応募終了
Point
解決したい課題
公園や企業緑地などにおけるビオトープの整備を推進したいが、どのように整備すれば様々な生きものがやってくるのか分かりづらいため普及しない。
想定する実証実験
ビオトープの生態系の豊かさや、形成プロセスの可視化するツールを使って、市民や企業のビオトープづくりを普及・推進できるか検証する。
Story
なごや生物多様性センターの設立
なごや生物多様性センター(以下、「センター」)は、名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催された翌年、2011年に設立されました。
COPの開催に向けて生物多様性という言葉の認知度が高まるとともに、市民の皆さんによる身近な自然を守り育てる取り組みが盛んに行われるようになっていきました。
その流れを継承し、市民協働のプラットフォームとして協働による調査・保全活動や、多様なセクターの連携・交流、生きもの情報の収取・発信に取り組んでいくのがセンターの役割となっています。
なごや生物多様性センターに整備したビオトープ
センターでは令和4年3月、新たにビオトープを整備しました。
これには大きく2つの目的があり、一つは市民の皆さんに身近な自然に触れる機会を提供すること。もう一つはビオトープ本来の目的ともいえる、身近な生きものに生息・生育環境を提供することです。
スタッフは日々ビオトープを観察し、最低限の手入れをしながらやってくる生きものたちを記録しています。また、季節に応じて見られる生きものを紹介する観察会なども行っています。
このビオトープを通じて、市民や企業のみなさんが身の回りの公園や緑地に生物が生きやすい場所をつくる、そうした場所を増やす活動をはじめてもらいたいと考えています。
実は形式化されていないビオトープの作り方
そもそもビオトープとは何でしょうか。
ビオトープは生物のいる場所という意味で、その捉え方は人それぞれです。明確にこれがビオトープという正解があるわけではありません。また、ビオトープの作り方も様々です。
私たちのビオトープは、この場所がかつて生きもので賑わっていた頃のような環境を再現し、できる限り人手を入れない形で生物が集まってくる場を作ろうとしています。
それでもただ放置しているわけではなく、藻類が繁殖し過ぎたり侵略的な外来生物がやってきたりすることもあるため、日々の観察と記録は欠かせません。
ビオトープを普及させ身近な自然の質を高めていきたい
そんなビオトープづくりを市民や企業のみなさんに広めるには、やはり豊かなビオトープの基準や指標であったり、豊かなビオトープを作るプロセスの可視化・形式化が必要ではないかと考えています。
そして、それを先進技術でサポートいただけないかと考えています。
これまでスタッフが観察してきた写真などを解析したり、私たちのビオトープにカメラなどを設置して観察する方法などを考えてはいますが、ビオトープづくりを市民や企業のみなさんに広めることができれば、方法にはこだわりません。
自然が好きで、一緒に生き物にふれる機会を増やすことに興味を持っていただける企業のみなさんのご応募をお待ちしています!
Vision
実現したい未来
ビオトープの整備は難しくないことが理解され、身近な自然(それが人工的なものであったとしても)が豊かになってほしい。
得られるもの
生物多様性保全は、国や各自治体で今後ますます推進されることが想定され、本実証はモデルケースになり得る。
Outline
実証支援金:最大400万円
行政課題 1件あたり70万円(税込み)上限
社会課題 1件あたり400万円(税込み)上限
背景 | 名古屋市では都市化の進展に伴い、生きものの生息・生育基盤としての緑地が減少するとともに質の低下も進んでいる。 なごや生物多様性センターが作成している名古屋市版レッドリストで、最新版(2020年)では市内で確認されている6,697種の生物のうち413種(約6%)が絶滅危惧種に指定されている。 環境省が策定した「生物多様性国家戦略2023-2030」では、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全する目標が提示された。これを受けて、名古屋市でも現在「生物多様性なごや戦略実行計画2030」の策定を進めている。 なごや生物多様性センターでは、令和4年3月にビオトープを整備し、身近な生きものの生息・生育環境を再現することで、生態系の保全再生に取り組んでいる。 |
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課題(詳細) | 市民や企業にも、公園や緑地などにおいて、ビオトープの整備を進めてもらいたいが、どのように整備すれば身近な生きものの生息・生育環境として有効に機能するのかが分かりづらいことが、普及の足かせになっていると思われる。 |
求める解決策 |
ビオトープの普及のため、 |
想定する実証実験内容(詳細) | 市内のフィールド、あるいは、センターの整備したビオトープにおいて、提案いただいた技術を一定期間利用してみて、ビオトープ普及に寄与するかどうか検証を行う。 例えば、ビオトープの管理者がその技術を用いて生態系の豊かさを簡易的に計測できるようにすることに加えて、市内の別のフィールドでも同様の計測を行い、結果を比較するなどが考えられる。 ただし、実証を行う期間が、冬季にあたることも予想されることから、実施と評価の方法については、提案企業と調整して決定したい。 |
実証実験成功後の発展性 | ケーススタディとしてウェブサイトへ掲載することで、ビオトープを整備しようという機運が高まることを期待する。 |
提案企業に求める専門性 | 身近な生きものや、ビオトープの設計・施工・管理に関する知識があるとよい。 |
プロジェクトの進め方打合せ方法 | 開庁時間中であれば随時来訪可能、夜間の調査等については応談。(基本的にはウェルカムです。)生きもの好きのスタッフが対応させて頂きます。 オンラインでの打ち合わせも可。 |
提供可能なデータ・環境等 | 令和4年3月のビオトープ完成以降記録し続けてきた、定点観測写真(毎週撮影)、確認された生物種の一覧及び写真 |
プログラム終了後の本格導入 | 実証の結果、効果が立証できれば、令和6年度以降の導入を検討する。 |
選考基準・スケジュール・よくある質問など
資料請求・新着課題
地域・社会課題解決に繋がる、
本当の意味での地域創生をともに実現しませんか?