応募終了
神戸市 中央区 総務部 まちづくり推進課
神戸都心部における約8万4千世帯のソーシャルネットワークの構築
Point
解決したい課題
集合住宅が9割を占める中央区では地域コミュニティの弱体化が課題である。将来的なまちの機能の維持のためにITを用いて地域コミュニティを活性化させたい。
想定する実証実験
旧小学校区域内の地域へのツール試行導入および地域コミュニティに与える効果測定
Story
そういえば、近所の夏祭りや防災訓練って誰がやっているんだろう。
そういえば、なんとなくごみを出していたけど、うちの近くのクリーンステーション※はきれいだな。
そういえば、毎朝横断歩道に立って、子どもたちを見送っている人たちがいるなぁ。
「そういえば」、と、ふと気付く。
普段あまり意識してないけれど、自分たちが住む地域が暮らしやすいまちになるように、活動している人たちがいます。
お世話をしている人が、どんな人で、どんな活動をしているのか。
あなたは、自分の住んでいるまちで行われている、地域の活動のことは知っていますか?
家の中からネットで誰とでもつながれる時代。
「地域でどんな人がどんな活動をしているのかなんて、あんまり興味ないなあ。地域のつながりがなかったら、何か問題なの?」
そう思う人が増えてきたのかもしれません。
でも、本当にそうなのでしょうか。
※クリーンステーション:家庭ごみを出す場所
神戸市中央区のいま
中央区の世帯は約8万4千世帯。
その中で、集合住宅、いわゆるマンションなどの割合というと・・・約9割にもなります!
なかでも、住民の約25%にあたる人が100戸以上の大規模集合住宅(タワーマンションなど)に住んでいます。
区内のタワーマンション(20階建以上のマンション)の居住者にアンケートしたところ、約8割の方がマンション外とのお付き合いができていないと感じていました。また、地域の活動やイベントに参加していない居住者は約6割となっています。(平成27年度中央区内タワーマンション実態調査)
セキュリティが高いのはマンションに住む利点ではありますが、マンションの外からはどんな人が中に住んでいるのかがわかりにくく、一方で地域でのつながりづくりはどんどん難しくなっています。
衰退する地域活動。このままでいいのか?
そして地域からは、「地域活動の次の担い手が見つからない」「今後活動を継続するのが難しい」といった声があがっています。
自治会などの地域団体が徐々に減ってきていて、地域活動が存在しない「白地地域」が増えつつあります。
まちのお世話をする人がいなくなり、コミュニティが希薄化してしまうとどうなるのか。
たとえば、小さい頃から行っていた地域の夏祭りや防災訓練がなくなるかもしれません。
たとえば、誰もクリーンステーションを管理しなくなり、きれいに保つのが難しくなるかもしれません。
たとえば、街灯が切れていても誰も交換しなくなり、子どもが登下校する際に犯罪・事故に巻き込まれやすくなるかもしれません。
コミュニティが希薄になると、住環境・教育環境の悪化だけでなく、防犯・防災面での不安、地域文化の衰退など様々な問題が顕在化し、地域の荒廃につながる悪循環に陥る可能性があります。
災害時に発揮される地域コミュニティの力
ここで、興味深いデータを紹介します。
もしも大きな地震が起こった際には、ライフラインが復旧するまでには時間がかかります。
平成28年の熊本地震では、ライフラインが復旧するまでのおおよその期間は、電力が約1週間、水道・ガスは2週間かかっています。
(引用:内閣府 平成29年版 防災白書)
そのため、少なくとも復旧するまでの期間、避難所において地域のみなさんが生活を共にすることとなるのです。
また、災害と地域コミュニティの関係について、このような調査結果が出ています。
平成23年の東日本大震災において、震災前での自治会、町内会等の地縁活動への参加の程度が高い人たちほど、支援者として活動した比率だけではなく、支援を受けた比率も高くなっています。
(引用:内閣府 平成26年版 防災白書)
いざという時も含めて、地域のつながりは今もなお大事だといえます。
私たちはまちづくり推進課です。
地域の皆さんと一緒に、住んでいるまちが好きだと思える、そんなまちを作っていくのが私たちの仕事です。
