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応募終了

豊橋市 福祉部 長寿介護課

介護保険認定調査の効率UP!訪問スケジュール最適化ツールの開発

採択企業
あっとクリエーション株式会社

Point

解決したい課題

年間約5,000件、12名の調査員で行う介護保険の認定調査予定作成を効率化したい

想定する実証実験

訪問時間に配慮が必要な病院や施設を含め、市内一円に調査に出向くための調査の組合せ提示や、予定管理ツールの開発と検証

Story

集合写真

介護保険の認定調査という仕事ご存知ですか?

介護に関する仕事というと、ヘルパー、ケアマネジャーなどを思い浮かべると思いますが、『認定調査』という仕事はご存知ですか?

介護保険のサービスを利用するためには、まず『要介護認定申請』をします。申請の後行われる、認定調査の結果と主治医からの意見書を基礎資料として、『認定審査会』が行われ、介護度が認定されます。対象者に会ったことがない審査委員が、正しく審査するのに必要な情報を調査してくるのが調査員の仕事です。

介護度

認定調査では、対象者やそのご家族等と面談し、全国共通の判断基準に従って、74項目の調査を行います。調査員は”ビデオカメラ”と呼ばれたりします。対象者の日頃の生活状況や心身状況についてどのような状況にあり、また、家族やヘルパー、施設の職員など介護者がどのような支援をしているのか、審査委員に的確に伝える役割を担っているためです。認定調査は、介護サービスを利用するための土台となる仕事なのです。

介護認定のフロー

豊橋市の要介護認定者

介護保険制度がスタートした2000年豊橋市の要介護認定者は約4,000人でした。ところが、20年経過した現在、当初の約3.7倍、およそ15,000人にまでに増加しています。。5年後には、団塊の世代が75歳に到達するため、今後も介護保険を必要とする方が増えていくことは容易に想像でき、認定調査の件数が増加していくことも、目に見えています。

第7期豊橋市高齢者福祉計画より
第7期豊橋市高齢者福祉計画より

日程調整の困難さ 時間が足りない!

豊橋市役所の調査員は、12名体制で、年間約5,000件の調査を行っています。勤務時間が週31時間の非常勤職員のため、1日の勤務時間は約6時間です。訪問日程の調整後、対象者のところに行き、面談し、調査票を作成しますが、移動に0.5時間、面談に1時間、調査票作成に1.5時間と1件あたり3時間前後要するため、1日2件がやっとの状況です。

そして実は、認定調査に付随する業務の中でも特に負担がかかっていたのが、この日程調整です。2件なら、日程調整も何とかなるのでは?って思いますよね。

調査員は1日の半分は訪問に出掛けているので、訪問の隙間時間を使い日程の連絡をしています。ただ、1日のうち調査に出る時間と帰庁して調査票を作成する時間が被ることが多いため、5人に1台しかない電話を調査員同士で譲り合いながら日程の連絡を行うことになります。

しかし、対象者との連絡がスムーズに取れなかったり、都合が思うように合わないことや、当日キャンセルにより急な訪問調整をするなど、予定が思うように組めない結果、一人の調査員が市内の端から端まで約40キロ以上を車で移動することもありました。(非効率ですよね・・・)

日程調整に頭を悩ませて、本来の調査票作成のための“時間”が削られてしまうような事態を課題だと感じた私たちは、調査業務の見直しを行い、予定調整専属の事務職員を配置して、調査予定管理の一本化に踏み切りました。

エリアマップ
病院の場所や、遠方調査エリアのメモが入った市全体の地図

予定調整の一本化から見えた新たな問題

調査予定の一括管理により、日程調整にかかる時間削減のほか、訪問にかかる移動時間の短縮が実現され、調査員は1日当たり30分程度の時間確保ができました。

では、専属で管理を始めた事務職員の方は、といいますと・・・予定全体を管理でき、急なキャンセル時も調査員が出先から向かいやすい代替案を提示できるなどメリットを感じながらも、調整にはかなり苦労しています。基本的な調整の流れをご説明します。

① 毎日20~60件申請される申請書を、エリアごとに分類し、その中からさらに近隣の組合せを選びます。(担当者の土地勘が進捗スピードを左右します。)

