管理:「高齢者は何人か」「薬が要る人は誰か」を知るには、受付票を一枚ずつ手で確認するしかなく、被災し疲弊した中での作業負担が大きい。本部に届くのは各避難所の「人数」だけで、属性やニーズの詳細は伝わらない。
  • 環境整備・情報提供:避難者への連絡は声かけ・掲示板・紙の配布が中心で、必要な情報が一人ひとりに確実に届く保証がない。避難所の外にいる人にはなおさら届きにくい。
  • 物資の要請・配分:一人ひとりの属性に合わせた必要量の算出には膨大な手間がかかり、結局「人数割り」に頼りがち。届いた物資は紙の名簿と照らし合わせて配分し、車中泊・在宅避難者の手元には届きにくい。
  • 本部への報告:避難者名簿、被災・生活状況、ボランティア要請、避難所日報、要配慮者の移送依頼、給水・食料・物資の要請など、多数の様式を手書きで作成しFAX等で報告。様式を作るたびに大きな労力がかかる。

対象業務の規模

  • 指定避難所数:市内805か所
  • 南海トラフ地震の想定避難者数(発災1週間後)

避難所避難者     :185,000人

車中泊・在宅避難者  :188,000人

※ 車中泊・在宅避難者についても最寄りの避難所で状況把握や情報提供を行うこととなっており、紙での管理は困難な状況が危惧されます。

変えたいポイント

【現状】

  • 本部が把握できるのは「避難所ごとの人数」だけ。一人ひとりの状態やニーズは届かず、支援に必要な判断が難しい。車中泊・在宅避難者の所在もわからない。

【目指す姿】

  • (軸①)避難所の内外の情報を、少ない手間で集め・共有できる情報基盤をつくり、運営者の負担を減らす。
  • (軸②)その情報を使って、運営者の手をできるだけ借りずに、避難者・運営者の心身の安定や過ごしやすさを高める仕組みを実現する。
求める解決策
  • 避難所運営業務にかかる時間の短縮
  • 避難所への避難に対して「安心して避難生活が出来そう」「避難所での生活も過ごしやすい」と考える避難者の割合の増加
    を実現できる手法。

最終的には、以下の姿を目指しています。

  • 避難所の内外を問わず、避難者一人ひとりに必要な支援を届けるための情報基盤と分析が可能となるよう、AI等を活用した仕組みを、名古屋市で社会実装すること。
  • 単なる効率化(マイナスの解消)にとどまらず、集まった情報(年齢・服薬状況など)を活かして、避難者の心身の安定や過ごしやすさを高めること(プラスの価値)。
  • AI等を活用して、一人ひとりの健康情報を把握・整理し、健康管理につなげ、必要に応じて適切な保健・福祉につなぐこと。
想定する実証内容

本市はすでに、受付のデジタル化(マイナンバーカード・QRコード・Webフォーム等)を試しており、「避難所避難者の受付を速くする」ことは検証済みです。そのため本プロジェクトで求めるのは、その先です。

<求める方向性>

  • 受付のデジタル化やデータベース化にとどまらず、集めた情報を活かして「避難者の心身の安定や過ごしやすさを高める(関連死などの二次災害を防ぐ)」先進的な技術を求めます。
  • ゼロからの開発は必須ではありません。土台となるデータベースや受付システムは、kintoneや他社の既存サービスの活用(API連携等)でも構いません。集めた情報を「どう活かすか」に力を注いでください。
  • 現場では手書き(紙)の受付が多く残ると見込まれます。完全デジタルに限定せず、アナログとデジタルを橋渡しするハイブリッドな仕組みがあると、なお望ましいです(ベター要件)。

<実証で扱いうる業務の範囲>

  • 避難者の受付(マイナンバーカードをはじめ、多様な受付手段)
  • 避難者名簿の作成
  • 車中泊・在宅避難者の把握
  • 避難者への情報発信
  • 関係者間でのリアルタイム情報共有
  • 避難者の物資ニーズや健康状態の分析
  • 本市避難所運営マニュアルに定める業務 など
提供可能なデータ・環境等