大規模住宅化が進み、コミュニティのあり方が変わっていく中央区で、どうすれば地域のコミュニケーションを活発化し、もっとコミュニケーションが深まるのか。その仕組みを考えていきたい。
やっぱり、自分がずっと暮らしていくまちは、活気があって、きれいで、安全。そんなまちがいいなと思いませんか。
また、なにか困り事がでてきても、見知らぬ人に「困っているんです、助けてください」ってなかなか言いづらいですよね。
でも。ちょっとでも、顔が見える関係がつくれていたら。
何かあったとき、「あそこの○○さんが、同じようなことで悩んだって言っていたな。相談してみようかな。」なんて、解決の糸口がみつかるかもしれません。
地域での活動の情報をもっと他の住民の方と共有してもらうことで、地域の顔と顔がつながる和が広がるように、お手伝いがしたい。
「そういえば」の気付きから、「ちょっとあいさつしてみようかな」につながる。そんな地域の顔が見える関係づくりにつながるツールを、あなたの新たなアイディアで、私たちと一緒につくりあげてみませんか。
Vision
実現したい未来
地域の顔が見える、もっともっと『こんにちは』が飛び交うまちにしたい。
得られるもの
・地域の生の声を踏まえたサービスのブラッシュアップ
・行政情報を発信することによるツールの認知度向上
Outline
背景 | 現在、地域活動の担い手は高齢者が多く、そのメンバーは固定化している。また、地域団体においては、地域団体活性化等の課題があり、このままでは地域活動が継続されるか懸念される。 地域でのコミュニティが希薄化すると、日常的なくらしやすさが低下したり、災害時等の共助が働きにくくなると考えられる。 |
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課題(詳細) | 地域活動に参加する人を増やし、新たな担い手となってもらいたい。 そのためには、まずは地域の住民に、地域における活動を知ってもらうことが必要である。現状では、地域団体の活動(日頃の活動や夏祭り・もちつき大会など)の広報は主に広報掲示板やチラシ等で行っているが、参加していない住民にはうまく伝わっていないことが課題。特に集合住宅においてはセキュリティの面から住民に対して直接アプローチを行うのが難しくなっている。 |
求める解決策 | 地域住民と、地域活動に参加していない住民との、関係作りのためのITツールの検討及び作成。 具体的には、地域団体や行政が実施するイベントや事業の情報共有や、住民同士等が情報交換する地域SNSなどの機能を有するもの。 当該ツールは、ある一定の地域内での密な情報共有を目的とする一方で利便性が高く普及しやすいものであること、また利用者にとって安全であることが望ましい。 さらに、大規模住宅が多い中央区の特性を踏まえ、マンション住民が利用したくなるような特徴を有することが望ましい。 ただし、これにとらわれず、自由な発想で上記課題を根本から解決するものも歓迎する。 |
付加的・発展的な要素 | ・行政が地域住民の意見収集を行う際に、紙・WEBで収集できていない区民からの意見を回収できるよう、意見収集ができる機能を作成するツールに加味してほしい。ただ機能としてつけるだけではなく、答えたくなるような仕組みとして仕掛けることができればなおよい。 ・「一定範囲内」を、指定する地図上の範囲で指定できる機能があればよい。 |
想定する実証実験内容 | 旧小学校区程度の地域内で、求める解決策において例示するITツールの検討・作成及び、試行実施を行う。 |
求めるスタートアップ像 | 上記解決策について、興味があり、実効性のある提案ができるスタートアップ。 |
スタートアップに求める条件 | 特になし |
提供可能なデータ・環境等 | 地域の基礎データ 中央区で収集した過去の情報データ、アンケートデータ 想定する地域の地域団体への仲介 広報の協力 地域SNSへの行政情報の発信 |
プログラム終了後の本格導入 | 効果が実証できれば、その他中央区内等への地域への普及を検討。 |
選考基準・スケジュール・よくある質問など
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資料請求・新着課題
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