Urban Innovation JAPAN


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神戸市 消防局救急課

移動の選択肢を!利用者と民間搬送事業者をつなぐ新しいマッチングサービスを作りたい

Point

解決したい課題

民間搬送事業者の利活用で救急車の適正利用につなげたい

想定する実証実験

民間搬送事業者紹介サービスの利用が救急車の適正利用の割合の増加につながるかどうか検証したい

Story

神戸市の救急活動の現状

24時間いつでもどこでもかけつける救急車が当たり前ではなくなる未来が近づいていると聞いたら、みなさんはどう思われるでしょうか?
あなたの大切な人が急に具合が悪くなって、119番通報したのに一向に救急車が来ない・・・そんな想像もしたくないような事態が現実のものとなる可能性が出てきています。

いま、神戸市消防局では34台の救急車が稼働していますが,救急車は約6分に1回の割合で出動しています。高齢化の進展を背景に、出動件数はますます増大する見込みです。

私も昨年度まで救急現場へ出動している中で、いつも利用している介護タクシーが予約ができなかったり、介護施設等から病院へ移動してもらう手段がないなどの理由で、しかたなく救急車を要請した事例を見ることがありました。こうした事例は、救急車以外の搬送手段があることを広めていかなければ、と考えさせられる出来事でした。

神戸市では、2017年のUrban Innovation KOBEで、緊急時以外の救急車の出動を改善するために、民間搬送事業者(※)と利用者をマッチングさせる仕組みを検討し、その後、2019年に現行の自動応答電話システムを開始しました。

※ 民間搬送事業者とは、障がい者や怪我・病気などで介助が必要な方などを対象とした「介護タクシー」と、通常の「一般タクシー」を総称した名称です。

民間搬送事業者紹介サービスとは?

神戸市で活用している現行のサービスは「病院などに行きたいけれど、自力で病院には行けない」という方向けに、最寄の介護タクシーや一般タクシーを紹介しています。

音声案内で、利用者が乗る場所や降りる場所、利用日時などを答えると、システムが、登録済みの搬送事業者に電話をつなぎます。その後、利用者と搬送事業者間で直接通話していただき、話し合いの結果、双方の条件が合致したら、介護タクシーや一般タクシーなどを利用することができます。

神戸市では、本サービスを2019年3月から運用し、現時点では民間搬送事業者として介護タクシーが約70社、一般タクシーが約15社登録されています。
通算マッチング数は1,166件(令和5年3月時点)を超えて、一定の成果が出てきたところです。

また、一般市民の利用よりも、医療・介護福祉施設の担当者に「病院から病院への転院」や「介護施設等から病院への搬送」といった際に本サービスを利用してもらうことが、救急車の適正利用に寄与する可能性が高いこともわかってきました。

成約率の低迷

一方で、課題も浮き彫りになってきました。
現状では、1か月の電話回数は200件程度(のべ)あるのですが、実はそのうちの約2割しかマッチングしておらず、多くの利用者は引き続き交通手段が見つからないままとなっています。

成約率が低い理由としては、以下のようなものが考えられます。
・利用者の条件に合わない搬送事業者をシステムが紹介してしまう
・利用者が自動音声案内システムの質問をうまく理解できずに離脱してしまう(もしくは質問が多くて離脱)
など

現在の状況は、成約率の低さという問題を抱えていますので、この仕組みを継続していくには、成約率向上につながる対策を取る必要があります。そして、成約率が向上すれば、利用者がよりスムーズに交通手段を見つけることができます。また、利便性を実感し、高い満足度を得てもらえれば、利用者の増加や知名度の向上が期待されます。最終的に、現状よりも多くの人が非緊急時に民間搬送事業者を活用することで、本当に必要な人に救急車を確保しやすくなるのではないか。このような展開を考えて、成約率を改善することが、救急車の適正利用の第一歩となるのではなかと期待しています。

サービスの成約率を高めるとともに、民間搬送事業の活性化を図りたい

利用者と搬送事業者の成約率を高めるために、マッチングの仕組みを改善する必要があると考えています。

まず、意欲のある搬送事業者がシステムによって優先的に紹介される仕組みへ改善する必要があります。例えば、受け入れ回数や利用者のレーティングなどの評価を可視化し、優良事業者として認定するなどを考えています。
さらに、評価が可視化されることで、事業者間に競争が生まれ、サービスの向上にもつながることが期待できます。

また、そもそも民間搬送事業の利用者からは、行きたいときに電話をしても予約が一杯でと断られる、という声をよく聞きます。
本サービスの活用が進み、市場ニーズがあるんだということが示されれば、新たな参入業者が増える、もしくは搬送事業者の事業拡大の一助となるのではないか。