② 調査対象者の心身の状態や、病院等の訪問ルール、移動距離を考慮して、担当者を決めます。(毎日移動が多いと疲れるので負荷を分散します。)

③ 訪問予定の連絡を入れ、日程の提案をします。(不通だった方は後日再調整)

④ 決まったら調査員の予定一覧に書き込みます。

これだけでも、かなりの苦労があるのですが、日程が一度決まったものの、入退院や、転院、急なキャンセルがあった場合は再調整をします。予定の管理はすべて、紙と手作業で行っていて、消し忘れなど人為的ミスに繋がり、予定がダブルブッキングしてしまったことも。また、この方法では調査員不在時に起こっていたように、事務職員不在時に日程調整を進められないという欠点が解決されていませんでした。

電話と紙の運用
申請書と日程調査表

より効率よい方法を求めて

そこで、調査予定調整を誰でも担当できるようにしたいと考えています。より分かりやすく、共有しやすい仕組みにするため、

①調査先の組合せ候補を、移動の効率や優先度の高い順に提案してくれるツール

②日程調整の進捗をデータ管理できるツール

の開発をお手伝いいただけるスタートアップを探しています。
この仕組みの実現により、

⇒ 滞りなく、確実に日程調整ができる

⇒ 繁忙状況に応じた臨機応変な事務分担を可能にする

⇒ 要介護認定をスムーズに進められる

⇒ 介護を必要とするみなさんの安心に繋がる!

のです。

要介護認定を円滑にし、介護を必要とするみなさんへ一緒に安心を届けませんか。応募をお待ちしています。

集合写真
介護を必要とする人たちのミカタ!長寿介護課のメンバー

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Vision

実現したい未来

日常生活に不安があり要介護認定申請を提出している申請者に、申請後のレスポンスを早めることで、早く安心してもらいたい

得られるもの

要介護認定調査は全国で実施されており、今後さらなる高齢化に伴って、認定調査件数も増加していくため、効率化ツールへの関心は高い

Outline

背景 豊橋市では年間約13,000件の要介護認定申請があり、外部委託を除いた約5,000件について、12名の市役所調査員が、訪問調査を実施している。
専属の事務員が訪問予定を調整し各調査員に割り振っている。担当者に割り振る際には、
・調査員には1日2件を割り振る
・できる限り近くの2組をセットにする
・病院、施設の訪問可能時間を考慮する
・個々の調査員の経験年数を考慮する
・市内遠方の調査は、12名に均等に割り振られるよう考慮する
調査の管理は、申請書を用いた紙ベースで管理している。
課題(詳細) 日程の提案は思ったように決まらないことも多く、意図した組合せの作成が不調に終わった時、次候補の選出に時間を要することや、効率よい組合せを実現するために、住宅地図を用いながら進めていくため、選定に時間を要している。
また、管理がデータ化されていないため、申請書をめくりながら予定調整する候補の検索や、連絡待ち、保留案件の進捗管理も煩雑で、対象者からの問合せや、日程提案後の返信を受けても、即答できない状況である。
求める解決策 申請書と調査員の情報を電子データで管理し、訪問の組合せの自動提示や、進捗管理を行えるようにすること。
付加的・発展的な要素 誰でも訪問調整を進められるようになることや、事務効率が上がることで、繁忙時の窓口業務への従事や、審査前の調査票の点検事務など、状況に合わせた業務分担が可能になる。
想定する実証実験内容(詳細) 一定のルールに沿って、提案される調査予定の組合せの検証
求めるスタートアップ像 高齢者介護・福祉分野の社会課題解決に本気で取り組もうとしているスタートアップ
ITツールに不慣れな調査員や事務員にも丁寧にサポートしてくれるスタートアップ
スタートアップに求める条件 庁内で打ち合わせができること。ただし、遠方の場合は随時オンラインでの打合せも可。
提供可能なデータ・環境等 調査場所データ、病院・施設ごとの訪問ルール、調査員ごとの調査対応状況
プログラム終了後の本格導入 実証実験において、効果的と金額により、令和3年度以降に本格導入を検討

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