Urban Innovation JAPAN


応募終了

豊橋市 未来創生戦略室

大災害時の混乱を最小限に!被災者支援サービスのオンライン案内ツールの開発

Point

解決したい課題

被災者支援サービスの問い合わせのため、大混雑が予想される大規模災害時。オンラインで被災者支援制度を案内することで、被災者と職員の負担を軽減したい。

想定する実証実験

スマートフォンやPCなどを使い、被災状況に応じた支援サービスの選択肢を探せる案内ツールを作成し、職員・市民に使ってもらう。

実現したい未来

市役所の混雑緩和だけでなく、オンラインで各種申請書類の提出や受取ができること。来庁の必要すらなくなれば、混雑緩和に加え被災者の負担も大幅に軽減される。

得られるもの

大規模災害発災直後の対応は、多くの自治体で課題視されていることであり、課題解決策の横展開が可能と思われる。

Story

豊橋市は震度7想定

 豊橋市で危惧される地震は南海トラフ地震です。この地震は、今後30年の発生確率が「70~80%」と言われています。南海トラフとは、静岡から四国にかけての太平洋側に存在する深さ4000m級の溝状の地形のことを言います。いわゆるプレート境界であり、ここでは、100~150年間隔でマグニチュード8クラスの地震を起こしてきました。近年では、昭和東南海地震(1944年)、昭和南海地震(1946年)がこれに当たります。

出典:南海トラフ巨大地震の深度分布予想(気象庁)

 千年に一度あるいはそれよりも発生頻度が低いが、想定最大級である「南海トラフ巨大地震」の被害としては、日本全国において最大で死者が約32.3万人、建物の全壊及び焼失棟数が約238.6万棟と想定されています。被災地の経済被害は最大で約169.5兆円と試算されており、東日本大震災(16.9兆円)をはるかに超えるものと想定されています。本市でも、市域のほとんどが震度7、市域の3割程度で液状化が発生し、津波浸水の被害も想定されています。

 以上はあくまでも想定ですが、南海トラフ地震は、定期的に発生し、甚大な被害を起こすことがはっきりしています。被害の軽減や早期に安定した生活を取り戻すため、平常時から最大限の努力を常にすべきだとの考え方が必要です。

一人ひとりに寄り添った被災者支援を提供する「ワンストップ相談窓口」

 「市民の生命、身体及び財産の保護のため、非常時優先業務の遂行に全力を挙げること」

 これは大規模災害時における自治体職員の責務です。

 大規模災害時には、発災後6時間以内を目標に市庁舎内に被災者支援のためのワンストップ被災者相談支援窓口を臨時開設し、そこで被災者の対応にあたることを想定しています。

 災害時に受けられる被災者支援サービス(制度)は数多くありますが、被災者一人ひとりの被災状況を丁寧にヒアリングし制度を案内するため、場合によっては対応に時間がかかることが予想されます。また、発災直後は多くの被災者が来庁することが予想され、窓口も大混雑するはずです。

 一方で、災害時には、被災状況を調査したり、避難所開設に動いたりとしている中で、ワンストップ相談窓口に十分な人員を配置できない可能性もあります。併せて、その際に配置される職員がそれぞれの制度に対して精通しているとも限りません。

 限られた資源を最大限に活用して、災害復旧・被災者支援業務に取り組むため、職員の負担軽減もとても重要です。

案内ツールで窓口の混雑を緩和

 こうした状況を想定し、市防災危機管理課ウェブサイトに支援サービスを掲載しています。しかし、一覧を見ただけでは、市民が自身に合った支援制度を探すのは、難しい面があります。

 そこで、「災害時にも稼働しているスマートフォンやPC等で検索できる被災者支援サービス(制度)の案内ツールの開発」により、被災者が自身の状況に応じた支援サービスの選択肢を簡単に見つけ、自力で窓口へたどり着けるようにすることで、ワンストップ相談窓口での混雑や待ち時間の解消と職員負担の軽減を実現したいと考えています。

 これに加えて、各種申請書類の提出や受取がオンラインでできるようになれば、被災者が来庁する必要すらなくなるため、さらに望ましいかたちになります。

 新型コロナウイルス感染症の拡大している中で、滞在時間を短くし、可能な限り混雑を緩和する観点からも、非常に重要な取り組みだと考えています。

もしものときの備えで、安心をつくりたい

 大規模災害時には、行政も被災し、人員、庁舎など、様々な資源に制約が生じる恐れがあります。

 ひとたび大規模災害が発生したときの被害は、死者・行方不明者、全半壊住居棟数など数値で把握されますが、人が抱える「困難」は数字からは見えてきません。物的な破壊、日常生活における「繋がり」の破壊、意識すらしない当たり前の世界が破壊される、巨大災害がもたらす「被災」のリアリティはそこにあります。

 今回の取り組みは、災害後の被災生活からの回復を促し、個人の生活と復興のための「強靭性」(レジリエンス)を獲得する一歩と位置づけています。

 地震など自然災害の多い日本においては、「もしも」の時の備えが重要です。支援サービスをスムーズに案内できる備えにより、災害時の市民の負担を軽減し、安心を作っていきたい。一緒に取り組んでいただけるスタートアップの皆様のご提案をお待ちしています。

【参考文献】

国土交通白書2020

豊橋市役所地震対策業務継続計画(令和2年6月改訂)

READ MORE

Outline

背景 南海トラフ地震をはじめとした大規模災害は突然起こる。市民の生命、身体及び財産の保護は自治体職員の責務であり、大規模災害時であったとしても、適切に責務を果たさなければならない。
課題(詳細) 災害時には被災者支援のための「ワンストップ相談窓口」という臨時的な被災者対応窓口が開設される。しかし、発災直後に多くの被災者が来庁すると、窓口の大混雑が予想される。とりわけコロナ禍においては、感染症対策の観点からも密を避け滞在時間を短くし、可能な限り混雑を緩和する必要がある。
求める解決策 災害時に受けられる被災者支援サービスを、支援を受けたい被災者がスマートフォン等で検索して容易に見つけられるシステムを開発したい。
被災者が自分に適用できる支援サービスを自分で調べ、直接市庁舎内各階の担当窓口を訪れてくれれば、ワンストップ相談窓口の過度の混雑を抑えることができる。
想定する実証実験内容(詳細) 被災者支援サービスの内容、対象者、手続き方法等についての情報を整理し、災害時に被災者自身が、スマートフォンやPC等を使い、状況に応じた支援サービスの選択肢を容易に探せる案内ツールを開発。そのサービスを実際に市職員・市民に使ってもらう。
実証実験成功後の発展性 災害時のワンストップ窓口は多くの自治体での開設が想定されるため、課題解決策の横展開が可能と思われる。
提案企業に求める専門性 東日本大震災をはじめとした被災地域の支援の経験、知見
プロジェクトの進め方打合せ方法 週1回程度の打ち合わせ、オンライン会議可能、防災危機管理課等複数課との調整・協議必要。ざっくばらんな関係構築を希望します
提供可能なデータ・環境等 ・豊橋市被災者支援制度一覧
・現時点で想定しているワンストップ被災者相談支援窓口検討案
プログラム終了後の本格導入 ・令和4年度予算化を検討
・オンライン申請の可能性検討