データ

避難所運営マニュアル(概要版・PDF)
避難所の運営|名古屋市公式ウェブサイト(詳細版)

フィールド

名古屋市内の地域防災訓練会場(指定避難所)※調整中

人的リソース

  • 地域防災課担当者によるプロジェクト伴走
  • 市職員・周辺担当課スタッフの訓練参加協力(要相談)
  • 地域住民(自治会協力委員・自主防災組織):実際の運営主体として参加
留意事項
  1. 実証時期:区役所・地域住民との事前調整が必要です。地域防災訓練(例年1〜2月が多い)に合わせる場合があります。調整は原則、地域防災課が行います。
  2. 連携範囲:基幹システム(被災者台帳・住民基本台帳等)へのAPI連携は今回のスコープ外です。実証はダミーデータ・独立環境での検証に限定します。
  3. 個人情報:個人情報保護法に基づく適切な管理が必要です。
  4. 通信:発災から数日後以降、通信が復旧した前提で設計します。発災直後のオフライン環境下で、端末内にデータを一時保存し、復旧時に自動でクラウド等へ一括同期する仕組みがあれば高く評価します(将来的な理想形であり、必須ではありません)。
  5. 機器・電源:避難所に自由に使えるPCやWi-Fi環境はありません。電源は小型発電機の利用を想定しており、実証に用いる機器(一般的なノートPC・タブレット等)は持ち込みを前提としてください。
  6. 現地確認:指定避難所・訓練会場への訪問を歓迎。地域防災訓練の見学同行も調整可
実証後の発展性

本実証(PoC)で有効性を確認後、名古屋市の正式事業として予算化を検討します。

  • 人口約230万人の名古屋市での実装実績は、同規模の政令指定都市への提案における大きな差別化要因になります。
  • 全国の指定避難所が共通して抱える「アナログ対応の限界」に正面から取り組む先進事例として位置づけられます。
  • 人口約230万人の名古屋で形になれば、国の防災DX推進政策と連動したスケーラブルな展開が期待されます。
求める専門性
  • 自治体・行政分野、または医療・福祉・イベント管理等の「現場運用の複雑さ」を理解したシステム開発経験
  • ITリテラシーを問わず誰でも直感的に操作できる「ほぼ説明なしでも使える極めてシンプルなUI/UX」の設計経験(地域の高齢者が運営主体となる環境を想定)
  • LINE・SMS・Webフォーム等、既存チャネルを活用したデータ収集の実装経験(新規アプリ不要の設計)
  • 生成AI・AIエージェントを活用したデータ解析・自動判断支援システムの開発経験
  • 多言語対応・ユニバーサルデザインを考慮した、拡張可能なシステム設計の経験

Hatch Technology NAGOYA 2026 オンライン課題説明会

開催日時:


今年度募集する16課題について、市職員と対話し理解を深めていただく課題説明会を開催しますので、ぜひご参加ください。

【開催概要】
◯ 日時:2026年6月30日(火)13:00〜15:30(2時間30分)
◯開催方法:Zoomミーティング
※参加申し込み頂いた方に接続先URLをお知らせします。
※お一人ずつお申し込みください。
◯申込み方法
参加申込みフォームよりご登録ください。
https://www.hatch-tech-nagoya.jp/info-session/
◯ 当日プログラム
課題の分類ごとに2部構成でお届けします。

●第1部 行政課題編(8課題)
13:00〜13:05 5分 挨拶 名古屋市次世代産業振興課
13:05~13:15 10分 Hatch Technology NAGOYA 事業説明
13:15〜14:00 45分 ブレイクアウトルーム(分科会) 各担当部署と企業で質疑応答
14:00〜14:05  5分 よくあるQ&Aの紹介、全体QA、応募の注意点
14:05〜14:30  25分 休憩

●第2部 社会課題編(8課題)
14:30〜14:40 10分 Hatch Technology NAGOYA 事業説明
14:40〜15:25  45分 ブレイクアウトルーム(分科会) 各担当部署と企業で質疑応答
15:25〜15:30  5分 よくあるQ&Aの紹介、全体QA、応募の注意点、クロージング 事務局
15:30 終了

選考基準・スケジュール・よくある質問など

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