長期的に利用者と搬送事業者の双方にとって有益なサービスになればと考えています。

現行サービスが稼働していますが、今回全く別のマッチングサービスへの切り替えを検討しています。自動音声案内を基本として、利用者と民間搬送事業者をうまくマッチングして、移動の問題が解決でき、結果として救急車の適正利用につながる全く新しい提案も広く受け付けたいと考えています。

みんなが救われる救急搬送、地域福祉社会へ

高齢化が進み、運転免許証を自主返納される方が増えている中で、持続可能で利便性の高い交通サービスの確保が全国的な課題になっています。特に高齢者や障害者など交通弱者の自由で快適な移動のニーズは増加しており、民間搬送の仕組みは、地域の交通課題の解決や地域社会の福祉の向上に貢献できます。

音声案内を活用した民間搬送事業者紹介サービスを利用することで、「車を持っていなくても、移動手段がある」と知ってもらい、個人に限らず、病院や介護施設の利用が日常化することで、本当に必要な人を救急搬送することができます。

新しいサービスが、普段から「暮らしの足」として浸透して利用されれば、このシステムの可能性は非常に広がります。私たちと一緒にこの課題にチャレンジしてくださる企業の方をお待ちしています。

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Vision

実現したい未来

救急車の適正利用にとどまらず、地域の交通課題の解決にもつながる、より良い地域包括ケアシステムを実現したい

得られるもの

救急車の適正利用は全国共通の課題なので、導入しやすいサービス運用の仕組みが確立できれば全国的な利用が期待できる

Outline

背景

神戸市消防局では34台の救急車が稼働し,救急車は約6分に1回の割合で出動しています。高齢化の進展を背景に、出動件数は増大することが見込まれる。
一方で、神戸市消防局の実態調査では、緊急度が低くかつ軽症の方が40%以上を超えており、救急車の適正利用を図る必要に迫られている。
そこで、2019年から神戸市では、緊急利用ではない方には、民間搬送事業者の紹介サービスの利用を呼びかけている。

課題(詳細) 現在、「病院などに行きたいけれど、交通手段に困っている」という方に、最寄りの介護タクシー・一般タクシーを紹介する音声案内サービスを提供している。
利用者が乗る場所や降りる場所、利用日時などを答えると、システムが登録済みの搬送事業者の中から、最も距離が近い搬送事業者を3つ紹介し、搬送事業者へ電話を転送。
その後、利用者と搬送事業者間で直接通話し、話し合いの結果、双方の条件が合致したら、タクシー等を利用することができる。

しかし、現在成約率は2割程度で推移している。
成約率が低迷している理由としては以下が挙げられる。
・利用者の条件に合わない搬送事業者をシステムが紹介してしまう
・搬送事業者の登録数がそもそも少なく、利用者のニーズと需給バランスが取れていない
・利用者が自動音声案内システムの質問をうまく理解できずに離脱してしまう(もしくは質問が多くて離脱)

成約率の向上のために、新しいマッチングの仕組みを構築したいと考えている。
最終的には、救急車の適正利用につながるように、特に、医療・介護福祉施設の担当者が日常的なケースで利用してもらえるようにしていきたい。

求める解決策 利用者と民間搬送事業者をマッチングするサービス
以下、要件です。
・利用者が音声でも利用できること
・利用者の条件により適切な搬送事業者をマッチングできること
・意欲のある搬送事業者を優先的にマッチングする仕組み
 例)受け入れ回数や利用者のレーティングなど事業者の評価

以下のような追加提案があればありがたく思います。
・音声だけでなく、WEBサイトからもマッチングできること

その他、民間の自由な発想で救急車の適正利用につながる要素があれば是非ご提案をお待ちしております。

想定する実証実験内容(詳細) ・協力してくれる福祉施設へのインタビューやアンケートにより、満足度や改善してほしい点、利用者側からのマッチングへの阻害要因などを明らかにする。
・民間搬送事業者紹介サービスの成約率向上などを目指し、それが救急車の適正利用につながるか検証する
実証実験成功後の発展性 他の自治体においても同様の課題を抱えていると考えられるため、今回のアプリで収益が上がる仕組みになれば、全国的に活用してもらえる可能性がある。
提案企業に求める専門性 介護領域の知見
プロジェクトの進め方打合せ方法 オンライン会議対応可
提供可能なデータ・環境等 ・実証実験に協力してもらえる施設や病院
・現行サービスの利用状況などの情報
プログラム終了後の本格導入 本格導入を検討する

選考基準・スケジュール・よくある質問など

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